古沢嘉通

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  • 読んでみた(過去のレジメ集)

最近の記事

星雲賞の獲り方教えます(2014年日本SF大会、翻訳家パネル資料)

先日長年使ったパソコンがクラッシュして、データの移行作業を連日おこなっているところだが、その過程で、昔、日本SF大会(2014年7月19日、20日第53回日本SF大会「なつこん」)に参加したときにつくった資料が出てきたので、なにかの参考になればと思い、ここにアップロードしておきます。 元は、プレゼンアプリ(Keynote)でつくった資料ですが、汎用性をかんがみて、pdfに変換しました。まあ、あれから10年経って、かなり状況は変わっているかと思いますが⋯⋯。

    • 読んでみた:レベッカ・ヤロス Fourth Wing (2023)

       今年4月に発売されるや、売れまくっている本書を読んでみました。すでに某社には、レジメとして提出して、同社では出さない判断が下されました(まあ、このレジメの内容から、当然の判断でしょう)ので、このレジメをフリー素材(?)として公開する次第です。(一応、せっかく書いたレジメなので、埋もれさせるのももったいない)  とにかく、売れている本なので、人によっては、とても高い評価をするかもしれません。ただ、私には、合いませんでした。女性主人公が意中の人とはじめて臥し所を共にする場面(お

      • 読んでみた:R・F・クァン YELLOWFACE (2023)

        注釈:以下は、昨年作成したYELLOWFACEのレジメである。前作BABEL (2022)がネビュラ賞長篇部門受賞をしたのとタイミングを合わせるように発売された最新作ゆえ、とても注目度が上がっていることから、公開してみることにした。  もし邦訳出版を検討している出版社/編集者がおられるなら、参考にしていただければ幸いである(これを参考にしたなら、翻訳させろ、とは言いませんので、念のため(笑))。  なお、BABELのレジメのついでに作成したものであり、かなり簡略化したバージョ

        • ハードディスクに埋もれていた原稿:フリッツ・ライバーに関するエッセイ

          【前書き】  ライバーがらみで自分のパソコンを検索してみたら、こんなエッセイが出てきた。およそ四半世紀前にSFマガジンに書いたもののようだ。書いていたことすら忘れていたぞ。どうやら1999年2月号の「年代別SF特集1  豊饒の1950年代SF」に掲載された模様(現物は未確認。自宅の腐海をさがす気にならない)。ここで紹介している未訳の中篇の内容なんて、まったく記憶にない(笑)。同号に掲載された近況付き。  ま、大晦日の暇つぶしになれば幸い。 五十年代のライバー  フリッツ・

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        • 読んでみた(過去のレジメ集)
          8本

        記事

          読んでみた:スティーヴン・バクスター The Time Ships(『タイム・シップ』中原尚哉訳)

          【現時点での注釈】本稿は、SFマガジンにわたしが一回のみ書いた〈SFスキャナー〉の記事だが、どの号に掲載されているのか、自宅の腐海のなかに現物が埋もれていて不明。たぶん 1995年後半に書いた文章だろう。四半世紀以上前の文章だが、いまとほとんど文体が変わらない気がする。原稿のプリントアウトが出てきたので、入力し直した。(2022年5月11日記す)】  まもなくハヤカワ文庫SFから出るバクスター待望の邦訳第三弾FLUX (1993、『フラックス』内田昌之訳)は、読むと腰を抜か

          読んでみた:スティーヴン・バクスター The Time Ships(『タイム・シップ』中原尚哉訳)

          読んでみた(過去のレジメ集):クリストファー・プリースト The Affirmation (1981)

          【現時点での注釈】未訳のプリースト長篇のなかで、たぶんこれがもっとも優れている作品であり、翻訳されないのが不思議でならない。何度か売り込んだものの、タイミングが合わないのか、良い結果が出ていない。死ぬまでに絶対に訳したい本なんだけど、そのまえに寿命が尽きるかもしれないかも。声をかけていただける出版社があるなら、是非! すぐとりかかります!(2022年5月5日記す) The Affirmation (1981) by Christopher Priest レジメ 初版:Fa

          読んでみた(過去のレジメ集):クリストファー・プリースト The Affirmation (1981)

          読んでみた(過去のレジメ集):クリストファー・プリースト The Quiet Woman (1990)

          【現時点での注釈】一時期、プリーストの新作長篇が出るたびに読んでレジメを早川書房の当時の担当編集者に送っていた。このレジメは、1992年12月に作成し、現在は翻訳家として活躍されておられる安野玲さんに送ったもの。当時はFT文庫担当だったかな。いま読み返すと、内容の記憶がまったくない。レジメを書いた本人は気に入っていないようだが、粗筋だけ読むと、いかにもプリーストらしくて面白そうではある。(2022年5月4日記す)              ★ ★ ★ The Quiet

          読んでみた(過去のレジメ集):クリストファー・プリースト The Quiet Woman (1990)

          読んでみた(過去のレジメ集):ケイト・ウィルヘルム Death Qualified (1991)

          【現時点での注釈】過去四社にレジメを出し、玉砕したいわくつきの長篇。最後の出版社では、かなり具体的に話が進んでいて、続篇の版権も取得しようか(その際、続篇以降には興味が無いので、ほかの訳者にまわしてくれ、とも伝えていた)というところまでいったのだけど、最終的な会議で通らず、担当編集者も退社して、結局、訳せずに終わった。作品自体に力はあるのだけど、いまとなればフロッピーディスクが出てくるなど、さすがに古いかな。(2022年5月4日記す)                    

          読んでみた(過去のレジメ集):ケイト・ウィルヘルム Death Qualified (1991)

          読んでみた(過去のレジメ集):ケント・ハリントン The Tattooed Muse (2001)

          題名:THE TATTOOED MUSE (2001年11月) 著者:ケント・ハリントン 出版社:Dennis McMillan Publications ページ数:288ページ 【現時点での注釈】  二〇〇一年に扶桑社から二冊『転落の道標』Dark Ride (1996) 古沢嘉通訳、『死者の書』Dia De Los Muertos (1997) 田村義進訳が出て、ノワール好きのなかでそれなりの評価を得たケント・ハリントン。その後、八冊の長篇を上梓するも、日本で紹介される

          読んでみた(過去のレジメ集):ケント・ハリントン The Tattooed Muse (2001)