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認知症の中で一番多い「アルツハイマー型認知症」

「アルツハイマー型認知症」聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
今回はアルツハイマー型認知症をテーマにお話しします。

認知症は大きく分けて4種類ある!

・アルツハイマー型認知症
・脳血管性認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症

聞いたことがない認知症もあるのではないでしょうか?
高齢者の認知症では「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」が
全体の約8割を占めています。

こちらの記事では、認知症について簡単に簡略化して説明しています。

認知症は「診断名」ではなく、「症状の名前」!

「認知症」は診断名と思っている方も少なからずいらっしゃいます。

「認知症」とは診断名ではなく「症状の名前」のこと。
ここでいう診断名とは「アルツハイマー病」というものになります。

たとえば、脳梗塞になって片麻痺になった(体の半分が動かなくなった)場合。
この場合、「診断名」=「脳梗塞」 「症状の名前」=「片麻痺」となります。

つまり「アルツハイマー病」になって「認知症」になったということなのです。
先ほど挙げたように、認知症には4種類あるので
すべてを「認知症」といって片付けてはいけないのです。

アルツハイマー型認知症ってどういう病気?

アルツハイマー病は、脳に異常タンパク質がたまることによって
脳が萎縮していく病気です。それにより、さまざまな症状が出現します。

これは高齢者(65歳以上)がなる病気ではなく、若い方も発症する病気です。
原因遺伝子やリスク遺伝子の解明も進んでおり、遺伝性では若くに発症します。

どのような症状が出現するのか。
まず最初に起こるのは「記憶障害」。いわゆる「物忘れ」です。
 ・何度も何度も同じことを話したり聞いたりする
 ・探し物、置き忘れが多い
 ・日付を何回も確認する
 ・約束事や予定を忘れる

このようなことが起こり、ご家族が心配になって病院に来られることが多いです。
これは急に起こるものではなく、
「少しの違和感」から「徐々にゆっくりと」進んでくるのが特徴的です。
そのため、ご家族で「いつから物忘れが起きたのか」を答えられない方もいます。

高齢者のアルツハイマー型認知症では、ほぼ同じような経過をたどります。
そのため、今後どのような状態になるのか予測が立てやすいのも特徴になります。

アルツハイマー型認知症では、「記憶障害」からはじまり、その後「注意障害」
「遂行機能障害」が起こり、
徐々に一人で日常生活を営むのが難しくなり、介助を必要とする状態になります。
そして「言語障害」などが起こり始め、身体の動きにも徐々に支障が出てきます。

 ※注意障害→いろいろな情報から必要なものに集中する力
 ※遂行機能→計画を立てて、臨機応変に対応する力
 ※言語機能→話す・聴くなどコミュニケーションに関わる力

そして介護に最も影響するのが
「BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)」
日本語でいうと「行動・心理症状」と言います。

徘徊、暴言・暴力、妄想など、
患者さまの「不安」「ストレス」「疎外感」から起こる症状のことです。

介護者からしてみれば「意味もなく歩き回っている」ように見える徘徊も、
患者さまは「何かを探している」「不安で落ち着かない」
「家や部屋に戻れず道に迷っている」など何か理由があるはずなのです!

患者さまの「不安」や「ストレス」を軽減することにより、
BPSDも少なくなっていく可能性があるのです。


今回は「アルツハイマー型認知症」を中心にお話ししました。
他の認知症や、細かい症状の解説なども順次行おうと思います。

少しでも認知症を理解できる一歩になることを祈っています。


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