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減塩台湾攻略④2023.12/28

雨のそぼ降る台北で

 どこかで水漏れの音がする、と思ったら雨の音だった。窓がないので廊下に出て確認した。
 雨の中ランタン飛ばしもないだろう、と今日は故宮本院に行く事にする。
その前に朝ご飯、と暗い中朝6時から開いているという朝ごはんスタンドを目指す。店先にずらりとサンドイッチが並んだスタンドに狭いイートインスペースがある。真っ暗な街中でそこだけ明るい灯りがともってまるでオアシスのようだった。

外は真っ暗
サンドイッチの他にハンバーガーや蛋餅、トーストもある
黒胡椒麺
蛋餅
ネギ焼餅
餃子

 麺はパスして、たれのかかっていない餅類をいただく。イートインしていく客は他にいなくて、並んだサンドイッチが次々売れていく。「喜客来早餐店」その名の通り朝ごはんメインの店らしい。6:00に開店して13:30には閉店。こういうスタンドが日本にも欲しい……こういう店を日本で開くという夢をみるのも悪くない……(戯言が過ぎる)
 故宮に行くにはまだ早いので部屋に戻り、TVでNHKのニュースと朝ドラ(ブギウギ)あさイチを少々見て休む。こちらのNHKは総合とEテレの混合らしく、夕方は子ども向け番組を流していた。
 

まさか台湾で続きを見るとは

 西門町の駅前から304番のバスに乗ると故宮まで行ける(と、グーグルマップが教えてくれる)。開館前にチケット売り場は既に行列。チケットを持っている人々は自動改札前に。我々は夫の手帳で優先レーンへ。(ありがたい)
 白菜は台南、肉石は南院、それでも後から後からツアー客が押しかけてきて館内は人でごった返している。
 

これを見て「えええーがっかりー」と言ってる人がちらほら

 初めて故宮に来たのはもう何年前だろう。香港に行き狂っていて、羽田の国際線乗り場が鄙びた地方空港並みだった頃。当時、チャイナエアラインの台北経由香港行きが羽田発で格安だったので、台湾はトランジットの地だった。ストップオーバーが出来るということに気づいて、なら、降りてみようか、となったのは20年くらい前だったかと思う。今となってはチャイナエアラインなんて高級すぎておいそれと乗れませんがな。一時期マイルも貯めてて、初めてビジネスクラスにアップグレードしてくれたのもチャイナだったっけ。
 当時今のような台湾ブームはなく(ガイドブックも地球の歩き方くらいしかなかった)、故宮も地方の歴史資料館みたいな展示方法で、(展示されている中身はもちろんお宝ばかりだったが)肉石も白菜も見たいだけいつまでも見ることが出来た。
 台北の街中にもまだ崩れかけた日本家屋があり、定宿は中山の金星大飯店だった。MTRもまだ路線が少なく、バスを乗りこなすためにはポケットバス路線ガイドが必須だった。鼎泰豐もまだ本店だけで行列なんかしないで入れたし、桃園空港もどことなく古びた印象で、免税店に並ぶ土産物も香港に比べて圧倒的にダサかった……BBAの昔語りが長くなりそうなのでこのくらいにするけれど、それはそれで今となっては懐かしい。
 

雨に煙る故宮も美しい
白菜くんがお出迎え
表情とコスチュームがいい。ゲームキャラにいそう
薬屋のひとりごとでこんなの見た!!
紫禁城の展示より。西太后もこんなんつけてたねぇ
中国の動物モチーフもかわいい
すごく写実的
この時期ならではの装飾

 

よくもまぁこんなの運んできたよなぁ、と
ちらし寿司みたいなカラフルさ
蝶だけじゃなくいろんな虫がいるのが面白い
象と…なに?


ライチ柄!欲しい!!!
なんと美しい蛍焼き
青磁、美しいねぇ
この地に絵付けするセンスよ
獏!!ばく!!!!
短足ぷりちー
タツノコメカっぽい
狗と羊?
貝を使った細工
かわええ
ロココのかわいいミニチュアの展示
こっちにもいた

 途中休みを入れつつ人波をかき分けてざっと見るだけでも3時間。やはり故宮は体力のあるうちに来ないといけない場所だ。70過ぎて一日いた父の体力はバケモノかと思う。
 父の目当ては「清明上河図」。一日見ていても飽きなかったらしい。残念ながらこの時は展示されていなかった。
 この「清明上河図」のパロディともいえる「熊熊上河図」というものが2019年に台北駅の地下に広告として掲示されていた。

 一度実物を拝みたかったのだが機会に恵まれず、夫に写真だけでもと撮ってきてもらった。このイラストを使ったジグソーパズルが売られているらしいのだが、ポスターとかタペストリーが欲しい…
 表現方法として色々物議をかもしたらしく、ニュースにもなっている。
 

 台湾人を黒熊、中国人を大熊猫、ヒグマと白熊が外国人を表して、様々な圧力に虐げられる台湾人の姿を描写してるのだそう。そこも含めた高度にシニカルな作品なのだと思うが、とにかくかわいいのだ。かわいいは正義。
  

ようやく小籠包

 故宮からまたも304バスで、夫お勧めの小籠包屋に向かう。
 

輸入豚でなく台湾豚を使っていますと
店の名は黄龍荘
竜の髭(ハヤトウリのつる)炒め。これが絶品だった
カニ味噌小籠包も頼んでみた
鼎泰豊よりはリーズナブル

 この店で食べた炒青菜が過去一美味な青菜だった。龍の髭、という野菜だというので調べたところハヤトウリの蔓らしい。癖がなく、シャキシャキの歯ごたえは空心菜を遥かにしのぎ、洗面器いっぱい食べたいやつだった。
 千切り生姜はセルフサービスだったので山盛り持ってくる。醤油など不要で黒酢に千切り生姜をどっさり入れていただきます。
 小籠包1個の塩分量は0.3g程度だそうなので、1日に10個までは行けるだろうと踏んでいるのである。原味もカニ味噌もどちらも美味しかったけどオーソドックスに原味が好みかもしれない。菜肉餃子は90%菜っ葉、の滑らかな餡が美味しい。やっぱり台湾は小籠包と蒸餃子だな!昔ならさらにチャーハンも頼むところだけれどこれで十分満足である。
 ちなみに夫は海老嫌いなので海老焼売とか海老餃子を注文するという道はないのであった。

南門市場でビッグイシュー

 そのままスタバを探してふらふらと歩く。別にコーヒーが飲みたいわけではない。夫が台湾限定のスタバグッズを探しているのである。特に「関羽マグカップ」を。
 日常的にコーヒーを嗜む習慣がなく日本でもスタバには用がないわが家であるが、台湾・香港のスタバ限定グッズは時々欲しいな、と思うものがある。特に中秋節と春節の時期は毎年新商品をチェックする。今年はこの台湾文化シリーズがダントツに魅力的だった。

飲みにくそうという感想は置いといて

 中でも左から三つ目。関羽!関羽が欲しい!!と、嘉義に到着してからスタバというスタバを覗いて回ったが(そのためにバスの途中下車すらした)見つからないのである。(結局帰国してからヤフオクだかメルカリだかで入手していた。執念よ…)祈りが届かないのかねぇ…
『順調の祈りマグカップ 関聖帝君は「関公(関羽)」とも呼ばれ、その忠義、武勇のイメージは人々の心に根付いています。赤い顔に長い髭をたくわえ、青龍偃月刀を手にする姿でおなじみの関公は人々から深い敬愛を受けており、人々の万事順調を見守る民間信仰の文化となっています。万事順調を祈る関聖帝君をイメージしたマグカップです。』(公式サイトより)
 ふらふら歩くうちに南門市場まで来てしまった。リニューアルしてからは初めてなので中を覗くことにする。
 新年を控えてどの店も熱気にあふれている。

案内パネルもかわいい
学長はぴば!
八宝飯!カラフル!!アイスケーキに見える
思う存分買い物したい(無理)
ポークジャーキー!美味しい奴!!
日本には持ち込めないので今夜のつまみに

 肉加工品屋さんで夫のつまみ用にポークジャーキーを買う。甘じょっぱくて美味しいんだこれが…
 市場を出ると車いすに乗った女性が「THE BIG ISSUE」を販売していた。以前から台湾では障がい者や高齢者が街角や駅前で宝くじやガムや飴などを販売している姿を見たことがあったが、ビッグイシューは初めてだったので購入させてもらう。旅行者でもできる社会貢献なのでね…ちなみに値段は150NTDだった。


ドキュメント72時間「西門町の片隅コインランドリー」

 ホテルに戻り一休みをして、洗濯物を抱えて近所のコインランドリーに向かう。ここがまぁ、面白かった。ドキュメント72時間の取材カメラを置いてほしいくらいに。
 

ずらりと並んだ洗濯機
1回80NTD
修理工さんがやってきた

 日本のコインランドリーが200円くらいかと考えるとややお高いのだけど、大物も一気に洗えるのは大変助かる。洗濯物を放りこんで、備え付けの椅子と机で日記を書きつつ待っていると、カートに山盛りのシーツとタオルを積んでやってきた小姐がやってくる。
 この近辺は安いホステルなども多いので、そこで使っているものだろうか。洗濯は既にしてあって、乾燥機だけ回しに来たらしい。6台ある乾燥機が次々と埋まっていき、うちの洗濯物乾かせるだろうか、とやや不安になる。しかも1台は故障中らしいし。と思っていると修理工を引き連れたオーナーらしき中年女性がやってくる。かと思えば、車いすに乗った高齢男性を連れてヘルパーらしき青年が乾燥機の洗濯物を取りに来る。さっき、店の前にデイサービスのバスっぽいのが止まって車いすの高齢者と介護員らしき人が降りてきたなぁと思ったけど、この二人だったわ。と、わずか40分もの間にこの人間模様である。
 乾燥機は5分で10NTD。乾燥具合を見つつ、3回しでほぼ乾いた。55分の人間ドラマを見たわぁ、とホカホカの洗濯物を抱えて宿に戻るのであった。

 

夜は長いのでもうひとふんばり

 夏の香港と比べて活動量が多いはやはり気候のせいなのか。もう真夏の旅行は諦めて、冬だけにするのが無難なのかもしれない。(その分ホテルのランクを上げろと強請るのも悪くない)
 徒歩圏内のカルフールに行ってみたが、超級市場サイズだった。黒糖ハーブティーの素、ティッシュ、晩酌用に台湾ビールの生などを買い、夫はポークジャーキーをつまみに晩酌。
 あっという間に高いびきをかき始めたので、一人で近くの誠品生活西門に出かけた。書店もだが、無印良品を覗きたかったのである。
 

戦利品

 台湾無印良品限定商品は現在まだまだ増えていて、そのラインナップは非常に魅力的である。価格は多少お高いが、お土産として安心して受け取ってもらえそうである。(中華圏のお土産は怪しまれる確率が高い)重量制限がなければ鍋の素とか瓶入り調味料も買いたかったのだが、チョコとゴーフル、ティーバッグで我慢した。
 そして「今日からシティーハンター」の2巻も。1,2巻同時発売らしいのだが、この一冊しかなかった。売れてますよ!!ソクラ先生!!!
 以上で本日のミッションは終了。


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