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murmur coffee kyoto

メリークリスマス、入り口の花のリースにそう言われた気がした、休日のアフタヌーン、高瀬川沿いを散歩しがてら、久しぶりのカフェに入ってみる、空いている、と思いきや、次々に客が入店、あっという間に席が埋まっていった、以前深煎りのブレンドを飲んだような気がするこの場所で、今回はもう少し定番っぽい、店の名を冠したブレンドをオーダーしてみる、

murmurブレンド、インクや、ニスのような香り、あるいはこれは壁にかけられた絵の、そこから受けた印象が影を落としていたかもしれない、その絵はファッショナブルな大人の女性が水彩で描かれた、華やかで、瑞々しく、その中に妖艶さも感じる絵で、インクやニスの香りを直接想起させるものではないのだが、しかしそこから受けた芸術、という印象、その印象をもとに作り出されたイメージが、インクやニスの香りとなって、いわば僕の内側から、醸し出されたのかもしれない、口に含むとその香りは消え失せ、明るい酸味が晴れた午後の日の散歩を思わせる、飲みやすい普通のコーヒーに変わっていた、ブラジルっぽい、が、甘さより酸が主体的な味わい、豆の鮮度も影響しているかもしれない、少し舌触りがきゅっとしていて、密度が濃い、もう少し豆を粗挽きにすると美味しくなるだろうか、前半は少し渋い、煎茶のようなニュアンスも感じた、しばし、読書に耽る。

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