キャリコン視点で映画名言6選
ドラマ・映画好きなキャリアコンサルタント xyzです。
今回は少し趣向を変えて、映画を観ていて心に残ったセリフやお気に入りのセリフをキャリコン視点で選んでみました。
①そのままの君が好きだ。
『ブリジット・ジョーンズの日記』より
原題は『Bridget Jones's Diary』
シリーズ第一作目の作品です。
主人公ブリジットの幼馴染のやり手弁護士マーク・ダーシーのセリフ。
この映画も、このセリフも、もう何回か記事の中で紹介しているかと思いますが、今回もまた懲りずに紹介させていただきます。
セリフは3分34秒辺りです。
自分の気持ち伝えるのにかなりまどろっこしいマーク……そんなマークが言ったことだから、刺さる!
良いところなしで欠点だらけ失敗だらけドジでみっともなくて間の悪いブリジットだけど、そんな彼女のすべてをわかった上で「そのままの君がとても好きだ」と言うマーク。これ、最高の褒め言葉だと思いませんか?
ブリジットがいつも一所懸命だから、正直に生きようと踠いているから、周りがブリジットをなんとか助けたい、応援したい気持ちにさせるのですね。
自己肯定感を持っているブリジットだから、等身大の自分を出すことを恐れず、失敗にもめげずに挑戦する勇気と行動力があって、自らハッピーを引き寄せている……自己肯定感の大切さに気づかせてくれる映画です。
マークの告白を親友たちに話していたブリジット。みんな興奮して荒ぶる荒ぶるw
ブリジットの誕生日ディナーの席で親友のひとりが「料理もできないブリジットだけど、ありのままの彼女がみんな大好きだ」と言います。そして全員で「ありのままの彼女が大好き!」と唱和w それ、マークのセリフ……。
俺の言ったこと全部友達に筒抜けなんだ……微妙にこわばった表情をしたマークが何とも言えずかわいいw
(ハイ、わたしはかなりのコリン・ファース贔屓です)
なかなか他人と距離を縮められないマークも、底抜けに明るいブリジットの親友たちの勢いにのまれて、いつの間にか彼らとうちとけていきます。よかった!
②いつもあなたらしくいてね。
『リトル・ダンサー』より
原題は『Billy Elliot』
舞台は1984年のイギリス北部の炭鉱町。
主人公は11歳のビリー・エリオット。炭鉱に勤め、炭鉱の世界、自分の住む町のことしか知らない父と兄。一年前に母を亡くし認知症の祖母の面倒をみているビリーは、ヤングケアラーでもあります。
ビリーは偶然に導かれるように、バレエに夢中になり、そこからビリーの生活が、毎日が、人生が変わっていくのです。
引用したセリフは、病気で亡くなった母が生前ビリーに遺した手紙の一文から。
バレエ学校受験を目指してウィルキンソン先生とのマンツーマンのバレエレッスンが始まります。
レッスン初日、先生はビリーに自分の大切なものを持って来させます。ビリーの宝物はサッカーチームのユニフォーム、亡くなった母から十八歳のビリーに宛てた手紙、お気に入りの音楽の入ったカセットテープ。ビリーは先生に母の手紙を見せます。
十八歳になる前に、ビリーはとっくに手紙を開封していて、誦じるくらいに何度も読んでいました。
手紙を読み終わった先生は声を詰まらせて「いいお母様だったのね……」と言いますが「普通(の母親)だよ」と素っ気なく返すビリー。
Be yourself.
数々の偏見や常識にとらわれずに、自分のやりたいことをする。ありたいようにいる。あなたがあなたでいることが大切。
自分らしくいることを大切にできることは、他者の存在を認められることに繋がります。
ゲイであることをビリーにカミングアウトした同級生のマイケルに対するビリーの態度はとてもフラットなものでした。
あの時代のイギリスの炭鉱町では、男らしさ、女らしさの縛りがきつく、LGBTをカミングアウトするには勇気がいりました。マイケルはこっそり女装をしたりしていましたが、もし本格的にカミングアウトしていたら「異質」で偏見の目で見られるであろう存在でした。
ビリーは「僕はゲイじゃない」と言いながらも、マイケルのことは認め、彼との友情は大切にしていました。
マイケルをあるがままに認めることも、このBe yourself に通じるものなのだと思います。
母からの手紙には他にも「あなたのそばにいます。そして息子であるあなたを誇りにし続けます」と書かれていました。
母の遺した言葉が、人生の岐路で選択に迷った時、ビリーの心の支えになり、大きな力になったに違いありません。
貧しい生活であってもピアノを弾くことを楽しみにしていたというビリーの母。亡くなってからは、他にピアノを弾く人もなく、家の雰囲気も男所帯で荒んだ、というか、暗く殺伐としています。
バレエに惹かれていったビリーは、音楽を楽しんでいたお母さんの血をしっかりと受け継いだのかもしれません。
ピアノは、家族にとって亡くなった母(妻)の象徴だったのですが、そのピアノを思わぬ形で失うことになります。とても切なくつらいシーンで、観るたびに胸が締めつけられます。生きていくことの厳しさを突きつけられるシーンです。(ネタバレを避ける表現)
この映画については、別の機会に改めて書きたいと思います^^
③何が本当に必要かは自分で決めないとね。
『365日のシンプルライフ』より
原題は『Tavarataivas』(モノ天国)
こちらの映画も以前記事にしました。その時はあまり焦点を当てていなかった、主人公ペトリの敬愛するおばあちゃんの言葉です。
自分を知ること。
キャリコン界隈では「自己理解」という言葉を使いますが、この自己理解なくしては意思決定、自己決定能力を発揮することは難しいです。
人生において自分を知ることの大切さを、おばあちゃんはペトリに説いています。
おばあちゃんは他にも「持っている物の多さで幸せは計れない」「人生で大切なのはモノじゃないわ。モノは小道具よ」という金言を残しています。
④人生は「見学」できないんだよ。
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』より
原題は『Yes Man』
そのままですね!日本語題は長い副題が付いています。
何もかもうまくいかず、人付き合いも極力避けネガティブ思考で凝り固まった銀行員のカール。何でも「No!」と返すのが口癖。
ひょんなことからしかたなく参加した自己啓発セミナーで【何を聞かれても「YES」と答える】と約束させられるはめに。
何でもイエスと言っているうちに人生が一変する様子をコミカルに描いた映画です。
冒頭のセリフは、その自己啓発セミナーのカリスマ講師テレンスのセリフです。
講演中に、新参者としてテレンスにロックオンされたカール。
壇上へ、と誘われるも必死で断るカール。
「今日は見学(聴講)に来ただけなんで」
audit は【検査する】【会計監査】のほかに【聴講する】という意味があります。
そのセリフに対するテレンスの返しです。圧、強すぎます……!
傍観者(傍聴者)になるな!
人生、主体的に生きろ!
チャンスは積極的に掴め!
テレンスはこんなことを言いたいのかなと。
何だかよくわからないうちにテレンスや会場の雰囲気に押され、カールはステージに上げられ、参加者全員の前で「全てのことにYES!と答えます」と誓約させられる羽目に。
この誓約という行動が、誰に強制されたわけでもないのに、いつしかすべてのことにイエスと答えることを律儀に実行していく、自己変革の一歩となったのです。
何でも斜に構えて皮肉屋で愛想もなかったカール。
ただ「イエス」と答えるだけ。そのスモールステップが大きく人生を転換していく……!
そういえば、かのマザーテレサも仰っていました。
考え方のくせを変えて、使う言葉(口癖)を変えるだけで、行動が変わり人生が変わる、そんなカールの劇的な変貌ぶりが見どころです!(それとジム・キャリーの顔芸もw)
スモールステップ万歳❗️
⑤人生は自転車レースのようなものだ。
『アメリ』より
原題『Le Fabuleux Destin d’Amélie Poulain』(アメリ・プーランの素晴らしき運命)
パリ・モンマルトルを舞台に、パリジャンの日常を描いた映画。
想像力の豊かな、しかし周囲と満足なコミュニケーションがとれない孤独で不器用な少女アメリが、少しずつ自分や周囲や世界を変えていく物語です。
「人生は自転車レース(ツールドフランス)のようなものだ。 待ち時間は長く、たちまち終わる。」
チャンスが来たら、思い切って飛び込まねば。と後に続きます。
「チャンスの女神は前髪しかない」的なニュアンスでしょうか。
クランボルツの【計画的偶発性理論(プランドハプンスタンスセオリー)】は、偶然の出来事や出会いを、積極的にキャリアに反映する生き方が可能になるように、常に準備をしておくことを解いているのではないかと思うのですが、このセリフはまさにピッタリだなと思いました。
『アメリ』には他にも素敵なセリフがたくさんありまして……
「人生は果てしなく書き直す未完の小説」という言葉も個人的にはとても胸に響きました。
キャリアは20代で9割決まる、という転職支援コーチの売り文句を目にしたことがありますが、20代は小説に喩えれば書き始め、いくらでもストーリーは変わるし変えられる、とわたしは思います。
9割も決まっていたらストーリーを書く楽しみもなくてつまらないです!
クランボルツの理論も、キャリアは逆算して計画論的に将来のキャリアを形成するものではなく、予期しない偶然の出来事によって変化しながら形成される、ということですからね^^
人生100年時代、いつでも偶然の機会を自分に引き寄せられるように、準備万端な自分でいたいです。
⑥今日は明日だー!
『恋はデジャ・ブ』より
原題は『Groundhog Day』
Groundhog Dayとは何かはこちらで。
今日は明日だ、って何のこっちゃ?ですよね。
この映画を一言で表すと「なぜか同じ一日を延々と繰り返す羽目になる男の物語」です。
主人公のフィルは自分勝手で傲慢なお天気キャスター。
フィルは2月2日のGroundhog Day(聖燭節)の取材でTVクルーと共にお祭りの行われるペンシルバニアのパンクスタウニーという田舎町に滞在します。
取材を終えたフィル達ですが、吹雪で帰ることができず、もう一晩町に残ることになります。(この時点で「こんな田舎町」「早く都会に帰りたい」などとブーブー文句言ってるフィルw)
ホテルで一晩過ごしたフィルが、翌朝6時、目覚ましがわりにセットしていたラジオで起床すると……ラジオからは昨日と同じ曲、同じセリフが流れ……外を見ると昨日と同じ。2月2日(Groundhog Day)がまた始まっていました。
この日からフィルは、2月2日を何度も繰り返すことになるのです!
あらゆることを試してみても明日にならない。繰り返す2月2日。でも、フィル以外の他の人々にとっては「初めての」2月2日を「普通に」過ごしていて、フィルのような違和感を持っていない……。まるでフィルにだけかかった「呪い」のようです。
取り上げたセリフは、同じ日を繰り返す「呪い」が解けて、新しい朝(2月3日)を迎えたフィルが呟いた一言です。
何度も何度も同じ日を繰り返す、明日が来ない不思議な現象に苛立ち、怒り、自暴自棄になり、やがて絶望し、諦めたフィル。
そんなフィルの心にある変化が生じ、永遠に繰り返す一日を逆手にとって楽しみ始めるのです。そこからのフィルの行動が面白い!
なぜ「呪い」が解けたのか?
フィルの心境にどんな変化が起きたのか?
その答えについては、後日改めて記事にしようと考えています(現在執筆中なので近日中にup予定です^^)
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今回は映画の名言、名セリフを取り上げましたが、ドラマの名言、名セリフについても別の機会で書きたいと思います。
皆さんのお気に入りの映画のセリフも是非教えて下さい!
ここまでお読みいただきありがとうございました♪