新たな扉を開く可能性を信じて
ドラマ・映画好きなキャリアコンサルタント xyzです。
だいぶご無沙汰しておりましたが、その間も映画、ドラマ、舞台は気ままに楽しんでおりました^^(書きたいこといっぱいで困る……また下書きばかり溜まってしまって記事にするのが追いつかない!)
さて、今回は宝塚歌劇団のわが贔屓のスターさんについて記事を書こうと思います。
瀬央ゆりあさん
わたしが贔屓にしている方は、瀬央ゆりあさんという男役スターです。
肖像権の問題もあり、SNSに画像を上げることが難しいので、最新作のポスターを上げますね。
舞台映えする、すらっとした恵まれた容姿、ダイナミックなダンス、安定した男役歌唱、滑舌の良さ、そして瀬央さんを語るのには絶対に外せない演技力……!
清廉さあふれる純真な書生や貴族の道楽息子、気位の高い王族から、やんちゃな船乗り、凄腕の剣士、人の好い善人からはたまた妖しくセクシーな悪役まで、とにかく役の振り幅の広さといったら!役作りにも真摯で、役の内面を丁寧に掘り下げ、とても繊細で緻密な演技をされる、芝居心のある舞台人でいらっしゃいます。
その人柄の温かさと気さくさで下級生たちから慕われ、その素直さと誠実さで上級生から愛されています。
(ああ、魅力を伝えきれていない❗️もっとたくさんの言葉を尽くしても足りない‼️)
宝塚音楽学校をご卒業後、歌劇団に入団、星組に配属となり男役スターとしてご活躍されていましたが、先月28日付で専科に異動となりました。
今回の記事は、親愛なる瀬央ゆりあさんに捧げます。
(烏滸がましいことこの上ないですが彼女の門出を祝う気持ち……ということで何卒お許しください)
宝塚歌劇団について
まずは、宝塚歌劇団のことをあまりご存知ない方のために、簡単な説明を…。
宝塚歌劇には「花」「月」「雪」「星」「宙(そら)」の5つの組があります。
「専科」というスペシャリスト集団
そして、上記の5組の他に「専科」があります。
全ての公演が組ごとに行われ、組の顔となるトップスターコンビ(トップ男役、トップ娘役)を中心に、各組それぞれに異なる魅力にあふれたステージを楽しむことができます。
時に専科から客演を招くことで、作品に深みや円熟み等の彩りが加えられます。
また組子や下級生で何かわからないことがあれば専科の方に聞けば教えてくださる、というような頼れる先輩という立ち位置であるそうです。
専科の成り立ちや歴史を紐解くと時代と共にその役割やシステムも変化しているようですが、詳しい説明はここでは割愛させていただきます。
スターシステム
組内にはいわゆるスターシステムが導入されており、組内での序列はとても厳格です。トップスターを筆頭に組子(組所属の研究生=宝塚音楽学校を卒業し歌劇団に入団すると研究生と呼ばれます)、組子をまとめる組長さん、そして番手スターさんたち。
2番手(2番目←正2番手とは別)、3番手などの序列がありまして、それに組や組子の個別の事情、歌劇団の事情などが複雑に絡み合ってきて、非常にセンシティブな話題なので、わたしには正確に説明できる自信がなく……ここに書くことは差し控えさせていただきます。
一言で言うならば、各組、トップスターコンビを中心に、組子達で劇やショーを作り上げていくのですが、配役などを決める際にこの序列が関係してきますし、衣装も少しずつ違っていたり、など歴然とした差があるのです。
転機〜キャリアの転換期
組子となったその日からいずれは卒業(退団)する日まで、皆さん大変な努力と練習、研鑽の日々を送ります。
同じ組に長く所属する人もいれば、異動で別の組に配属になることもあります。異動したかと思えばまた元の組に再異動することも!皆が努力をするのが当然という環境下では、必ずしも努力が認められないこともあれば、抜擢を受けることもあれば……と、この辺りは企業や組織の人事異動にも似て、本人の意思や努力にかかわらず…どうにもままならないことも厳しい現実も多々あるのではないかと思います。
それぞれに自分の目標を持ち、それが達成されたり、また新たな目標や活躍の場を見つけたりなどされて、いずれは退団していかれます。
稽古、自主レッスンと自己研鑽しながらも、日々の忙しさのなか将来のキャリアチェンジをいやでも考えていかなければならないという、なかなかタフな状況です。
組子たちの進退(異動や退団など)に関する事情については、わたしも一ファンとして知る情報は限られていますし、ここで述べることも複雑で難しいことなので事実のみ述べることとしますが、わたしの贔屓の方、瀬央ゆりあさんはこの夏ひとつの「転機」を迎えました。
入団後15年在籍していた星組を離れ、専科に異動されたのです。
先述の通り、専科とはプロフェッショナルな集団です。一芸に秀でた方々が多くいらっしゃり、長い方になると50年以上(!)歌劇団に所属している大先輩格の方、歌劇団の理事職を務める方もいらっしゃいます。特定の組に所属しない分、組をまたいで出演(客演、特別出演)も可能になります。そんなベテラン勢のなかに名前を連ねることとなった瀬央さん。
組ごとにカラー(雰囲気、特徴)が違うので、瀬央さんが専科として他の組への出演をすることで、共演者たちとの新たなシナジーやケミストリー…星組時代とはまた違った魅力を見せていただけるのではないかと、わたし個人としてはこの異動を非常にポジティブに受け止めていました。
宝塚の舞台で活躍する姿をまだしばらく見せてもらえるのだなあ…という安堵と嬉しさの入り混じった気持ちでした。
しかしながら、やはりファンの方の中には異動を寂しい、受け入れ難いと捉える方もいらっしゃるようです。そのようなお気持ちがあることも理解できます……。ファンの数だけいろいろな思いがあって当然ですから。
ファンにとっても、長く慣れ親しんだ星組を離れてしまうことへの寂しさ、組に所属しないことでもしかしたら以前ほど頻繁に舞台での姿を見られなくなってしまうのではないか…という漠とした不安(実際は今年12月の公演出演予定があります!)などなど、ファンそれぞれに様々な思いや期待、願望を持って応援してきたからこその、気持ちの揺らぎや心配もあるのでしょう。
ポジティブに受けとめていると言っているわたしだって、もちろん全く寂しくなかったわけではないです。でも、わたしは知っています。
「終わりは始まり」だということを。
進化〜終わりは始まり
そうです!キャリアコンサルタントの方およびキャリアコンサルタント試験を準備したことのある方々ならばとても馴染みのある、アメリカの心理学者ブリッジズの「トランジション」理論です。
トランジション(Transition)とは「過渡期」「転機」のことですが、このトランジション理論とは、トランジションは、「終焉」→「中立期(混乱や苦悩の時期)」→「開始」の3つの局面を辿るとしています。
以前の記事で、このブリッジズのトランジション理論について書いていました。
終わりは始まり。
理論としては「終わりの後に苦悩や混乱を経て始まりへ」の流れですが、終わりを決めた時に十分考えたのであれば、始まりまでの中立期(ニュートラルゾーン)も苦悩や混乱ばかりではないのかな…と個人的には思います。
(まぁ、いろいろなケースがあるということで……決してブリッジズ先生に楯突くわけではありません!)
始まりに向けての準備期間(中立期🟰ニュートラルゾーン)には、ゆっくりと休養したり、これまでを振り返ってみたり、やりたかったことをする時間にしたり、何もせずただぼーっとするもよし、雌伏かつ至福の時を過ごしていらしたらいいな……と思います。
希望〜新たな扉を開く可能性
先月の「1789〜バスティーユの恋人たち」の大千穐楽の舞台後の挨拶で、瀬央さんはこんなことを話されていました。(一言一句同じではないと思いますがその点はどうかご容赦ください)
「新たな扉を開く可能性があるなら挑戦したい」……なんと頼もしく、力強い言葉でしょうか!
緞帳前に立つ瀬央さんの、よく通る凛とした声を聞きながら、ブリッジズ先生をまざまざと思い出していました。(観劇中もキャリコン脳発動←)
専科への異動、という結論を導き出す前に、きっとたくさん考え、迷い、悩まれたことは想像に難くありません。もちろん心のうちはご本人以外知る由はないのですから憶測や噂ではなく、ご本人の発した言葉だけをそのまま受けとめ、彼女の決断と選択を喜んで受け入れ、支持する所存です!
「挑戦したい」というその気持ちを最大限に尊重したい、新しい扉を開く瀬央さんの姿をこれからもずっと見守りたい、応援していきたい、心からそう思えました。だって、ご本人がこれほどに前向きなんですもの!
退団ではなく異動なのだからまだ宝塚にいらっしゃる……まだ瀬央さんの舞台でのご活躍を観る機会がある、そんな希望が持てるから、今回の異動がさほど寂しく感じないのかもしれません。
加えて、日頃の言動などからも窺い知れる、瀬央さんの前向きさ明るさに救われた思いのファンの方も少なくないはずです。
わたしなどむしろ、異動後どんな挑戦をされるのか、わたしたちにどんな新しい姿を見せてくれるのか、期待や喜びで今からワクワクドキドキしています。
勇気〜叩けよさらば開かれん
終わりは始まり。だから終わりは決して寂しく悲しいだけのものではないのです。終わりを悲観することはありません。何かを始めるためには何かを終わらせなければならないのですから!
終わりを自分で決断する勇気、未来に一歩踏み出す勇気。そう、瀬央さんはとても勇気ある方で好奇心旺盛な方なのではないでしょうか。
新たな一歩を踏み出した、勇気ある瀬央さんを、わたしはとても尊敬しています。
そんな瀬央さんを見て、わたしもずっと迷っていた一歩を踏み出す勇気をもらいました。
ありがとう、瀬央さん!
では、この記事の締めくくりに、わたしの大好きな言葉を。
わたしはこの「叩けよさらば開かれん」の部分が特に好きなのですが、今回の瀬央さんの「新たな扉を開く可能性があるなら挑戦したい」という言葉と共鳴して、改めて心に響きました。
そう、叩かなければ開かないのが扉。扉の前で黙って待っていても何も起こらない。何も変わらない。でも、ノックする勇気があれば扉は開かれる…はず。
ノックする行動力と勇気を持つ瀬央さん……きっと、瀬央さんのノックでいくつもの新たな扉が開かれ、可能性に満ちた世界に繋がらんことを心よりお祈りして、これからも瀬央さんを応援していきます!
(ちなみに専科のシンボルマークがダイヤモンド柄なのも、個人的には嬉しいポイントです^^ふふふお揃い💎)
瀬央ゆりあさんがこれから歩む道に、たくさんの光あれ✨
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました^^