見出し画像

本が読みたくて、読めない話

あなたは最近、どんな本を読んだだろうか。
文芸書、ビジネス書、自己啓発本……いろいろあると思うが、もし読みたい本が読めているなら幸いなことである。

私はここ数年、本があまり読めないでいる。
といっても年間にすると10~20冊は読んでいるので0ではないだけマシなのだろうが……。
それでも、過去の自分に比べると読んでいる量が少なくなったと思うと寂しくなる。

社会人になったころから少しずつ読む量が減っていった。読みたくないわけではない。
読みたい本は山ほどあって、作家買い癖もあるので積読はたまる一方である。
たまに勢いをつけて消化するけど、基本的にたまりっぱなし。
読む気力、体力がないのである。

本を読むのに体力とかいるか?とお思いだろうが、私の好きなジャンルは創作系である。ライト文芸とか、新文芸とか言われている分野の小説が好きなので、読む際には想像力を働かせる。
そもそも創作だろうとなんだろうと、文章に書かれたことをただ文字通りなぞるのではなく、意図を考えたり、情景を想像したり、頭を使うのだ。
今の私はここに割く気力、体力が衰えている。

原因は大きく分けて二つあると思う。

一つはストレスによる脳疲労的なもの。
社会人になってからというもの学生時代とは違うストレスにさらされ続け、私の脳はかなり疲弊している。
まぁ、病んで仕事を辞めたくらいだし。
実際、仕事を辞めて半年休養していたころは1か月に30冊くらい本を読んでいた。ほぼ一日一冊である。
職場環境、周囲との人間関係の変化、そして業務によるストレスが私の脳を疲労させて本を読む体力を奪っているのは間違いない。(とても他責思考)
とはいえ、生きていくにも本を買うにもお金は必要なのでこの辺りは私自身が折り合いをつける必要がある。
どうすればいいかわからないががんばれ私。

そしてもう一つ、動画コンテンツの充実というものが考えられる。
YouTubeショート、TikTokなどの短時間で思考を刺激できて(脳の負担が)低コストのコンテンツが増えたことやNetflix、アマプラなどの配信サービスでもう一つの趣味の映画鑑賞へのハードルが下がったことなど……。
時間的にも脳のコスト的にも本を読むより手軽に楽しめるものが充実してきたことにあるのでは…と思うのだ。
(動画コンテンツ自体を否定するつもりはないし、どんどん進化してくれと思っている)
自分で文字を追って、想像して出力しなくてもきれいに動く面白いコンテンツがあるのだから…まぁ。人間は楽な方に流れる。
どうすればいいかわからないが踏みとどまれ私。

さて、原因二つが自分の怠惰にあるとはいえ、このまま本が読めない日々が続くのは苦痛である。
司書の母と全集好きの父の間に生まれ、本に囲まれて育った私は気が付くと本屋に足が向いている。(もはや習性)
そこであらすじが好み、表紙やタイトルが好み、平積みの話題書…なんて見ると思わず買ってしまってそろそろ積読が50冊くらいになりそうなのだ。
積読することに抵抗はないがさすがにそろそろ消費していきたい。
なにより、全部読みたくて買った本である。
早く読みたいのに、本屋さんで文庫1万円分かって無料になるけど宅配にするか聞かれて迷わず持ち帰る、と宣言するほど読みたいのに……!!
(本好きの家族にもあきれられたエピソード)

脳の疲労とか、動画とかそんなことはいいから早急にこの積読たちに手を着けたい。
読み終わった後の満足感を味わいたいのだ……。

年末年始の連休はデジタルデトックスもかねて読書に費やすのもいいのかもしれない。
本だけならばしこたまあるので。


いいなと思ったら応援しよう!