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レインボーブリッジを見たあの日を背にして。


いつだったか、
遥々行った東京で
後輩のなにやら仕事関連で行く必要のある場所の最寄り駅までついて行ったことがあった。


でも、付いて行った所でわたしには何の関係もない場所で 予定もなくてその辺を歩いてみたりした。付いて行ったのはたぶん気分。

そしたら海の見える場所に出て、
はじめてレインボーブリッジを目にした。
でも、すんごく遠くて小さく見えた。見た場所が悪かったのだけはわかる。


その場所にはベンチがあった。
そんなに人もいなかった。ランニングしてる人とか犬の散歩してる人くらい。田舎出身のわたしは大阪とか東京の都会さに憧れるくせに、やっぱり人の少ない場所が好きだった。


まだまだ時間があったから
隣の駅まで気分で歩いてみると近くにおおきな本屋さんがあった。
知らない図書館とか本屋さんって何でこんなのわくわくするのかな、とか何とかおもいながら
一冊の気になる本を見つけた。

『ここは私たちのいない場所』

本の見た目とタイトルにグッときた。


それを大事に抱えてもとのベンチへ急いだ。
はやく読みたかった。途中、地下で目にしたプリザーブドフラワーが可愛くて買ったのを覚えてる。いまでも棚に飾ってあるオレンジの花。


ベンチにつくと、
すぐに読み始めて引き込まれていった。すると作中に出てくる"支留比亜珈琲"が気になり出して我慢できず新橋に移動した。

この時のじぶんの行動力には
いまでも凄いな、って振り返るときがあるくらい興味とかそういうものが色々あった。


支留比亜珈琲では、作中に出てきたものとは違う食べ物を頼んだ。何だったかは覚えてない。つぎに来た時、たまごサンドだったか作中の食べ物を注文してみよう。。なんて思ってた。そのつぎは来なかった。いまから行けば『つぎ』になるかもしれないのだけど。


ただひとりで、
本を片手に あんまり天気の良くない空と
東京に着く新幹線をお店の窓から見ながら
『わたし東京にいるんだなぁ、、』
っておもったりしたの凄く鮮明に覚えてる。

いつか東京に出るつもりで、
たぶんその時もその準備してた時期だったけど

わたしはついに東京には出なかった。いまは大阪で、感謝したり後悔したり。たのしかったり悲しかったり色んな経験をさせてもらってたりする。


あの時期、不毛な恋でもしていたのか
先が見えないとかで もがいたりしたりして
あのレインボーブリッジとか本が何か見えない不安を取ってくれた気がしていた。

本の内容はちょっと数年も前のはなしであんまり覚えていないのだけど。わたしはどちらかと言うと、この本に出てくる登場人物みたいな人間だろうなぁとかそんな事をおもった記憶。


人には色があると思う。
その時のわたしは淡いグレー。本のなかの背景の色もまた陽の光が時たま射し込むような淡いグレーだとおもった。

似ているなって思いながら
曇り空をひとり仰いで帰った。

でも、たぶんその色はわたしの心の現われで
今読んだらちがう色かも…なんてちょっと思う
そんな事を考えてたらまた読み返したくなってきた。単純だな、


こんな事があったのひさしく忘れてた。
たまたま記憶が思い出されたから残しておこうかなっていう私の気まぐれ。


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