ヤンママに憧れて
ヤンキー、それは陽キャの象徴!幼少期から陰キャとして生きてきたわたしにとっては眩しくも憎らしい存在でした。ヤンキーなら、金髪でも許されるし、キティちゃんの便所サンダルも可愛いし、なによりなんだかカッコいい!でも、陰キャのわたしはヤンキーとは縁のない人生でした。金髪にしてもただ、派手髪の陰キャが爆誕しただけ。タトゥーは痛そうで入れられませんでした。根っからの気弱な陰キャなんです。
学生から大人になるとヤンキーだった子たちは早々にママになりました。成人式に赤ちゃんを抱っこしていたりして、みんなの度肝を抜いたものです。でも、髪は金髪のまま、ファッションもあの頃と相違ありません。そう、ヤンママになっていたのです!
ヤンママは基本的に若いです。三十代半ばにしてようやく子どもを授かったわたしとしてはどんなに暴れようがヤンママにはなれそうにありません。あの頃、わたしがヤンママと認識していた女の子たちは既に孫までいる勢いなのですから……
また、ヤンママは世代交代するようで、常に一定数存在します。ショッピングモールのフードコートやドンキに行けば会えるでしょう。普通のママたちとは何かが違うのです。例えば、子どもにヒョウ柄のロンパースを着せてみたり、マザーバッグが何故か本物か偽物かよく分からないシャネルだったりとお目立ち要素は満載です。わたしはそれを見るたびにいいなぁ、と胸を熱くしているのです。
ただ、ヤンママには問題点がひとつあって、インスタ映えしない、ということです。得てしてヤンママはセンスとは無縁の生き物です(偏見)なので、お洒落でハイセンスなインスタ映えママにはなれないのです。まぁ、ヤンママでないわたしもまったくインスタ映えしない凡庸なママなのですが。
わたしの所属するママ会にもどうやら一人ヤンママらしきママがいて(ラインのアイコンで判断)どうにかお近づきになりたいものなのですが、コロナとRSウィルスが怖くてママ会に行けません。こんな小心者では、きっとヤンママと会話が続かないことでしょう。そう、根っからの陰キャは一生その属性を引きずってしまうのです。
そういえば先日、育児の合い間をぬって髪を染めました。「めいっぱい明るくしてください」と注文したものの、髪質のせいで中途半端な茶髪になりました。また、ボブヘアーにしたせいで、完全にIKKOさんです。ヤンママへの道のりは遠いですね。
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