Banksy/genious or vandal?
さて、4連休に入った。
みなさんどんな休日を過ごすんだろうか。僕は相変わらず本を読んで美術館に行こうと思いながら、毎日ちゃんと生きているところでござる。
まあそんなこんなで、今日は一週間前に行ったバンクシー展について、少し振り返っていきたいなと思っている。
このバンクシーというのは、非常にメッセージ性が強くてわかりやすいアーティスト。個展の随所に彼が伝えたいメッセージが記されている。その中でも、もっとも刺さった言葉があった。
「世界最大の犯罪は、規則を破る者によってではなく、規則に従う者によって犯される。命令に従って爆弾を投下し、村で虐殺を行うのは人間なのである」
これはつい最近までの日本社会に当てはまるようなそんな気がしている。簡単な例を出すと「自粛警察」だ。
自粛は国の要請であることが前提。なのにもかかわらず過度な自粛に対する防衛心からなのだろうか、自粛ができていない他の人を迫害するかの如く攻撃を繰り返す。他県ナンバー狩りなんか最たる例だ。
これにはかなり考えさせられた。おそらく日本だけではない、他の国でもそれに値する物が起こっているのではないかなと思いながら個展を見ていた。
さて、実際の絵も何点か紹介しながら、そこで感じ取った問題意識、自分なりの解釈をしてみようと思う。
「girl with balloon」
ハートの風船に少女が描かれた、バンクシーの最も有名な作品。
ハートの風船は希望だと表しているものだと思う。僕にはその希望を、少女が掴みにいっているようにも、手放しているようにも見える。絶望と希望が入り混じった感情の中での、少女の佇まいの儚さ、切なさの美っていうものがあるなって感じる。
一番長い時間立ち止まった作品、考えれば考えるほど頭が錯綜して、明確な解釈が出てこないのが今の現状だ。
※なんとこの作品、オークションでかけられたことがあるのだが、その時シュレッダーにかけられたことがあるのだとか。
反資本主義を謳っているバンクシーだからこそ、できたことなのかもしれない。
「sale ends」
バンクシーは反資本主義者。
大量生産・大量消費が行われた社会を批判するかの如く、この絵画は訴えかけてくる。セールが終わることで、そこに向かって押し寄せる人に対する皮肉のようなものだと思った。
「smiley copper」
優しい表情を浮かべながらも、両手には危険物である銃を持っているというこの矛盾感。
警察は正義の味方、という風にマンガや映画で表現されるけれども、実際の現実だと大多数の人は逆のイメージなのではないだろうか。(車の免許持っている人ならわかりやすいかも)
権力や権威を振りかざして警察はそれらを行使する、正義という名の元に。※なんだか、ワンピースの赤犬(サカズキ)を思い出すなぁ。
現実の警察官は、本当に正義や忠誠心を持って、任務に全うしているのだろうか。少なくとも、いろんな警察内で暴力事件が起こり、いじめが高頻度で発生しているという事を聞く限り、あまり信頼はできないものと言える。
総じてわかりやすい展覧会だった。情報量も多くて、見応えは抜群。
また一つ、自分の未知な物が既知に変わり、世界が広がったと感じている。
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