はまうず

文字彫刻/日記

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「そうだ、再出発の時だ。」

凍てついてしまった時を再び動かすのは、まぎれもなくむずかしいことだ。そう思うのは私だけだろうか。 私がこの場所を離れてずいぶんと時間が経った。6カ月もの間だ。最後に残したのは去年の暮れに書いたもの。いかんせん出がらしだったもので、ほとんど中身のない、ただの戯言をまき散らしてしまった。 しかし後悔はしていない。人間はいつも陽気ではいられないからだ。人が明るい感情しか持ち合わせていないとしたら、ずいぶんと退屈な道をたどることだろう。悲しみや辛さの中に楽しさがあるからこそ、人生

        • 「信頼」は大きな痛みを伴うことを覚悟する感覚。

          先日、仕事の出張で岩手の花巻に出向いた。少し前、ーそこに行くことに決まった時のことだー、周辺の地理を調べてみると、どうやら宮沢賢治の記念館があるようだった。当日、出張の帰りに、私は少し寄って帰りたいと思ったので、仕事を終えた後にふらっと赴いた。それに触発されたので、帰り道、賢治の代表作である『銀河鉄道の夜』を買って帰ることにした。家に着いた後、積読が溜まっている関係で、買った本はまず本棚にしまうのが最近の私のセオリー。私が購入した本棚は引き戸式のもので、ずっしりと重みを伴って

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        「そうだ、再出発の時だ。」

          「いいんじゃない?」って肯定ばかりするのは、一周回って残酷よ。

          最近、人に相談することが増えた。いや、そうしている。未来のこと、今の仕事のこと、人間関係のこと、その他もろもろ。自分ひとりで悶々としているよりも、だれかと対話を重ねることで、自分が自分でいられるような気がして。 前の自分と比べると、ずいぶんとその回数は増えた気がする。自分が勝手に作った壁を、中から打ち壊せているからかもしれない。そうしないと、だれかと本当の意味でつながれないからと気づいたからかもしれない。 嬉しいことに、多くの人は自分に「~と思う」と意見をくれる。理由も添

          「いいんじゃない?」って肯定ばかりするのは、一周回って残酷よ。

          「私が私であるために。」

          外の光を感じて目が覚める。眠たい。目をこすりながら、ベッドにくっついていたい気持ちを乗り越え、がばっと起きる。一杯の水をごくりと体に流し込み、ささっと着替えて、外の世界へばっと飛び出していく。いつものことだ。 最近、朝歩いているときは、あたりを無心で眺めている。昨日までの重りが空っぽになった瞬間だからこそ、感覚を研ぎ澄ませて歩きたい。でも、相変わらず暑い。 そもそもなんでこの道を歩いているんだろう。いつもの道で安心するからかな。駅までの最短の道のりだからかな。人が少し行き

          「私が私であるために。」

          「つい最近の出来事。」

          つい一昨日、パートナーだった人とお別れをした。未練は全くない。詳細は省くが、どうしようもなく精神的に疲れて、関係を続けることを諦めてしまった。 悲しみの感情は全くないが、疲れのダメージが大きすぎるのか、頭がさっぱり働かない。脳が冷蔵庫で固まってしまって、言葉が冷え切って出てこない。解凍するのにもう少し時間がかかるのかもしれない。 この数ヶ月でわかったことがいくつかある。いかに相手に歩み寄ることができるかということ・自己を保つということのバランス感覚が大事だということ。

          「つい最近の出来事。」

          「物を見て過去と再びつながる。」

          週末に引っ越しをするため、せっせと荷造りを進めている。部屋の中はダンボールにあふれ、足の置き場もないくらいに埋まっている。 「物は置かない質」と自分で思い込んでいたが、思った以上に物が溜まっていた。半分以上は本だ。搬入まであまり時間もないし、全て終わった後に一気に売ってしまおう。 荷造りをしているこの感じが懐かしい。引っ越しをするのは二回目である。一回目は京都から横浜の大学に移ってくるとき。新しい場所に行く時はいつだって、胸の高鳴りがやまないものだ。 それと同時に、出て

          「物を見て過去と再びつながる。」

          「何気ないことに目を向けるということ」

          雨音が耳の奥底をくすぐる夜、コーヒーをすすりながら原稿と向き合っている。今日も文字とお友達な日である。最近に始まったことではないが、ここ数ヶ月は、その頻度が増えたような気がしている。でも、それで良い。 ちょっと昔であれば、といっても数年前だが、眠たいまなこをこじ開けるためにタバコをふかし、夜道をふらふらと歩いていた。しかしどうにも健康に悪いことに気づいてやめた。それからというもの、おとなしくコーヒーだけを飲むようになった。 一人の夜が、人を強くする。一切を投げ打って目の前

          「何気ないことに目を向けるということ」

          「人生は流れ星のようなもの、きっと」

          いつかの深夜11時、ほとんどの人が明日に備えようとしている中、僕はゆっくりと玄関をあけて外に歩き出した。外に出ると、電灯と月の明かりがうっすらと夜道を照らしていた。 ポケットに入れたイヤホンを取り出し、耳に当てた。日によって、音楽を聞いたり聞かなかったりするのだが、この日はどうにも無性に聞きたくなった。 沈んだ心を持ち上げたかったので、たまに聞いているアヴィーチーを聞くことにした。徐々に音量を上げていったので、だんだんと気持ちが乗ってきた。曲に合わせてスキップをしてみたり

          「人生は流れ星のようなもの、きっと」

          「少しずつ体調が戻ってきている」

          少しずつ身体の調子が戻ってきつつある。しかし、完全とはまだまだ言えないし、体調の波がいまだにある。その波は急激で、まるでジェットコースターのようである。 ここ1ヶ月、まったくといって良いほど本が読めなくなった。正確にいうと、読んでも頭に入ってこない。頭がもやっとした状態が続いて、数行読むと、集中力が途切れてしまう。 物を書く人間が、本を読まなくなってしまうのは、死活問題である。思考力もだいぶ落ちて、気分も憂鬱気味。なんだか良いことがない。 しかしそれでも前を向いて歩いて

          「少しずつ体調が戻ってきている」

          「万事休す。」

          noteから離れて数ヶ月が経とうとしている。最後に投稿したものがラーメン忘備録だなんて、笑えるようで笑えない。 いったい何をしていたのだと思われる方もいるかもしれないが、そこは目を瞑っていただきたい。しかしここ最近の大きなトピックとして、コロナウイルスに感染したことを書き記しておこう。 それはある日曜日のことであった。テーブルを囲み、他愛のない話を知人としていた。長きに渡り、4時間くらい話していたのだろうか、記憶が定かではない。 そしてお開きになり、それぞれの帰路につい

          「万事休す。」

          「最近食べたラーメン忘備録。」

          梅雨が戻ってきたり、再度梅雨明けしたり、なんだか今年は天気が気分屋なようである。今日も雨ふってじめじめしてるし、何とかならんのかね、これ。 そうだ、たまには最近食べたラーメンでも紹介しよう。いつもまじめ腐った内容ばかり投稿していることだし、ちょうど良いかもしれない。最近って言っても、ちょっと昔のやつもあるけど。 麺処ほん田。秋葉原にあるいわずと知れた名店。キリッと立った醤油が特徴で、脳天を突き抜けていくほどのうまさ。味は語るまでもなし。 無鉄砲。沼袋にある支店。本店は奈

          「最近食べたラーメン忘備録。」

          「未来を明確に定めれば、それは呪縛にもなりうる。」

          未来という不確実で曖昧なものに対して、人生計画をねり、それに従って淡々とこなすことは、往々にしてある種の呪縛を生み出すきっかけになるものである。 さまざまな場面で人は問う。 「5年後、どうなっていると思いますか?」 「今後の人生プランを教えてください」と。 それに対し、人は待ってましたと言わんばかりに弁を振るう。 「部下を持ち、チームをまとめ、一つの事業に挑戦していると思う」 「30までに結婚をして、マイホームと車を買いたい」 「貯金を100万は最低貯めて、将来にそな

          「未来を明確に定めれば、それは呪縛にもなりうる。」

          「怠惰が怠惰をうむ。堕落の連鎖をとめねばならぬ。」

          週に一度くらいのペースでnoteを執筆しているが、ちょっと頻度をあげねばならぬとも思ったりしている今日この頃である。毎日やるほど暇があるかわからないが、以前のペースに戻そうと思う。 継続をかんたんに放棄するものではないなということが、ここ数週間の教訓である。 理由はいくつかある。中でも大きな理由は、継続しているものを途中でやめてしまうと、しだいに堕落の一途をたどるからである。 例えば体を鍛えるため、ランニングを毎日しており、とあるきっかけで1日さぼったとする。 たいて

          「怠惰が怠惰をうむ。堕落の連鎖をとめねばならぬ。」

          「ジレンマ」

          今に限った話ではないが、週に1回は温泉に行くと決めている。夏であろうと、あまり関係なくいくタイプである。 そんなこの前も、普段通り温泉にいこうと思い、爆音で音楽を聞きながら施設の中に入った。券売機で入浴券を買い、受付に持っていき、さぁ今から入ろうと思った矢先、突然音楽がやんだ。 「あれ、またイヤホン壊れたかな?」と思って、携帯をとり出した。いや、故障ではなかった。地元の異性の友達から着信であった。突然の連絡に、一瞬おどろいた。 「はい?」おそるおそる着信に出る。 「や

          「ジレンマ」