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まだ朝日が眠っている薄暗い時間に目を覚ましては、隣に目をやると気持ち良さそうに眠る彼がいて、珍しく彼よりもはやく目覚めたことにチャンスだなんておもうと、子どものように心が踊る気持ちを抑えながらスマホを握りしめたとおもえば……突然にも引っ張られる感覚を感じては視界がぐるっと回り、見上げた天井との間にはいつの間にか彼がいて「……寝顔、撮ろうとしたろ?」「えへへっ」と笑うわたしに距離を詰めてきては、離れないとでも言うように額同士をくっつけて「……こわい夢でも見たの?」なんて聞くあた
夏の残り香を感じるかのように深夜の公園で線香花火に火をつけると、なんだかふと切なくなっては「最後まで落とさなかったら願い叶いそうよなあ」なんて隣にいる彼がそんなことを呟き、おもってもみなかった言葉にすぐ返事をすることができなくてすこし驚いていると「絶対、なんてないけど……来年も一緒にいれたらいいな」なんて言葉にすこし泣きそうになっては「そうだね」って答えるのが精一杯で「来年は浴衣デートできますように」と呟く声が聞こえて頬が緩むのを感じていると「来年も再来年も来世もずっと先も、
今日は十分に君のこと想えなかったかもしれないと後悔しては、君の顔も声も匂いも温もりも優しさもすべてが恋しくなってしまって、悲しくないのに悲しくなって、そんなことわかり切ってるかのようにタイミングよく電話をかけてくる君には、なにか伝わってるような気がしては珍しく緊張してしまって、そんなわたしに君は「はよ会いたいなあ」なんて言うものだからまた別の意味ですこしドキッとしたけれど、なにも言えずにいると電話の向こうでにやにやしてる彼の笑い声に、愛おしさを感じて違う意味で涙が溢れそうにな
この世界でひとりぼっちになったような気持ちになりながら夜道を散歩していると、すこしさみしさに涙が溢れそうになって、でもそんな考えを否定してくれるかのように見上げた先にはお月さまが行く先を照らしてくれているように輝いていて、そんな様子に心をすこし引き戻されていると突然メッセージを知らせる音が鳴り響き「かえりだよ」と普段と変わらない絵文字付きで返事をしては、すこし歩みを進めた暗い夜道の先にはなぜか苦笑いの彼がいて「心配したよ」なんて呟く彼の髪もシャツも乱れていて、当たり前のように
圧迫感を感じてふと深夜に目を覚ましたとき、君のぬくもりと……毒薬のような君の甘い香りに鼻腔をくすぐられて一瞬わたしの心臓が止まったような感覚に襲われていると、すこし寝ぼけてる君にまたさらに圧迫されるように体を思いきり抱きしめられては、可愛くなにか「うにゃうにゃ……」と寝言を呟く君の言葉は当たり前にちゃんとは聞き取れなくて、そんな様子に「かわいいなあ」なんておもいながらも君に抱きしめられたままのわたしは息苦しさと戦っており、苦しくて苦しくて仕方ないのにこれが君の愛情の深さだとお