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生理中の奥さんを救うためにナプキンを手作りした夫の話

夏休みでnoteの更新をしばらくお休みしていました。すみません。。。

休み中にNetflixを見ていたら面白い映画に出会ってしまいました!その名も「PAD MAN(パッドマン)」。名前の通り、PAD(=生理用品)を作ったMAN(=男性)のお話です。フェミテックや生理用品に関心がある方はぜひ。ストーリーとしても非常に面白いので、梨泰院クラス好きには刺さるかもしれません。貧しい男性がどん底から這い上がっていくサクセスストーリーです。

パッドマン 5億人の女性を救った男」のあらすじ

以下はネタバレになるので、映画を見る予定の方は見終わってからご覧ください。

インドで衛生的かつ安値の生理用ナプキン開発に勤しんだ男性、アルナチャラム・ムルガナンサムの半生を綴ったノンフィクション映画。女性の生理に対し、ある意味日本以上にタブー視されていたインドにおいて公開され、大ヒットした映画です。

すごーくざっくりあらすじをまとめると、

当時インドの女性は海外製の高価なナプキンが変えず、汚れた布を代わりに使っていました。それが衛生上よくなく不妊や死に至る可能性もあると知った主人公が妻のためにナプキンの開発を決意。変人扱いされながらもMade in Indiaナプキンを完成させ、インド中の女性を救う。

というストーリーです。

映画を見てまずびっくりだったのが、インドでは生理が超タブー視されていて家族の前でも(!)「生理がきた」ことを言葉にすることは許されません。宗教的な理由もあって、生理は穢らわしいもの、不浄なものとされてるんです。そしてさらに衝撃的なことに生理中は部屋の中に入ることができず、部屋の外の廊下で寝て過ごさなければいけません。

生理が続くメインの5日間、ベッドで寝れないし、外だときっと蚊にもバンバン刺されるし、、、一体どういうこと!!!想像しただけで泣けます。というかもはや怒りが湧いてきます(誰に対して。。。)

「女性は男性より2ヶ月も1年が短い」

ストーリーの中で最も印象的だった言葉。

・湯船につかれない、温泉に入れない
・激しい運動ができない
・プールや海にも入れない
・数時間に一回は生理用品を持ってトイレにいく必要がある
・漏れる可能性があるので白いボトムスは履けない

生理中ってなんだかんだ行動が制約されますよね。女性の生理を平均5日間とすると、1年間で60日。約2ヶ月は生理によって行動が制約される期間ということになります。

なるほど。2ヶ月もか。。。生理現象なのでどうしようもないけど、男性にはない女性特有の悩みでこれだけの期間悩まないといけないのはなんとも辛い。テクノロジーの進化で悩みを軽減するようなアイテムが今後もたくさん出てきて欲しいものです。

カレーよりも高い。使い捨てナプキン

映画中で主人公の妻は、市販のナプキンの値段(55ルピー)の高さに驚き泣きながら夫に返品するように求めるシーンがありました。

この55ルピーって一体どれくらい高いんでしょう??

こちらによると、映画の設定年の2001年においてはコーヒーなどのドリンク類が1杯23ルピー(約39円)、カレー1皿だと38ルピー(約62円)程度とされています。

1ルピー=1.7円

55ルピーでゲットしたナプキンは確か3〜4枚だったので(記憶違いだったらすみません)、1枚あたり14〜18ルピーしたことになります。1枚23円!ナプキンってどんなに頑張っても1日に4〜5枚は使うので、単純計算115円/日かかるということに。カレー2皿食べて124円なので、それとほぼ一緒。日本でいうと2,500円くらいの感覚ですかね?ごはん2食分のコストがかかるとなると確かにそう簡単には手が出ないです。

んーーー。。厳しいーーー。

これをMade in Indiaナプキンで2ルピーに押さえた主人公の発明は偉大過ぎますね。

そんな偉大な発明家の主人公。モデルとなったリアル パッドマンのインタビュー記事を発見しました。

読んだら当時のレートとか、物価の数字が先ほどの引用記事と違った(涙)そこはご愛嬌ということでお許しください。

すべては妻への想いから。1人への愛が5億人の女性を救う

「インドの公的な数字では、ナプキンの使用率が10%程度。7人のうち1人以下しかナプキンが使えない」

ナプキンの代わりに、洗濯物の下で隠して干した生乾きのぼろ布で月経の出血をしのぐ。出血が止まるまでは家にも入れず、外出もできず、家のベランダに備え付けられた専用の小屋で過ごさなければならない。

この光景はモデルの実話を元にした、超リアルな描写だったんです。

「すべては、妻への思いから始まったんです。妻が苦しんでいるのを目にして、タブーによってそうなっていると思いました。インドにはタブーがたくさんある。それを変えたい。それがそもそもの動機だった」

5億人の女性を救った生理用品の開発秘話。全ては自分の奥さんである1人の女性を救うところから始まったんですね。素敵すぎる。

パッドマンが国民の意識を変え、政府をも動かした!?

最後におまけ的な話。生理用品が55ルピーもして高過ぎて買えないという話に触れましたが、実は生理用品をめぐる税率に関しても、インドでは一悶着ありました。

こちらの記事によると、インドで2017年から導入された新しい税制GSTでは当初、女性生理用品の税率は嗜好品として、一番高い税率「12%」と設定されていました。

「いや、ナプキンが嗜好品だとしたら生理中何を使えばいいんだ。」

「布だと病気に感染するじゃないか!」

実際に多くの人が、「生理用品が嗜好品として12%課税されるのはおかしい!」、「生理用品は必需品だから税率を下げるべき」と反対。生理用品を「生活必需品」として無課税にするよう抗議活動が起こりました。結果、40万件以上の署名が集まったそうです。そしてこのムーブメントの甲斐あって、2018年7月インド政府は女性生理用品を無課税とするように認めました。

映画の舞台であった2001年当時は「生理」という言葉を発するのすら憚られていた状況から、16年後には40万件もの署名を集めるほど声を上げられるようになったのは考え深いですね。

タブーであった女性の生理問題について、タブーじゃなくす、話やすい環境を作るきっかけを与えたのがアルナチャラム・ムルガナンサム氏であり、パッドマンという映画かもしれません。

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