蒼月イル

カフェイン依存症。

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20代前半で鬱病になった話 最終回

鬱病になって良かった 計画通りにいかないのが人生だと聞いたことがある。誰かがテレビで言っていた言葉かもしれないし、本の中の一節だったかもしれないし、自分の親の台詞だったかもしれない。兎に角、計画通りにいかない…全くその通りだなと深く共感できる。  20代前半で鬱病になった。微塵も計画にはなかった。三年以上通院し、やっと27歳の終盤で鬱病を克服した。当然、計画通りではなかった。計画ではもっと早くに完治していた。  失う物しかないと絶望して打ちひしがれてばかりいた自分だったが

    • 20代前半で鬱病になった話#5

      自分に負けたくない精神、これ大事。(闘病生活後半) 鬱病を抱えながらのアルバイト。高校生で人生で初めてアルバイト面接に挑んだ時よりも何百倍も緊張した。とりあえず無理のない勤務時間と勤務日数で募集がかかっているアルバイト先をピックアップした。近所の雑貨屋さんと、大手アパレルチェーン。なけなしの勇気を搔き集めて電話をし、履歴書を準備。最初に雑貨屋への面接に赴いたのが、驚くことに朝から発熱。完全に心因性だった。喉も何かが詰まる様に苦しくて少しだけ痛く、身体も怠くて重いったらありゃし

      • 20代前半で鬱病になった話#4

        死にたくなっても良いじゃないか(闘病生活中盤) 鬱病の中期を反芻してみても、一番の大事件だったのは突然原因不明の痙攣に見舞われて立つことも叶わなくなったあの日の出来事だろう。映画鑑賞をしている父の傍でそれとなく流れている映画へ視線を投げていた。鬱病の時は恐ろしいまでに集中力が続かないものである。映画一本鑑賞するだけでもどうしちまったんだって程に脳が疲弊するし、どういうジャンルであれ、内容についていくのも精一杯なのだ。だから正直あの日観ていた映画の内容はほぼ憶えていないので説明

        • 20代前半で鬱病になった話#3

          全てに絶望する。それが鬱だ(闘病生活前半) ほぼほぼ鬱寄りの適応障害という診断が下り休職してからの闘病生活だが、すぐに良くなるだろうと踏んでいた私の予想を華麗に裏切ったこの病は何故か急激に悪くなることになる。というのも、恐らくではあるが私が初めて自分の心と身体のSOSを自覚し、受け止め、耳を傾けたからこそ転げ落ちるかの如く心身の調子がどん底になったのだろう。本当はとっくにこれ位のレベルまで可笑しくなっていたのに、ただ気付かないふりという謎の武器で騙し騙しに生きて来た代償なのだ

        20代前半で鬱病になった話 最終回

          20代前半で鬱病になった話#2

          いいか、鬱病なんて誰でもなる 私は大丈夫。私は鬱病になんてならない。そういや、鬱病になる直前までそんな出処不詳の謎の自信に満ち満ちていたなと思う。今ならあの時の自分を鼻で笑ってやる自信しかない。エージェントを通さずに10代で1年間の台湾留学を経ていたからなのか、あれより厳しい環境なんてそうそうないのだから鬱病なんて自分には無縁だと決めつけていたのかもしれない。  全ての始まりは、胸の痛みだった。当時、私は韓国に本社を置く会社の日本法人に勤めていた。外資といえばそれっぽく聞

          20代前半で鬱病になった話#2

          20代前半で鬱病になった話#1

          20代前半で鬱病になった話 初めまして。ふと思い立ってエッセイを書き綴ってみる。というのも、今月、長年(約4年)お付き合いしていた鬱病の薬全てと遂におさらばできたので、漸く自分が患った病を見つめ直せる気がしたのだ。  正直に申し上げると、もう二度と鬱病になんてなりたくないし、これから先の人生で鬱病とよろしくするつもりもないけれど、いつ誰がなっても可笑しくない病だとこの身を以って学んだので、鬱病再発防止を兼ねて、また、何処かで同じ様に苦しんでいる誰かの手にこのエッセイが届いて

          20代前半で鬱病になった話#1