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人生初起業と失敗
目の前に課題があった。大学3年、起業すると決意。鬼失敗して、最近までのらりくらりする話。
何をしていたか?
授業の口コミ情報がついた、大学生専用の大学間SNS。
きっかけ
1.就活が始まる
就活だ。3年の10月までずっとゲームをやっていた。それまで就活の危機があったが、逃げていた。11月。とりあえず、楽天に就職したい。そのためにどうやら「学チカ」というものが必要らしい。「俺は何をしてきた?」まあ、サークル立ち上げたり、海外研修とかは行ったが大して何かをしたわけではない。焦りが募り、「自分の凄さをこれまでにやってきたことじゃアピールできない」と思った。
2.何かやらなくちゃ
そう思って、ありったけのイベントに参加した。ロシアのバーチャルスタディや楽天のインターン、よく分からない就活イベント。それらの一つが「Edge next entreprenuership bootcamp(ENEB)」。文部科学省がやってる起業について学びましょうというセミナー。そこではMITとボブソン大学の教授の講義を受けながら自分のビジネス案を作る。これは就活のネタになるぞと思い、参加した。
3.セミナーでの活動
ENEBでビジネス案を考えた。まずは身の回りにある課題を解決するためにビジネスをするのが一般的らしい。そこで、周りの課題を探した。俺のその時の課題は「お金を払っているのにちゃんとした授業を取れていない。」。俺の大学では一部の先生がくそ。
パワポをひたすら読むやつ
授業に来ずにTAにやらせてるやつ
テストが授業で学んだことを反映できてないやつ
こんなのに3万円なんて払ってられないと思った。「俺はいい授業だけ取りたい。」結論、「大学の授業の評価サイト」のビジネス案を考えた。
4.決意
授業は相変わらずクソ。福谷という教授は試験について質問しても答えない。2000年ぐらいの文献で作ったぼろぼろの PDF資料をただ読む授業。どう考えてもこれはおかしい。「俺が変えなければいけない。」さらに、実際に他の学生の声を聞く中で、コロナ禍になって、授業が唯一の他の学生と繋がれる場だということを知る。これは俺がやるべきだと思った。
くわえて、「授業に対して不満がある」という学生が20人中、19人いた。
日本には200万人の大学生がいる。仮に世の中の学業に興味がある偏差値50以上の学生を対象にしても100万人いた。これはビジネスチャンスだと思った。
そこで、実際にこれをやろうと決意する。
ビジネスアイディア
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こんな感じのビジネスモデルだった。主な収益は広告収入とデータ販売。広告主はアドセンスやローカルビジネス、学校や就活サイトなど。また、学生の行動を抽象化したデータ販売も考えていた。
起業スタート
1.創設メンバー
ENEBで出会っと2人とチームを組んでやることにしたい。三人とも学校で微妙な教員がいる現状に反対していた。
2.開発スタート
何が一番早くプロダクトをロンチするかを考えた。そこで、Rubyで作ることになった。とりあえず、アカウントと、授業名・先生名を作る機能だけを作った。
3.ロンチ
ロンチするや否や、200個以上のアクセス数、29カ国の以上からアクセスがきた。とても嬉しかった。また、10人以上にサクラを頼み、レビューを書いてもらった。
4.ピボット1
しかし、一般利用者は全然レビューを書いてくれない。なので、書きやすいように授業名と先生名のをスクレイピングして、データベース上に移行した。また、学生団体のリストを作ることで、団体に入っている団体のレビュー順に告知できるようにした。
学校でもクラスで告知したが、200人中、100人がアクセス、10人がアカウントを作ってくれて、0名がレビューを書いてくれた。
5.ピボット2
クラブハウスがものすごく流行っていたので、「ズームハウス」を作った。簡単にいうとズームのリンクを貼れば、誰でもサイト上の人がそこへ行けるシステムである。8人ほど使ってくれた。
6.サービス終了
結果
3ヶ月ほどでサービス停止。
450人ほどのユーザー獲得
チームは解散
諦めた理由
1.未来が見えなかった
ユーザーがあまり使わない。一年に2回しか使わない機能であった。
履修期間がもうすぐだったので、マーケティングもまともにせず、焦ってよくわからないサービスをランチした。
2.仲間がいなかった
皆、学校も忙しくなり、開発できる人がいなくなったし、結果が出ていなかったので、モチベーションも下がった。
3.技術的に難しかった
6人ほどの素人プログラマーからしたら難しかった。
4.競合の参入
サービスを始めた2ヶ月後とかにリクルートが「すごい時間割」で参入してきた。前澤ファンドの「Penmark」も以前から参入。正直、そんなに競合がいるのにやる意味あるか分からなかった。
その後
サービス運営を諦めた後、フリーランスを始めた。不幸なことに地獄のような会社にこき使われ飛ぶ。その後、理由もなく、1ヶ月出会ったばかりの知り合いと大分から東京に行って、YouTubeを始める。案の定、飽きてやめ。それからはひろゆきの動画も毎日見る日々。金がなくなりバイトをしながら半年過ごす。
教訓
1.ビジョン設定し、共有する
ビジョンを設定していたが、形だけだった。しっかりと目指したい未来を共有するべきである。俺の目標は日本の大学教育を変えていいものにするだったが、他の学生の目標は「起業したい」や「授業で困っている学生を助ける」程度で、結局温度差ができた。結果、団結が生まれないし、ビジョンへの共感が薄くなる。自分自身もビジョンを深堀していなかった。スタートアップの本でチームでいることが前提で書かれていることが少ない。最低でも毎日、口ずさみたいようなビジョンを立てよう。
2.パートナー
一緒にやり抜いてくれるパートナーを見つける必要がある。
3.大人たちのエゴに振り回されるな
大人たちがENEBみたいな形式的に何かをやって、思いもよらず俺みたいな本気になった人間にはケアが届かず、知識がない状態で起業した。もちろん、それでいいものができるはずではないし、むしろ起業とそのようなプログラムに対して嫌悪感を覚えた。
4.知識がないことに全力投資をしない
この場合は経営学の知識が必要だったが、自分たちの目指したい社会と、就活やその他で自分に時間がないということで、無理やり起業を選択し、プロダクトを開発した。ウォーレン・バフェットもピーター・ティールも言ってた。
5.技術的に難しいことはしない
めっちゃ開発が遅れた。ビジネスを行う能力と技術両方とも必要だ。
6.ニーズを無理やり作らない
こんなプロダクトを作って、こうしたいと思っていたから、ちゃんとマーケットリサーチをせず、ニーズをこっちが望むようなものに誘導してしまった。自分の考えを正当化したさすぎて、真実を曲げた。
7.マーケティングリサーチはちゃんとする
200人に聞く。アンケートの取り方がある。誘導尋問はしない。意味のある回答をもらう。競合もちゃんと把握する。
8.恥ずかしがらず、色々な人に助けを求める
正直、営業するのが恥ずかしかったし、どうすればいいか分からなかった。一般的な大人は、やりたいことを理解してくれない。だが、探せばいる。常に諦めずにアンテナを伸ばし、繋いでもらう。
9.頻繁に使われないようなサービスは作らない
Stickness。Googleは一日に3回以上使われるサービスを買い取る。俺らのサービスは一年に2度。
10.自分で使うようなプロダクトを作る
FF14の開発メンバーは自分たちでやりたいようなゲームを作る。自分で使わないようなプロダクトは作るな。
11.お金のフローを考える
損益分岐点ぐらいは知っておく必要がある。
12.1人でもするか?と自分に問う
その答えが「No」なら、やめたほうがいい。それは起業したかったり、お金が欲しいだけで、ビジョンはなく長続きしない。
次への決意
もう一回チャレンジしたい。シンプルに楽しかったし、面白かった。今はもっとパワーアップしているので、勝率はある。やる理由はやってみたいでいい。