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牙が折れし獣

闘争本能

無くし

生の稀薄(きはく)さ故

貪欲(どんよく)な生への

渇望(かつぼう)からくる

餓(う)え 渇(かわ)き

満たす術無(すべな)く

踠(もが)き苦しみ

乏(とぼ)しい知性から

悩(なや)み苛(さいな)まれ

目は

虚(うつ)ろう

最早(もはや)

生気の欠片も無さげな目の奥に

僅(わず)かに鈍くとも鋭く光り 

糧を得られずとも 

与えられ飼いならされるのを 

嫌う

その姿を哀れに思い 

手を差し伸べる

己(おのれ)の世界と違う

生者達に差し伸べらた手

優しさと気付かぬ訳で無いが

その手

舐(な)めるで無く

咬みつき威嚇(いかく)し

己(おの)が魂は

気高(けだか)く孤高(ここう)であらんと

心体(しんたい)ままならず

懸命(けんめい)に呼応(こおう)せんと

膝(ひざ)を震(ふる)わせながら

胸を張り立ち尽くす

生きにくさを知りながら






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