衝動
怒りが呼び醒(さ)ます
鎮(しず)め眠らせし修羅を
餓えた狼の様に
獲物を視界に捉(とら)え
朽(く)ちかけ消えそうな闘争の炎
鮮(あざ)やかな紅(くれない)
爆炎の如(ごど)く
折れた抜身(ぬきみ)の刃が
憤怒(ふんぬ)狂気(きょうき)
歓喜(かんき)恍惚(こうこつ)を餌(えさ)に
諸刃(もろは)の刃(やいば)そのままに
己(おのれ)を
傷つける苦痛さえも貪(むさぼ)り
その姿を顕現(けんげん)させ
禁忌(きんき)の刃(やいば)を掴(つか)み
握った拳から滴(したた)る
己(おの)が血を啜(すす)りながら
鎮魂(ちんこん)の鐘が鳴り響く中
修羅が雄叫(おたけ)びをあげ
闘争の咆哮(ほうこう)と鐘の音が
共振(きょうしん)する
抑えきれぬ破壊衝動(はかいしょうどう)
己(おの)が外道に踏込し者
殺さず生かし
刻(きざ)む阿鼻叫喚(あびきょうかん)
この世に生を受けし身を
後悔させ貪(むさぼ)り尽くす
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