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徹底された色による感情表現『40 DAYS WITHOUT THE SUN』:XR映画ガイド第34回
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Quillで作られたアニメーション『40 DAYS WITHOUT THE SUN』を紹介します。6歳の女の子、ビアンカの目を通して、母親が流産した時に家族が死を受け入れ、前に進むことができるようになるまでの40日間の悲しみを追った短編アニメーションです。Quillで作られたアニメーションは、XR映画ガイドでも第6回に紹介した『Silence: Tales from Soda Island - Ch. 6』、第14回に紹介した『FOUR STORIES』など多くの作品で使われています。
今までここで紹介した作品とちょっと違うのは『40 DAYS WITHOUT THE SUN』は線の表現を重視している点であると思います。2017年にFable Studioで制作された『Dear Angelica』(これもQuillで作られたアニメーションです)に近い表現だと思います。
この短編アニメーションはイギリスを代表するインディーズ映画祭、Raindance Immersive 2023 のベスト イマーシブ ナラティブ エクスペリエンスにノミネートされています。
見所:徹底された色による感情表現
『40 DAYS WITHOUT THE SUN』は主人公であるビアンカの母親が流産し、そこから立ち直って行くまでの物語がアニメーションで描かれます。言葉はありますが、画面に描かれる要素で内容は十分追えるのでノンバーバルなアニメーションと言えます。特に色による画面の管理はしっかりとされていて、元気な時は黄色、悲しみの時は青などわかりやすく表現されています。色は文化的背景によって解釈が変わっていく部分も大きいです。しかし、物語の文脈の中で見せることにより、楽しさ、悲しさなど多くの人にわかる表現ができているのでしょう。
また、先述した通り、これは線で表現されたアニメーションと言えると思います。第6回で紹介した『Silence: Tales from Soda Island - Ch. 6』、第14回で紹介した『FOUR STORIES』は面が連なることで奥行きを表現していました。それに対し、『40 DAYS WITHOUT THE SUN』では一本のラインが手前から奥に向かっていく表現など、線にこだわった表現をたびたび見ることができます。その辺も注目してみると面白いでしょう。
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作品データ
タイトル:40 DAYS WITHOUT THE SUN
ジャンル:アニメーション
監督:Joao Carlos Furia
制作年:2022
制作国:ブラジル
本編尺:14:12
メディア:6DoF/VR
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