視点を大胆に変更し、カットが多い実験的なアニメーション『NightMara:Ep 1』:XR映画ガイド第24回
今回はSo Meta Studiosが制作した『NightMara:Ep 1』を取り上げます。So Meta Studiosはアメリカ・ロサンゼルスにある制作会社で、イラストレーター、アニメーター、ゲーム開発者で構成され、アニメーション、VR、MV、CMなどを制作しています。
『NightMara』のシリーズの主人公である11歳の女の子・マーラは、悪夢を通り抜ける力を持っています。マーラがその力を使い、彼女の住むブライトン・シティの人々を悪夢から救うため戦いを繰り広げていきます。『NightMara』の制作にはVR内で絵を描くようにアニメーションできる「Quill」が使われ、2024年9月現在、Ep 3まで公開されています。シリーズを通して、かなり特徴的な蛍光色を使った派手な配色、暗闇とのコントラスト、そして大胆なカットが魅力の作品です。
見所:視点を大胆に変更し、カットが多い実験的なアニメーション
VRの映像はあまりにもカメラ位置を変えるとVR酔いを引き起こしやすく、酔いを避けるために最近のVRの映像はカメラの位置をコロコロと変えるものは少なくなってきている印象があります(良い意味で)。しかし、この『NightMara:Ep 1』は実に多くの位置に変更し、またその切り替えも早く、かなり実験的なことに取り組んでいます。視点も同時に多く切り替わり、第3者の視点であったり、当事者の視点であったりと変化が激しく、時々これはどこから見ているのだと置いていかれるほどです。その変化の激しさを楽しむというVRアニメーションだということができるでしょう。VR酔いをしやすい僕が見ても、ちょっと気持ち悪くなるくらいなので、ギリギリのところで調整はされています。
実験的なアニメーションではありますが、人がどう視線を動かすかなどを細かく設定し、綿密に作られています。その辺の設計資料なども公開されているので、同時に視聴してみても面白いと思います。
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