目の前で見ることができる古代生物『MUSEUM ALIVE IMMERSIVE WITH DAVID ATTENBOROUGH』:XR映画ガイド第37回
XR、特にMRは美術館や博物館での相性がとても良いと言われています。フランス、パリのルーブル美術館やオルセー美術館、自然史博物館ではすでにVRやMRを活用した展示が行われ、今後国内でも当たり前のようにXRでの展示が進められていくと想像しています。
今回、ご紹介するのはドキュメンタリー映画『アース』を脚本し、数々の地球環境をテーマにした映画作品を制作したデイビット・アッテンボローの作品です。最近はVRやARなどの先端技術を使って、生き物や自然についての作品を積極的に制作していますが、Apple Vision Proを活用した新作『MUSEUM ALIVE IMMERSIVE WITH DAVID ATTENBOROUGH』を発表しました。絶滅した古代生物をApple Vision Proを通して出会うことができます。今回出会うことができる古代生物は、次の4種類です。
①5つの目を持つ不思議な魚のような生物オパビニア
②空と飛ぶ恐竜ディモルフォドン
③狩の名手スミロドン
④もっとも古い鳥類と言われている始祖鳥
化石から3DCGで復活した古代生物たちはどれもリアルで本当にそこに存在しているように見えます。これが自分の部屋で見られるのですから、今後の教育の形はきっと変わっていくのでしょう。こちらの作品はもちろんApple Vision Proで見てほしい作品ではありますが、お手持ちのスマートホンを使ってARでも見ることができます。
デイビット・アッテンボローの作品については、過去にVR映画ガイドでも取り上げています。
【VR映画ガイド第78回】植物の複雑な世界を180度3Dでのぞいてみよう
https://www.moguravr.com/vr-movie-guide-78/
【VR映画ガイド第80回】VR体験だからこそ得られる知識 地球の生命の起源を探る
https://www.moguravr.com/vr-movie-guide-80/
見所:目の前で見ることができる古代生物
この作品は単なる想像で作った物ではなく、自然史博物館の専門家と学芸員たちが古代生物の標本や化石などを分析し、小さな手がかりを繋ぎ合わせ、さらに最先端のテクノロジーを駆使して再現しています。このことによってこれまでに見たことのない生物の姿について明らかにしています。自分の目の前に化石が現れて、そこに肉や皮膚が再現され、その生物が動き出す瞬間は本当にリアルで驚かされます。動き出した生き物等は、その生物の特徴が分かるような行動をし、視覚的に古代生物等の生態が分かるように構成されています。さらにはジオラマのシーンでは、化石を正確に蘇らせるだけでなく、当時の環境がどのようなものであったかをリアルに表現しています。長年かけて研究してきた研究者の知識の結晶が目の前で見ることができるのです。