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BizDevとBizOps何が何なん?

いつもは、BizOps(BusinessOperations)のこと中心に記事を書いています。そんなBizOpsとBiz兄弟とも言うべき、BizDev(BusinessDevelopment)。どっちも、Bizだし、どっちも横文字だし、何が何なん?という記事です。

この記事は BtoB事業開発アドカレ 3日目の記事です。前回は 株式会社スタメンCSO丸岡さん(@yasumanmaka)による『メンバー2名で始めた新規事業がWEBマーケ費用ゼロ、開始約1年でARR1億円に到達するまで』でした。

結論

この記事、BizDevとBizOpsの何が何なん?の結論です。

BizDevするなら、同時にBizOpsも、絶対。

その結論に至る理由、そしてBizDevとBizOpsを、どう平行させるのかについて書いていきます。


まず、そもそも「BizDev」「BizOps」とは?

「BizOps」は、事業グロースのために徹底してオペレーションを洗練させていく特化部門です。

「BizDev」は、事業開発を意味しスタートアップや大企業で新規事業の立上げを行う特殊部隊みたいなものです。

この人たちは、従来のオペレーションからは外れて独立遊軍的に動きます。BizOpsは従来のオペレーションを洗練さている人たちなので、一見関係なさそうです。

しかし、BizDevとBizOpsは切っても切り離せない関係性にあります。

「BizDevOps」とは?

ちなみに、BizDevOpsと、合体して呼ばれることもあります。そうなると、厄介です。意味が変わってきますから。

「BizDevOps」は、システム開発が円滑に進み現場で活用されるように運用まで一貫してマネジメントする部門となります。

今回の記事では、BizDevOpsについては触れていません。あくまで、BizDevとBizOpsの関係性についてです。

BizDevという名の営業部隊

もう一つちなみに、BizDev(事業開発)人材募集!という求人を見ると、それって単なる営業部隊だよね?という応募概要も見かけます。

テレアポ人材募集中と謳うより、BizDev人材募集と謳う方が応募きますしね。

当然、この記事では、その意味合いのBizDevについても特段触れません。

あなた誰?

もう一つの、そもそもですが、あなたはBizDevやBizOpsを語る資格があるの?という話です。簡単な自己紹介です。

現在:クロス・オペレーショングループ社CEO

株式会社クロス・オペレーショングループ(xOperation Group, Inc.)の社長をやっています。社名の通り、オペレーション専門企業です。

オペレーションは従来のコスト削減の目的だけではなく事業グロースのために活用すべきと思っています。xOpsと名前にしている通り、BizOpsやRevOpsなどxOps部門の立上げ支援をしています。

なんだ、コンサル屋か。この記事も机上の空論・ポジショントークか。

と思った方!ご心配不要です。

会社はBizOpsのコンサルしてますが、私はコンサルワークできないです笑。

ゆえに机上でも空論さえ言えません。

私の中では、コンサルティングサービスという事業のBizDevの真っ最中です。

今のオペレーション専門企業を始めるまで

「動画サブスクメディア事業立上」
20代は、この動画メディア事業のBizDevをしていました。役職はBizDevではないですが、取締役として全国展開を指揮し2年ほどで5,000社の顧客開拓をしています。

「セールステックSaaS企業設立」
ベルフェイスというオンライン商談システムの会社を設立し副社長、販社の社長をしていました。インサイドセールスの普及に多少なり寄与できたと思っています。

「インサイドセールスBPO企業設立」
今ほどリモートワークが市民権を得ていなかったころ(コロナ禍のちょっと前)、フルリモートの会社を設立し、在宅ワーカーによるインサイドセールス代行事業をしてました。

「マーケテックSaaS企業設立」
マーケロボというMA(マーケティングオートメーション)ツールを開発し、2022年9月に売却しました。

BizDevを語ってもよいかな、と

というキャリアです。そもそもコンサルファームで働いたこともありません。

私の中では、このコンサルティングという事業すら、BizDevの対象であり、サービス化・プロダクト化できると思って始めました。

上記の事業以外にも、4つくらい新規事業を立ち上げたりしてきましたが、軌道に乗った事業は、全て、オペレーションが構築されたものでした。

オペレーションこそ、BizDevの成功の可否を決めると思っています。
オペレーションこそ、事業グロースの可否を決めると思っています。

なので、

オペレーションを構築するためのコンサルティング自体をオペレーション化してサービス化して体系化して誰でもできるようにしたらいいじゃん!

それが、今、取組んでいることです。

新規事業立上と事業開発(BizDev)の違い

BizDevと混同されがちなのが、新規事業の立上げです。

私は、「新規事業の立上げ」と「BizDev」は別ものだと思っています。前述の通り、新規事業もBizDevもBizOpsも全部やってきてるので、ここは机上の空論ではないです。

それぞれ、目的・ゴールが違うからです。

そして、この3つは、各ステップではなく、役割の移行時は密接に重なり合っています。

新規事業立上のゴール

新規事業の立上げは、アイデア出しから始まります。そして市場やユーザーリサーチ。テストマーケし、場合によっては撤退ラインを設けて、ドライに撤退する。

「この新規事業が更なる資金と人材の投資が相応しいか」

この判断をするのが、新規事業立上のゴールです。

BizDevのゴール

一方で、BizDevって、撤退ラインを考えながらやらないですよね。

広げることしか考えてない。実際、BizDevは、それで良いわけです。

BizDevのゴールはシンプルです。

「新規事業を軌道に乗せる」

これです。

軌道に乗ったかどうかの基準は何か?

よくある勘違いは、数値です。売上いくらになったらBizDevのミッション完了。また別の事業のBizDevに入る、となるわけです。

軌道の乗ったかどうかは数値では判断できません。

BizDevの人たちが事業から離れても、「新たに配置された人員で再現性をもって事業成長できる状態になっているか」これが判断基準です。

そうです。
「BizOpsの初期状態を構築できているか」
これが、BizDevのゴール状態です。

ようやく、BizDevとBizOpsの何が何?という関係性が見えてきました。

BizDevとBizOpsの同時並行は難易度が高い?

BizDevしながらBizOpsって難易度高くない?と思われがちですが、そうでもないです。

多くのBizOps部門は、ある程度の業務オペレーションがある状態で設置されます。As is(現状)とTo be(理想)の双方からのアプローチが必須です。

一方で、BizDevの状態であれば、まだ何も業務オペレーションが構築されていません。To be(理想)の状態だけ考えてオペレーションを構築していけばいいわけです。

実は、通常のBizOpsプロジェクトより、BizDevと同時並行の方が実行タスクは少なくなります。

多くの会社は、まずBizDev。ある程度の数値感が見えてきたら、組織を大きくしてみよう。一定組織になって業務がカオスになってきたからBizOpsを設置しよう。

この流れは、時間もお金もチャンスもロスです。

BizDevするなら、同時にBizOpsも、絶対。

これが、BizDevとBizOpsの何が何?の結論です。

BizDevと同時にBizOpsを進行する際の注意点

BizDev時の顧客と、軌道に乗ったあとの顧客属性が違う

BizDev時に対峙する顧客は、イノベーター層とアーリーアダプター層です。

その16%の人たちは、新しいことへの感度が高く、導入に積極的です。

むしろ、誰よりも先に導入することが理由となる人もいます。

BizOps時の顧客はマジョリティ層

BizDevからBizOpsへ移行する時には顧客層も変わっています。BizOps時はマジョリティ層と対峙していくことになります。

この人たちは、新しいことに慎重です。提案すると、「同業の事例はありますか?」と聞いてきます。

ビジネス的に言えば、同業より先に開始した方がメリットあるのに・・・と思ってします人・・・あなたは、イノベーター層の人たちです。だから、このnote見てるんだと思います。

BizDevで実施している全てをOps化する必要はない

BizDevの人たちが、軌道に乗ったあとに他のメンバーに引き継いだ時、成果が下がる。もしくは、何で私たちはできたの新しい人はできないのだろう・・・と思ってしまうのは、能力の問題より、顧客属性の違いです。

BizDev時に活用していた

・リード創出方法
・サービス紹介ページ
・提案資料
・スクリプト
・QTC(Quote-to-Cash)見積もりから入金までのフロー
・顧客サポート
・紹介依頼
・KPI / KAI

これらが全てそのままBizOps段階に引き継がれることはありません。ゼロから作り変えることはないですが、大部分はマジョリティ層向けに変更する必要があります。

特に、KPI(重要業績評価指標)やKAI(重要活動評価指標)は要注意です。仮に項目は一緒でも、転換率は間違いなく変わります

BizDev人材の3レベル

BizDevの仕事をしている時点で、その人は優秀です。その中でも1~3までレベルがあります。

レベル1で留まらず(悲しいかな、、、結構います)、ぜひ2、3を目指す人が増えていったらいいなと願っています。

レベル1

「BizDevとして、その人が動けば事業を拡大できる」
自分が入ればBizDevできるという自負も実績もある人たちです。一つ二つ事業を立ち上げたら、フリーランスになる人も多いです。

もったいない!

レベル1の人は、レベル2もレベル3もできるので、安易にBizDev職人みたいに独立せず、事業だけではなく組織も拡大していってほしいです。

ちなみに、もし、自分が抜けたら、少し事業が停滞するのを見て、やっぱ私じゃなきゃダメだったか~と思ってしまうBizDevの人がいたら、レベル1の下の下です。

レベル2

「BizDevとしてBizOpsの状態を構築して権限移譲できる」
本記事の結論である、BizDevとBizOpsを同時に進められる人です。自分が抜けても、BizOpsの基盤がある状態で引き継ぐの事業は伸び続けます。

そして、この人は、颯爽と別のBizDevを行う。まさにBizDevのプロ。

最初のうちは、一人二役(BizDevとBizOps)は難易度が高いかもしれません。その時は、自分はBizDevをメインに、BizOpsのサポートをしてくれる人を巻き込みチームで進めると良いです。

レベル3

「BizDevとしてのレベル2の状態すらOps化できる」
BizDevの上位互換は、BizDevの活動すらオペレーション化し、再現性の高いBizDev人材を生み出す人たちです。BizDev部門のマネージャー・管掌役員、場合によっては経営者、起業家となっていると思います。

繰り返しますが、せっかくBizDevができるほど優秀な人が、レベル1で留まらず、会社の看板で成功したからといって、すぐフリーランスになるのは勿体ないです。レベル3まで来て、独立するなり、起業するなりしていってほしいなと思います。その方が、その人の才能や能力によって恩恵を与れる会社や人が増えます。

BizDevという業務すらOps化できる

BizDevのやることをシンプルにすれば2つです。
「顧客を開拓し」「BizOps段階に入った組織に引き継ぐ」こと。

顧客開拓

BizDevにおける顧客開拓は 通常の営業とは異なります。

仲間探しです、ファンづくりです。

営業なら断られてからの切り替えしや、継続提案など必要です。
しかし、仲間探しは、見つけるか否かの問題です。

16%のイノベーターの人たちを見つけるのが仕事です。

約70%のマジョリティの人たちを説得するのはBizOps段階に入ったあとの仕事です。

仲間探しの型

16%の人たちに製品の説明をすると仲間になってもらう機会を失います。

何を伝えればよいか?

なぜ?を伝える、Whyから始めることです。

10年前以上のTEDトークですが、今でも定期的に見返しています。

Whyの3分解

さらに、このWhyを3つに分解します。世界に衝撃を与えたいので、最初の顧客になってください!といっても、抽象度が高いです。

抽象度を3段階で具体的にしていきます。

①世界や日本に対するインパクト / 大きな志 / 夢
②特定の地域や業界に対する貢献
③導入する会社やその人にとっての利点

BizDevとして、この3つを組み合わせて話し、仲間を探していきます。

この3つをストーリーにして伝え、一緒に①を叶えてくれる仲間になってもらえませんか?

これが、BezDevの顧客開拓のパターンです。

Whyの例

私がBizDevを行ってきた際の事例体験です。

「日本の社長.tv」
中小企業の社長のインタビュー動画を掲載するメディア事業でした。2年で5,000社以上の顧客開拓ができました。当時の時代背景は、今とは違い、企業の動画活用は大企業のみ、製作費も数百万必要という状況でした。その際のWhyは、下記です。

日本には素晴らしい会社が沢山あるのに埋もれています。大企業だけではなく中小企業も全ての会社が自社の魅力を動画発信すべきだと当社は考えています。日本経済は、各地の中小企業の発展によって進化します。

そのため、日本の社長.tvは、〇〇県の社長.tvと47都道府県ごとに開局しています。〇〇県の、~~社長の地元の発展のためにも、ぜひ自社の魅力を伝えてほしいです。

その想いは、地元の企業や社員のご家族にも届き、貴社のファンの人も増えます。その想いを見た人から応募もあるかもしれません。新しいビジネス機会も生まれるかもしれません。

日本の、何より、この地域の経済発展のために、ご協力いただけないでしょうか?

「ベルフェイス」
コロナ禍の前からオンライン商談を普及されるために設立しました。今はインサイドセールスや、オンライン商談は当たり前ですが、当時は、オンラインでのアポ?聞いたことないよ、という状況でした。

日本の生産性をあげたいと思っています。特に営業活動は、未だに足で稼ぐスタイルです。海外ではインサイドセールスが常識となっています。

日本でも、この流れは必ず来ます。その時のパイオニアになっておいていただきたいです。このIT業界から(最初のターゲットはIT業界でした)新しい常識を共に生み出していきたいです。

何より、貴社の営業生産性が劇的に変わります。商談数やサポートできる顧客すは何倍にも増えます。〇〇さんも、新しい働き方を推進したとして社内での評価も必ず上がると思います。

まず、1アカウントからでもOKなので、試してもらえないですか?

BizDevは確率論

Whyをひたすらに話して回る、あとは確率論です。

BizDev段階で導入してくれる方々は、16%程度しかいません。提案しても、8割、いや9割断られると思っていた方がいいです。

そこに切り返しトークも、継続提案もいりません。

必ず、お互いにビビッと一目ぼれかのような感覚を得られる人がいます。

9割断られても、気にしないことです。10枚に1枚に当たりが必ず入っていると信じることです。そうすれば、9回断られてもショックではなく、次が当たりだ!と興奮してくるはずです。

BizDevは職人芸でも特殊なスキルでもなく、正直、行動力です。
9割が外れの状況でも、1割の当たりを信じて動けるかどうかが肝です。

BizOpsの土台構築

BizDevで仲間を探したら次にすべきことは、「事例づくり」です。

BizOps段階の顧客層であるマジョリティの方々は、実績や事例を気にします。BizDev段階で仲間になってくださった顧客の方々の事例が、BizOps段階の最高のコンテンツになります。

事例は確実にBizOpsに引き継ぎますが、他は精査が必要です。

再掲となりますが、BizDev時に活用していた

・リード創出方法
・サービス紹介ページ
・提案資料
・スクリプト
・QTC(Quote-to-Cash)見積もりから入金までのフロー
・顧客サポート
・紹介依頼
・KPI / KAI

これらが全てそのままBizOps段階に引き継がれることはありません。ゼロから作り変えることはないですが、大部分はマジョリティ層向けに変更する必要があります。

しかし、テンプレートはBizDev段階で用意しておくこはできます。

実際に、詳細の中身は、BizOps段階になってからしか埋められませんし、テンプレートがあるだけでも充分有難いです。

まとめ

BizDevとBizOpsの何が何なん?という話でしたが、お付き合いいただき、ありがとうございました。

日本経済のためには新しい事業や産業の創出は必須です。

そのためにBizDevが担う役割は大きいです。

BizDevに関わる人たちが増え、事業グロースする会社が増えることは間違いなく、この国の発展に寄与します。

そのためには、BizDevだけではなく、BizOpsの役割も非常に重要です。

立ち上げて散ってしまう事業が多い中、BizOpsにって更に加速します。

何より、私は、日本人は本来オペレーションが最も得意な民族だと思っています。得意が故に、誰も型化せず、みな良きに計らってしまいます。

そして、実際、計らえてしまう資質も能力も日本人はみな備えています。

幸い、BizOpsをはじめとするxOpsの重要性が近年増しています。確かに発祥は他のビジネストレンドと同様、海外からです。しかし、オペレーションという領域に関しては、日本で独自進化を遂げていって然るべきです。

その先に、日本企業の日本的オペレーションを海外企業がこぞって取り入れる、そんな未来がくると信じています。

BizDevと共にBizOpsを導入する企業が増え、またBizDev / BizOpsで活躍する人が増えることを心から願っています。

BizOpsを募集している企業や、BizOpsはじめxOpsについて解説している記事もありますので、ぜひお時間ある時に見ていってください。

皆さまの会社の更なる事業グロースを心より祈っています。

もし、BizOps / xOpsの立上げや、事業グロースのためにオペレーション構築・改善・強化を取り組む際には、株式会社クロス・オペレーショングループのことを思い出してください。

事業グロースのためのオペレーション構築に関する不明点などあれば何でもお答えできると思います。

株式会社クロス・オペレーショングループ
代表取締役
田中亮大

以下、参考までに。





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