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「難しい会話を行うために」Inner MBA 体験記 #16

「ねぇ、話聞いてる!?」家族や友人にこう言われたことは誰しもあると思う。そして残念なことに、私は人より多く言われている気がする笑。

「人の話を上手く聞けない」というのは、ことデリケートな話題 = 難しい会話になった時には致命的になる。では「上手く聞く(上手く話す)」とは何だろう?これが今回の Inner MBA 講義のテーマだった。

講師はリーダーシップ育成機関 Potential Project のディレクター Jaqueline が務めた。

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「共感」 と 「思いやり」 の違い

Empathy = 共感Compassion = 思いやりは以前の講義でも度々登場したワードだ。会話を、特に難しい会話の際にはこれらの違いを意識して話を聞く必要がある。

例えば、自分がリーダーとして部下に厳しい査定結果を言い渡さねばならないとき。

共感は読んで字の如く「共に感じる」だ。「今回は残念だったね、がっかりだよね」と相手の気持ちを代弁するのは大事だが、会話をナビゲートするにはそこに意図がないといけない。

Jaqueline は Compassion = 思いやりを「意図のある共感」と定義する。

部下に成長して欲しい(意図がある)から「今回は残念だったね、でもあなたに必要なのは...」と建設的な会話につなげれられる。これが思いやりだ。

人は職場環境においても精神的なつながり求めており、それが仕事における幸福感につながる。そのためには、ただの共感ではなく、思いやりのある会話が役に立つ。

エゴとセルフレス

Ego = 自我Selfless = 非我(初めて聞いた...) について。他者との会話において、エゴは大敵であり、現代のリーダーシップには求められていないものである。

エゴを出すと視野は狭まり、攻撃的になり、否定された時に傷つきやすい。一方でセルフレスであること。これは難しい概念だが、エゴが外れてよりオープンに物事を考えられる状態である。制限よりも可能性を見るようになり、拒絶に対しても強く柔軟であり、成長志向になる。

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Jacqueline の持っている面白いデータとして、会話の中でより私 (I, My, Me, Mine) を使う人はそうでない人に比べ高血圧、心疾患、そして死亡のリスクが高いという話があった。セルフレスになって、I の代わりに You を使おう。

難しい会話のためのテクニックとエクササイズ

もう一つの講義内容 (Inner MBA 共同運営者、LinkedIn の Scott) からも補足する。難しい会話においてより良く聞く (アクティブリスニング ≒ 傾聴) ことができない理由とその対策について。

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1. まず、基本ができているか?*
例: スマホの通知はオフか?この会話における自分の役割は何か?言うまでもなく事前準備も必要だ。
2. 会話の際に思考面では何が邪魔しているか?ちなみに自分の場合は、相手の発言の先読みをしてしまい、そこからの連想を勝手に始めてしまうことだ。トホホ...
3. 自分が発言するときはその意図について考えようWAIT というテクニックが紹介された(Why Am ITalking?の頭文字)。これも上述の思いやりのある会話のヒントとつながる。
4. Why question を避けて、相手を追い詰めない。
例:「何でその戦略なの?」ではなく「その戦略について何が重要だと思う?」もっとカジュアルな例では「調子どう?」と聞いても「いいです、大丈夫です」 としか言いづらいが、「今日の調子 1-10スケールではどう?」なら相手も正直に答えやすい。

これらの練習をするエクササイズとして、7 minutes talking というものがある。ペアになってお互い7分ずつ個人的なテーマについて話すことだ。自分のキャリアや趣味など個人的なものが良い*。

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以上、今回は難しい会話のシーンでいかに良い聞き手になり、同時にこちらから意図的に会話をナビゲートするかという話だった。いずれの講義でも、呼吸から始まるマインドフルネスで心の準備をすることを推奨された (Inner MBA を 4 ヶ月に突入した皆さんに言うまでもないことですが...という枕詞付きで)。

折りよく新年、今年の仕事や家族、友人との会話の中でも早速実践していきたい。

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*脚注1 US の伝説的な大学バスケットボールのコーチも、初日に教えるのは靴紐の結び方らしい。基本のキだ。

*脚注2 LinkedIn では彼の部門 (90人くらいいる) に新しく参加したメンバーは同僚全員と7min をやることをルール化しているらしい。

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