【聖杯戦争候補作】Underworld Refuge
曇り空の朝。京都市内の、とある公園、のトイレ。
ボロボロの自転車に薄汚い大量の荷物が積まれ、地面にまで散らばっている。毛布、衣類、空き缶、空き瓶、カラの弁当箱、雑誌や本。近くにはダンボールとブルーシートで作られた、小さなねぐら。典型的なホームレスの棲家だ。
この町にも、ホームレスが多少はいる。大概の場合、市民は彼らを無視する。時にはお役所から「支援施設に入りなさい」とのお達しも来るが、入る者も入らぬ者もいる。
ねぐらには何枚かの毛布が敷かれ、男が一人くるまって、イビキをかいている。彼にとっては、この暮らしは昔からの習性だ。なにしろ、働かなくていい。貧乏人が目指すのは「働かなくていい暮らし」だが、カネがなくてもそんな暮らしは可能だ。少々不便なだけだ。とはいえ、今は一月。京都の冬は寒い。並の人間なら、路上生活をやめ、一時的にでも支援施設に入ることを選ぶだろう。並の人間なら。
「………んーーー……」
男が寝返りをうつ。天地を我が家とする境涯ながら、都会は居心地がいい。探せばいくらでも上等な食料がある。盗みを働かずとも、日々大量の食料が廃棄されている。それをいくらでも食っていける。飲むもの、着るものにも不自由はしない。
「ムニャムニャ……『何を食べ、何を飲み、何を着るかと思い煩うな……命は食物にまさり、体は衣服にまさる……』……ZZZZZZ………」
「……おうオッサン、どいてんか。便所が使えんやないか。おう、起きろや!」
「ムニャムニャ……ふーーっ」
「ぎゃーーーっ!!! オボロロロロロ………がくっ」
ホームレスの男が、呼びかけて蹴りつけた若いチンピラに臭い息を吹きかけた。その、あまりの臭さ! チンピラは悶絶して転倒、嘔吐、失神してしまう。
「おやまあ。ああ、いらぬ殺生をした。朝の睾丸、夕の白濁、南無阿弥お陀仏、ほうれん草……」
男はねぼけ眼をこすりながら起き上がり、痙攣するチンピラに合掌する。それから彼の懐を漁り、財布やスマホを抜き取る。
「チェッ、近頃の野郎は現ナマをあんまり持ってやがらねぇな。なーァにがカード社会、デジタル化だってんだ。不便なもんだぜ」
指輪やなんやの装飾品、衣服もかっぱぐ。これでしばらくの生活費にはなろう。気絶したチンピラは哀れにも、寒空の下に裸で放り出された。
「そこに転がってると、ひと目をひくじゃあねえか。あそこのマンホールにでも投げ込んどいてやろう……よいしょっと」
おお、なんたる悪逆であろう。チンピラは下水へ真っ逆さま……。どぼん、と音がした。
その男は……汚いにも程があるボロ布を纏い、足は裸足。背丈は並より低く、顔がやたらに長細い。二本の前歯に八本の口ヒゲ。これなん……
「『ビビビのねずみ男』サマよ……。ムフフ、よろしくネ」
男はくるりとカメラを振り向き、卑しい笑顔を浮かべる。アッ、鼻息の臭さでカメラマンが倒れた……。カット、カット!
◆◆◆
「それにしても、だよ。なんでも願いが叶う。これに、このミリキに惹きつけられないバカものが、この世にいるのかねえ。無欲で愚かな鬼太公なんかはともかくだ」
ねずみ男は胡座をかいて独り言つ。なんということであろう……彼もまた、この胡乱な聖杯戦争に呼び寄せられたマスターなのです。
「清貧を重んじるおれにしても、ここへ喚び出されたからにゃあ、願い事があるに決まってる。仮にも不老不死ではあるから、それ以外だな。若く美しい乙女と恋愛もしたいし……メイク・ラブもいたしたい。カネがあれば大概のことはなんとかなるから、カネにしようか。いやうーん、どうも安直だな」
そう思ってみれば、大した願い事はないのが悲しいところ。しかし、呉れるというものを貰わない手はない。ほかの連中がどれだけ強くたって、こちらの大先生には到底及びもつくまい。カミサマはおれのような貧乏人を見捨てちゃあおかないのだ。彼はそう考えます。
「「「くだらん望みだな。まあ適当に考えておきな。われらが戦ったら、おまえ、こんな街はぺちゃんこさ」」」
と、トイレの奥から轟くような不気味な声。ふらりと現れ出たのは、同じくボロ布を纏った、ふためと見られぬ醜い矮人(こびと)です。ねずみ男は慌ててこれに平伏。実はさっき、夢の中で挨拶は済ませたところなのです。
「あっ、大先生。おはようございます。どうぞよろしくおねがいします」
「「「むははははは。さっきの人間は食ってしまったぞ。朝食とは気が利くな。もうちょっと連れて来い」」」
「ふはっ、た、食べちゃったんですか。おみそれしました」
大笑いする矮人。おお、その形相といったら! まるっきり畸形で、でこぼこした禿頭には、目や鼻や口や耳がたくさん、デタラメについてるのです。
矮人は、グニャグニャの腕を振り上げ、ねずみ男を指差します。
「「「よいか、ねずみ男。われらの望みはな、この島国の支配者になることだ。そうしたら、おまえもそれなりの地位につけてやるぞ。励みなさいよ」」」
「ははーっ!」
◆◆◆
夜。先程の公園に、数人の不良どもが集まり始めます。どうも溜まり場のようで……。
「消えちまったァ? あいつがァ?」
「ああ……なんか、朝から行方不明とか……」
「どっかで死んでんのンちゃうかァ? あいつアホやし」
「ヤクザにケンカ売ったとかァ?」
と、一人がスマホをいじりながら、例のトイレへ。街灯に照らされた地面の脇、草むらにふと目を見やりますと、何か落ちています。
「………おい、これ……あいつの財布やん。オレ、見たことある……おい!」
「なんやァ」「どしたん?」「おう」
ぞろぞろと不良たちが、そこへ集まって来ます。マンホールの蓋の傍らに、件の財布。その少し向こうに、いびきが聞こえるホームレスのねぐら。
「財布……だけやないで、カードとか、スマホとか、散らばって……」
「なあ、マンホールの蓋、ちょっと開いてへんか?」
「足滑らせて、落ちた……っちゅうんも、不自然やな。……あそこのホームレス、なんか知らんやろか」
「ヨレヨレのオッサンに殺されるようなやつとちゃうけど、ひょっとしたら」
「警察に知らせたがええんちゃうか」
ざわざわと話し合う数人の不良。すると、マンホールの蓋がさらにずりり、と動きます。次の瞬間!
「ぐっ」「あっ」「うわ」「え」
マンホールの中の暗闇から、吸盤がたくさんついた、細い触手が伸びます。何本も。それが彼らに絡みつき、一瞬のうちに……引きずり込みました。
闇の中へ。奈落の底へ。絶叫をあげる暇もあらばこそ。哀れ、彼らも同じ運命。地底の悪魔の腹の底。
◆◆◆
―――ああ、なんと。またも醜い。醜い。悍ましい。このようなもの、生かしておけるか!
―――おお、息子よ。わしが産んだものを、なんと言いおる。おまえの種でもあるのだぞ。
―――黙れい。あばずれめ。おまえの子ではあっても、おれの種ではあるまい。あの醜い、昏い、奇怪な、水底のものと交わったのだろう!
―――あはは。そうかも知れぬな。なにせ、わしは万物を産み育てるもの。てて親がたれか、しかとは分からぬのう。
―――それならよい。いずれにせよ、おれとおまえが治めるこの地上に、かような異形の子らは置いておけぬ。
―――どうするのじゃ。
―――こうするのよ。
空から巨大な手が伸びて、むんずとばかりにわれらを掴む。大地の裂け目へ投げ飛ばされ、奈落の底へ真っ逆さま。九日九夜を落ち続け、十日目。ついに着いたは、地の底の底、海の底の底。待っておったは蛇女。周りは全て真っ暗で、荒れ狂う嵐ばかり。
その後も次々、似たような、異形の連中が落ちてくる。やがて来たのは輝く神。塗炭の苦しみから救ってやろう、わしに味方せよと命ずる。勇躍、地上へ躍り出て、暴れに暴れ、大暴れ。神も魔物も敵すればこそ、古き神々を己が代わりに、もといた奈落へ叩き落とす。あな痛快!
したが、勿論……あの輝く神が、そのまま放っておきはせぬ。結局のところ、もとの場所へ。もといた奈落へ舞い戻らせる。監視者として。われらを奈落に落とした者の子らの。彼らの苦艱を悠々眺め、おのが心の楽しみとする。奈落の愉しみ。まあよかろう。上ではまたも戦が起こり、異形の子らが奈落へ落ちる。ほれまた一人。ああ、われらは看守。意地の悪い、ゴミ捨て場、深淵の管理人。
◆◆◆
山に囲まれた京都盆地の地下には、深い砂礫層があり、その下に強固な岩盤がある。そこに膨大な地下水が蓄えられている。推定211億立方メートル。琵琶湖の8割にも及ぶ。この地下水は、琵琶湖から宇治川によって流れ込むのだ。巨椋池周辺では、砂礫層の深さ800メートル。唯一の出口となる天王山と男山の間が、深さ30-50メートル。天然の地下ダムである。
豊かできれいなこの地下水が、千年の都・京都を養ってきた。そこに……この水がめに、巨大な半透明の怪獣が棲み着いている。
長さ数十メートルにも及ぶであろう、太くグニャグニャとした触腕は、百本。大岩やビルを持ち上げ、投げつけることも可能だ。その根もと、触腕が集まる頭部は……頭足類のそれは、輝く巨大な、百の眼を持つ。一つの頭部に二つずつ眼があるなら、五十の頭があることになろう。頭部の背後……下……には、ぶよぶよとした肉塊。臓腑のありか。胴体だ。全体に異様な紋様が浮かび上がり、螢火めいて光を放つ。
これぞ、ああ、悍ましきサーヴァント。半神どころか、古代の神々にも等しき巨神、その分霊。地球、ガイアの落とし子の、ほんのひとかけら。『バーサーカー(狂戦士)』のサーヴァント。辛うじて、そのクラスにどうにかこうにか留められる程度のもの。ギリシア神話に名高き、三柱の『百手巨人(ヘカトンケイレス)』……その一柱。真名をば『ブリアレオス』。別名は『アイガイオン』。
彼……彼らと呼ぶべきか。己を「われら」と呼ぶ彼らを。その彼らに、今や、知性も理性もありはせぬ。目覚めれば、手当たり次第に触腕を伸ばし、尖端をほつれさせて……それでも太い……触糸を放ち、生き物を、無生物を、その貪欲な腹に収めてしまうだろう。
それをせぬのは、知性と理性を、一応は具えた、あの矮人……ふためと見られぬ醜いあれを、化身(アバター)として置いておくため。割り当てられたマスターと会話し、おのが意図を伝え、従わせ、偵察させるため。狂った本体が奈落の底におるのでは、外の情報も手に入らぬ。いきなりこいつを出したなら、討伐令が敷かれるは必定。それもよいが、どれほどの主従がいるか確認せねばならぬ。もしや、己を殺せるほどの者もいるやもしれぬ。だから時が至るまで、それは……深淵の怪物は……眠らぬままに、夢を見続ける。深淵に。京都の底の水がめに。
ああ、この大怪獣が目覚めた時! 京都はガラガラと崩れ落ち、狂った奈落が口を開ける! 貪欲な、カオスが、タルタロスが、ポントスが!
◆◆◆
地上では、ねずみ男が……すやすやと眠る。矮人がぎろぎろとあたりを睨め回す。そしてマンホールの蓋を閉め、手をうって笑う。
「「「罠にかかりおったわい!」」」
◆◆◆
【クラス】
バーサーカー
【真名】
ブリアレオス@ギリシア神話
【パラメーター】
化身 筋力C 耐久E 敏捷C 魔力C 幸運D 宝具A
本体 筋力A+++(EX) 耐久A+++(EX) 敏捷E 魔力C 幸運D 宝具A
【属性】
混沌・狂
【クラス別スキル】
狂化:EX
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。また、現界のための魔力を大量に消費するようになる。神々によって理性を封じられ、地獄の奥底で反逆者たちを監視するだけの役割を与えられた。彼の召喚は(基本的には)このクラスかアヴェンジャーでしか不可能である。巨大な本体は地下に現界しており、アバターとして畸形の矮人を地上に遣わしている。こちらとの会話は普通に可能。アバターは他のスキルを使用可能で、倒しても本体に影響はない。
【保有スキル】
鬼種の魔:EX
鬼の異能および魔性を表すスキル。天性の魔、怪力、カリスマ、魔力放出(水)等との混合スキル。もはや鬼の範疇を超えて神に近い。ウラノス(あるいはポントス)とガイアの子であり、数多のティターン神族を倒して封印した神代の大巨人の一柱。その怪力は文字通り大地を揺るがし、山々を投擲する域にある。
原初の一:A(EX)
アルテミット・ワン。星からのバックアップで、敵対相手より一段上のスペックになるスキル。神々に対してすら働いたガイアの抑止力そのもの。自己回復や単独行動スキルも含まれており、魔力に乏しいマスターでも現界を維持できるどころか、マスターがいなくても相当長期間は現界可能。大地や水に触れている限り、母なるガイア(地球)そのものから直接エネルギーを受けることが出来るが、神代ではない上に(これでも)分霊なので完全ではない。
畏怖の叫び:A+
生物としての本能的な畏怖を抱かせる咆哮。敵全体に恐怖、防御低下、呪い状態などを付与する。アバターも使用可能。
異形:EX
生みの親にも嫌悪されたほどの、吐き気を催す醜悪な異形。出会った者を恐怖させ、狂気を吹き込む。アバターならまだしも、その本体を直視した者は常人なら狂死する。
復讐者:B
棄て虐げる者への復讐者として、恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。周囲からの敵意や恐怖を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちに力へと変化する。被攻撃時に魔力を回復させる。
忘却補正:B
復讐者は英雄にあらず、忌まわしきものとして埋もれていく存在である。人は多くを忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。忘却の彼方、奈落の底より襲い来る攻撃は、正規の英雄に対するクリティカル効果を強化させる。
【宝具】
『奈落監視す百手巨人(ヘカトンケイル・アイガイオン)』
ランク:A 種別:対己宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
京都盆地の膨大な地下水を媒体として現界している、己の本体。あまりの神秘さに宝具としても存在し得る。百本の触腕、百の眼球を具えた悍ましい巨大頭足類。大きさは水の量によって変化するが、現状では触腕一本が長さ数十メートル(伸ばせばそれ以上)に及び、巨人というよりは「怪獣」という言葉がふさわしい。舞台となる場所に海があれば、そこからほぼ無尽蔵の魔力を吸い上げさらに巨大化することも可能であったが、生憎京都は内陸なのでこういう形になった。水を操る様々な術を持ち、泥から醜い矮人や頭足類を造り、アバターとして操ることも出来る。岩石を纏って貝殻とすることも可能。触腕・触手を伸ばして標的を捕まえ、霊体をも溶かす強酸性の体液で消化する。消化液は触手からも出る。
【Weapon】
己そのもの。百本ある触腕の一振りで市街地を薙ぎ払い、ビルを投げつけ、地震を起こし、体液で全てを溶かす。アバターたちが「畏怖の叫び」をコーラスするだけでえらいことになる。
【怪物背景】
ギリシア神話(ホメロスの『イリアス』、ヘシオドスの『神統記』、アポロドロスの『ギリシア神話』など)に登場する、原初の巨人族ヘカトンケイレスのひとり。天空神ウラノスと、大地母神ガイアの子。その名は「強い者」を意味し、兄弟にコットス(殴る者)、ギュエス(曲がった者)がいる。この三者は百(ヘカトン)の手(ケイル)と五十の頭を持つ途方もない巨人で、その醜悪さを嫌った父ウラノスにより、単眼巨人族キュクロペス共々タルタロス(地獄)に封じ込められた。ガイアはこれを恨みに思い、我が子クロノスにウラノスを去勢させた。だがクロノスはヘカトンケイレスらを解放しなかったので、ガイアはやはり不満に思い、クロノスの子ゼウスを唆した。ゼウスは自らタルタロスに下ると、ヘカトンケイレスやキュクロペスを解放して味方につけ、父が率いるティターン神族を滅ぼして、世界の支配者の座についた。この時ヘカトンケイレスは山の如き大岩を一度に百ずつ(三体いるので三百ずつ)持ち上げては投げつけ、大いに戦功をあげたという。
ゼウスはティターン神族の多くをタルタロスへ投げ入れ、キュクロペスは神々の鍛冶屋として働かせたが、ヘカトンケイレスはタルタロスへ戻った。彼らはもはや囚人ではなく、ティターン神族を見張る役目を与えられ、看守としてタルタロスに棲み着いたのである。そのためギガントマキアやテューポーンとの戦いには参戦していない。カリマコスの『デロス讃歌』では「ブリアレオスは神々に逆らい、エトナ山に埋められた」とするが、多くの神話ではこれは巨人エンケラドスやテューポーンの最期である(類似性はあろう)。
ゼウスら神々も恩人である彼らには敬意を払っており、世界の果てのオケアノス(海洋)の上に館を与えて棲まわせた。またブリアレオスは(比較的)美しかったので、ポセイドンは娘キュモポレイア(波に流離うもの)を娶らせた。またポセイドンがヘラやアポロンらと結託し、ゼウスを鎖で縛り付けた際、ヘカトンケイレスがゼウスを救出したという。パウサニアスの『ギリシア案内記』によると、ブリアレオスはコリントスにおける神々の領地争いを仲裁し、コリントス地峡をポセイドンの、アクロコリントスをヘリオスの聖域にするよう提案したとされる。このようにブリアレオスは海と関係が深く、アイガイオン(エーゲ海の神)と呼ばれることもある。神々はブリアレオス、人類はアイガイオンと呼ぶともされる。ロドスのアポロニオスは「彼はガイアと海神ポントスの子であり、エウボイア島周辺の海を支配し、軍艦を発明し、ポセイドンと敵対した」と記しており、オウィディウスらは「海の神」であるとした。
インド神話においても、無数の腕を持つ巨人アスラ族は神々の敵対者であり、須弥山から追放されて海中に住み、水神ヴァルナ(ウラノス?)が彼らを支配するという。深淵……海……巨人……多くの手……もうおわかりだろう。彼らは大いなるクトゥrアイエエエ!?窓に!窓に!
【サーヴァントとしての願い】
この島国を我がものとする。それぐらいよかろう。
【方針】
マスターやアバターたちに地上を見張らせつつ、下水道や河川、地下水脈や霊脈に触肢を伸ばし、風水都市として名高い京都の魔力を少しずつ吸い上げる。マンホール、溝、井戸、川辺、池、便所、蛇口。水さえあれば、思いもよらぬ場所から触手が伸びる。一気に食ってはつまらぬ。お八つをつまむように、少しずつ。マスターでもサーヴァントでも、ひょい、ぱくり。変なものを食わぬよう気はつける。飽きたらこの街を大地震で潰し、他の主従を全滅させる。
◆
【マスター】
ねずみ男@墓場鬼太郎、ゲゲゲの鬼太郎
【Weapon・能力・技能】
『悪臭・不潔』
極めて不潔な男であり、体臭・口臭・放屁は武器を超えて兵器に匹敵する。口から息を吹けば10m先の蝿を落下させ、人間をバタバタと失神させる。ボロ布めいた衣服を被せられたり放屁を嗅いだりすれば、強力な妖怪でも臭さで発狂・失神し、人間なら心臓発作で即死しかねない。またインキンタムシを患う皮膚を掻くとパラパラと粉が落ち、これに触れると漆のようにかぶれる。
『歯』
ねずみならではの丈夫な歯。壁をも食い破ることが出来る。
『ビンタ』
強烈な往復ビンタ。ビビビビビと音を発する。
『妖力』
半妖怪とはいえそこそこ妖力があり、多少の妖術を使うことが可能。また半妖怪ゆえ、純粋な妖怪には有害な攻撃が半減・無効になる場合がある。
【人物背景】
水木しげる『墓場鬼太郎』『ゲゲゲの鬼太郎』などに登場する半妖怪。皆様御存知ビビビのねずみ男。宇野重吉に並ぶ名脇役。身長160cm体重49kg、年齢は約360歳。鬼太郎とは腐れ縁の悪友であり、カネとオンナに目がなく、いつもろくなことをしでかさないトリックスター。CVは大塚周夫(1-2期&墓場)、富山敬(3期)、千葉繁(4期)、高木渉(5期)、大塚明夫(妖怪ウォッチ)、古川登志夫(6期)。実写版では竹中直人、うえだ峻、大泉洋などが演じた。あまりにも有名なので詳しい解説はしない。
【ロール】
ホームレス。現代社会に適応して働けなくもないのだが、長続きはしない。他者に寄生して最低限度の生活を維持することは出来る。
【マスターとしての願い】
考え中。富か、名声か、それとも愛か……。おお、バラ色の未来!
【方針】
バーサーカー大先生にイケニエを捧げる。とにかく大船に乗ったつもり。敵が無差別に襲ってきたら、下水道に逃げ込んで守ってもらう。
【把握手段・参戦時期】
いつもの(おおむね漫画版の)彼である。Wikipediaとかをご覧下さい。
◆◆◆
『アラビアの夜の種族』を読んでいたら文体が伝染った。おれはガキの頃に水木しげるの妖怪文庫とか読んで育ったのでこんな有様だ。怪異は怖いが興味もひく。ブリアレオスは個人的に独自解釈していったらルルイエと繋がってしまった。気に入ったのでエピロワにも出したが、倒しようがないのでステージギミックみたいになった。YHVHとかクトゥルフとかだってゲームでは倒せるが、倒せてしまうと人の子は調子に乗るので、絶対倒せない方が存在の格を保つにはいい。ねずみ男はアニメではそれぞれキャラが違うが、ここでは原作のを持って来た。おれはこういうトリックスター野郎がすきだ。6期の古川ねずみもなかなかいいな。
【続く】