自分を好きでいることと自分を愛することは違う
数日前、2歳の頃から知っている友人とお酒を飲んだ。自分を愛するということについて話題になった。友人は「自分のことを大好きでいる能力に長けている」らしい。だから、自分を愛するということを改めてする必要性が全くないという。
だけど、ふと思った。好きでいることと愛することは違うんじゃないかって。「好き」は状態で「愛する」は行動。自分を好きでいることと、自分を愛することは違う。自分のことを好きな人は、案外多いかもしれない。だけど、自分のことを愛している人はそのうちのどれくらいいるだろう。自分のことを愛していますか?と聞かれると、自分のことを好きな人は「はい」と答える。でも実際どうやって愛しているかを聞くと、言葉に詰まる人が多いと思う。
人を愛するっていうのはどういうことか。それは人によって違うかもしれない。たとえば、相手のことを考えること。感謝や労いの言葉をかけること。美味しいものを一緒に食べたいと思うこと。お花を贈ること。辛い時に支えてあげること。好きを伝えること。
こういうことをすべて自分に対しても行うのが、自分を愛するということなのだと思う。だとすると、実際に自分に対して自分を愛する行動をしている人はどれくらいいるだろう。自分を好きでいることも素晴らしい。だけど、自分を愛することができたらもっと素晴らしい。好きは嫌いに変わる時もある。だから不安定だと思う。好きでいるだけでは自己中心的でもある。自分を愛することは一見自己中心的に見えるかもしれないけど、自分を愛で満たすことで他者へも愛を放出できるから、ただ「好き」でいるより他者貢献的だとも思う。