推理と心理戦が交錯する。『邪悪催眠師』周浩暉(阿井幸作訳)
読みだしたらとまらない、一気読みのミステリー。物語の舞台は中国の架空の都市、龍州市。私が今まで読んだことのない、独特の世界が展開します。冒頭はそれほど中国、中国していなくて物語に入り込みやすいけど、だんだん中国味が増していく展開も好感度大。
物語は、怪事件が連続発生して始まります。男が突然、ゾンビのように通行人の顔に噛みつきだしたと思ったら、続いてハトのようにビルから飛び立ち、死亡する男も出てきます。この小説の主人公、龍州市の公安局刑事隊長の羅飛(ルオ・フェイ)は、これらの