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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#読書記録

世界史知識をアップデート。『帝国で読み解く近現代史』岡本隆司、君塚直隆

近代中国史・近代アジア史の専門家とイギリス政治外交史・ヨーロッパ国際政治史の専門家のお二…

夕遊
9日前
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中国の盗掘アドベンチャー『盗墓筆記1』南派三叔(光吉さくら、ワンチャイ訳)

以前、中国の友達におもしろいドラマだと紹介された『盗墓筆記』。でも、予備知識のない私には…

夕遊
2週間前
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祝、復刊!『銀の海 金の大地』氷室冴子

学生時代の私を支えてくれた物語。古代4世紀半ばの畿内が主な舞台で、古事記にある「狭穂毘古…

夕遊
3週間前
32

パワーアップした台湾ローカル色を堪能。『DV8 台北プライベートアイ2』紀蔚然(船…

台湾好きにはたまらない、『台北プライベートアイ』続編。前作は台北が舞台でしたが、今作は淡…

夕遊
4週間前
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中国の人気ミステリーシリーズ原点。『死亡通知書 暗黒者』周浩暉(稲村文吾訳)

先日読んだ『邪悪催眠師』が新鮮でおもしろかったので、こちらの作品も入手。シリーズものらし…

夕遊
1か月前
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香港、華南が育んだグローバル中国語。『広東語の世界』飯田真紀

香港の映画でおなじみの広東語。中国南部の言葉で、東南アジアやアメリカにわたった華僑たちの…

夕遊
1か月前
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推理と心理戦が交錯する。『邪悪催眠師』周浩暉(阿井幸作訳)

読みだしたらとまらない、一気読みのミステリー。物語の舞台は中国の架空の都市、龍州市。私が今まで読んだことのない、独特の世界が展開します。冒頭はそれほど中国、中国していなくて物語に入り込みやすいけど、だんだん中国味が増していく展開も好感度大。 物語は、怪事件が連続発生して始まります。男が突然、ゾンビのように通行人の顔に噛みつきだしたと思ったら、続いてハトのようにビルから飛び立ち、死亡する男も出てきます。この小説の主人公、龍州市の公安局刑事隊長の羅飛(ルオ・フェイ)は、これらの

偉大な中華帝国のリアル運用。『中国ぎらいのための中国史』安田峰俊

日本では、歴史はだいたい、「昔あったこと」。明治維新はよかったけれど、日清・日露戦争を経…

夕遊
1か月前
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心躍る歴史冒険サスペンス。『両京十五日』馬伯庸(齊藤正高、泊功訳)

物語の舞台は中国、明の時代。日本でいうと室町時代ごろ。主人公は有名な永楽帝の孫で、皇太子…

夕遊
3か月前
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テクノロジーと人間味のSF的疾走感。『マン・カインド』藤井太洋

久しぶりに一気読みした小説。さすがの藤井太洋作品です。おもしろすぎて、とまりませんでした…

夕遊
3か月前
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モダン都市東京と台湾の近現代を撮った写真家の物語。『南光』朱和之(中村加代子訳)

この小説は、台湾が日本の植民地だった時代から始まります。主人公は、裕福な客家の家に生まれ…

夕遊
4か月前
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中国社会の暗部に挑む男たち。『検察官の遺言(長夜難明)』紫金陳(大久保洋子訳)

中国ドラマの名作『ロング・ナイト』(沈黙的真相)の原作。私は先にドラマを見ているので、ド…

夕遊
4か月前
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パターンがわかると楽しくなる。『英語の思考法』井上逸兵

日本語も英語も、コミュニケーションには独特のお約束があります。井上先生によれば、ざっくり…

夕遊
4か月前
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ココロとカラダのあいだを行き来する。『自分疲れ』頭木弘樹

以前なら、ちょっと無理しても大丈夫だったのに、今は休みながらでないと仕事が続かない。うっかりすると、すぐ身体のどこかを痛めてしまう。天気が悪いと辛いときがある。怪我したわけでもないのに、指が動かなくなる……ヨガやピラティスに一年以上通ううち、ようやく「そういう年齢になったんだ」と理解できました。遅すぎです。 この本は、何となくしんどいときにも、さらっと読めます。片手サイズで軽くて、ページはめくりやすい程よい厚さと手触り。文字のフォントも行間もいい感じで、文章は個包装だから、