香港を舞台にしたミステリはイギリス風でもある。『13・67』陳浩基
評判は良かったし、なんせ天野健太郎さんの翻訳なので、とても期待して読みました。彼が翻訳する作品なら、絶対おもしろいに決まっています。
主人公は、香港警察の「名探偵」と呼ばれた伝説の刑事クワン。多分、漢字は「関」ですね。香港だと繁体字で「關」。でも、カタカナになっているあたりが、新鮮です。2013年、末期がんで余命僅かな彼のもとに、難事件の捜査で行き詰まった、かつての部下ローがやってきます。
クワンが最後の力で解決しようとした事件。そして、そこからいくつかの短編というか、オ