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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#中国語

香港、華南が育んだグローバル中国語。『広東語の世界』飯田真紀

香港の映画でおなじみの広東語。中国南部の言葉で、東南アジアやアメリカにわたった華僑たちの…

夕遊
1か月前
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今年必読の1冊。『台湾のデモクラシー メディア、選挙、アメリカ』渡辺将人

今年は台湾の選挙イヤー。そのおかげか、昨年、一昨年と台湾関連の良書がたくさん出版されて、…

夕遊
7か月前
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あまりにも台湾的な探偵物語。『台北プライベートアイ』紀蔚然(船山むつみ訳)

最近は、評判のいい中国語の本がガンガン翻訳されて、読むのが追いつかない、嬉しい悲鳴の日々…

夕遊
1年前
41

暑い夏に見る中国ドラマ『バーニング・アイス』(無証之罪)2017年。

中国ドラマ『バッド・キッズ』、『ロング・ナイト』と続いた紫金陳原作の三部作ドラマ。最後は…

夕遊
1年前
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あたたかな終幕。『天官賜福』6巻、墨香銅臭

『天官賜福』の台湾版(平心出版)6巻は、第114章からラストまで。外伝もあります。いやあも…

夕遊
1年前
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つながる想い。『天官賜福』5巻、墨香銅臭

『天官賜福』台湾版(平心出版)の5巻は、第91章から113章まで。先が気になりすぎて、久しぶ…

夕遊
1年前
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神官も鬼も人がなる。『天官賜福』4巻、墨香銅臭

『天官賜福』の台湾版(平心出版)4巻は、第68章から90章まで。噂では、4巻は3巻よりも地獄みがすごくて、つらいということだったのですが、私的にはすごく好み。いろんな神官と鬼の過去の因縁が読み応えありました。これだけ多彩で悲劇的な人間関係を、複雑に重ねられる作者には尊敬しかありません。 以下、自分の備忘録も兼ねて、4巻までの人間関係をまとめるので、ネタバレがいやな方はご遠慮ください。 ■ まず、確認。2巻で出てきた仙楽の皇城のいい家の娘(永安人にさらわれた)が、1巻の鬼

楽しすぎる中国語の世界。『SNSで学ぶ推し活はかどる中国語』はちこ

『中華オタク用語辞典』がすごくよかった、はちこさんの待望の(!?)続編。待ちに待った『SN…

夕遊
1年前
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スーパーすぎる語学習得エピソード集『語学の天才まで1億光年』高野秀行

大好きな高野秀行さんのアドベンチャー・ノンフィクションは数多く。『アヘン王国潜入記』、『…

夕遊
1年前
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”金枝玉葉”でせつない『天官賜福』3巻、墨香銅臭

『天官賜福』日本語訳2巻の続きがになり過ぎて、入手した台湾版の3巻(第40章から67章まで)…

夕遊
1年前
79

古代の中国語や日本語なんかとくらべてみる。『中国語とはどのような言語か』橋本陽介

誰でも知っている中国語、你好(ニーハオ)。你(ニー)は「あなた」という意味ですが、古代の…

夕遊
2年前
49

台湾の本好きたちの奮闘記。『台湾書店百年の物語:書店から見える台湾』台湾独立書店…

真実は細部に宿るという言葉が、ぴったりの1冊。日本植民地時代から、国民党による独裁の戒厳…

夕遊
2年前
30

三国志、キングダム、宮廷美女の時代劇。『戦乱中国の英雄たち』佐藤信弥

最近、中華ドラマを見ています。毎日があまりにも暑すぎて、体力が落ちたので、ちょっと休憩(…

夕遊
2年前
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香港を舞台にしたミステリはイギリス風でもある。『13・67』陳浩基

評判は良かったし、なんせ天野健太郎さんの翻訳なので、とても期待して読みました。彼が翻訳する作品なら、絶対おもしろいに決まっています。 主人公は、香港警察の「名探偵」と呼ばれた伝説の刑事クワン。多分、漢字は「関」ですね。香港だと繁体字で「關」。でも、カタカナになっているあたりが、新鮮です。2013年、末期がんで余命僅かな彼のもとに、難事件の捜査で行き詰まった、かつての部下ローがやってきます。 クワンが最後の力で解決しようとした事件。そして、そこからいくつかの短編というか、オ