5年ぶりのスリランカ一人旅 Day2-2 ぼったくりに遭う
ぼったくりに遭う
道端で声をかけてきた青年が言う。「向こうで今、暴動があって警察と争っていて皆逃げてきているよ。
観光客はわからないと思うから、君の安全のために伝えるんだ、急いでここから避難した方がいいよ」
一方通行の道で車は当然こっちに向かっているけれど、5年前のテロの件もあるし、国の経済破綻もあるから要素はないとは言えない。
それならここから移動した方がいいのかなと思ったら、青年が私についてくる。
彼は自分のことを「シャンカ」と名乗り、近くの銀行のカウンターで働いていると言った。
そして、通りかかったトゥクトゥクに乗って避難した方がいいと言われ、まんまと彼とそのトゥクトゥクに乗ってしまったのが、私の悲劇の始まりだった。
皆さんは私が旅慣れていると思っているかもしれないが、私ぐらい現地の小悪党にカモにされた経験が豊富な気弱な日本人はいない。
鴨、葱どころか鍋まで背負っているのが私だと胸を張って言える。
そもそも「知らない人について行ってはいけない」という小さな子どもでも知っている当たり前の禁忌を何度も破っているからそういうことになるのだ。
いつの間にか、大きな祭りがあるからと言われ2軒の仏教寺院に連れていかれた。
どちらも今日行こうと思っていた寺院で、入場料はシャンカが払った。
大きな祭りなど当然なく、そこで仏像に手を合わせるシャンカの横で、「どうかこいつにぼったくられませんように」と祈っている自分がいた。
寺のショップに連れていかれそうになった。
ドライバーも間違いなくグルだ。
「もう嫌だ!一人で帰る」と言った場所がまずかった。
通行人の少ない緑がうっそうとした公園の入口。
人気のない場所で、ドライバーとシャンカの二人の男に詰め寄られ、命を取られるくらいならと20,000ルピー約11,000円)をぼったくられた。
公園にずんずん入っていく私の背中にシャンカが更に追い打ちをかける。
「案内してあげたんだから、お金ちょうだいよ、寺の入場料、僕が払ったんだよ」
「頼んでないし!」
と振り切って逃げた。
早く人の多いところへ行きたかった。
どう対応するべきだったのか考えてみた
かなり痛いけど、自分の甘さを知らされた勉強料なのだと思うしかない。
反省点としては、そもそも知らない人について行ったのが良くない。
そして、男二人に詰め寄られたときに、警察に電話するか、大使館に電話すればよかった。
財布の中身を横から盗み見られたのがまずかったので、小銭だけ持っていればよかった。
あとは、シャンカに
「あなたが誘ったんだから当然あなたが払うべきでしょう?銀行勤務なんだから」
と言えばよかった。
私はいつでも売られた喧嘩は尻尾を巻いてすぐに逃げてしまう性格があるし、命を奪われるくらいなら金で解決しようと思ってしまう。
いずれにしても騙された私が悪い。
次から気をつけるしかない。
その後は一人でヒンズー教寺院や、ダッチホスピタルに行き、ランプライスというボリューミーなランチとビールで腹を満たし、ゴールフェイスグリーンなどを徒歩で回り、PickMeというスリランカの配車アプリでトゥクトゥクを呼んでバスターミナルまで戻った。300ルピー(約163円)
スリランカの配車アプリPickMeを使ってみた
PickMeはとても便利。
スリランカの携帯番号が必要になるので、空港でSIMカード購入は必須になる。
クレジットカードの登録もでき、カード決済もできるみたいだが、私のカードはエラーになってしまい、結局現金払いとなった。
基本的に記載された金額での支払いとなり、チップの金額も自分で決められるのだが、現金で支払うと細かいおつりはくれないことが多いという。
どうせおつりをくれないなら次からはチップ0で極力細かいお金で渡すことにしよう。
騙されたことを嬉々としてみんなに語るアホは私ぐらいしかいるまい。
旅行記のネタになったのでもう忘れよう…。忘れないけど。
私は後悔というものを人生で一度もしたことがないので、後悔という感覚がいまひとつよくわからない。
反省はする。次回に活かすために。
自分がした選択で出来事は起きている。
一瞬の小さな選択が大きな人生のボタンをかけ違えることもあるが、誰のせいでもなく、すべては自分が決めたことだもの。
バスターミナルでハイウェイバスを探すと、
「ハイウェイバスはもう終わった!」
と言われて、ローカルバスでてくてくニゴンボのバスターミナルまで戻ってきた。
チャミンダの迎えで宿に戻ったが、ぼったくられたことはチャミンダにもドゥルシャンにも言わなかった。