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殆どのビジネスパーソンに教養はいらない

昨今のビジネス界隈では、「教養」がムーブである。本屋に行ったら、「教養としての⚪︎⚪︎」というタイトルの本をよく見かける。私は、このようなタイトルの本は大抵面白くないと決めつけているので、この手の本を読むことはない。

昨今のビジネスパーソンは教養を身につけるべきだという風潮に関して、『ファスト教養』という本が良くまとまっている。

教養を身につけることで仕事ができるようになるのか?全く意味がないことはないだろうが、圧倒的多数のビジネスパーソンは教養を身につける前に、目の前の仕事に必要な知識を身につけることを優先すべきだと思う。

例えば、経営者だったり、海外で仕事したりする人は、教養を身につけることで役に立つ場面も多いだろう。ただ、そんな立場のビジネスパーソンが一体何人いるのだろうか?大抵のビジネスパーソンは、教養の前に仕事に関する知識を身につけるべきだと思う。例えば、自動車部品メーカーの営業に従事している人がいるとしよう。その人が学ぶべきことは、歴史や地理ではなく、自動車部品の製造方法、原材料となる金属の特性、自動車の機構、自動車の歴史、自動車業界を取り巻く環境についてである。

教養は一朝一夕で身につくものではない。効果が現れるまで長い時間を要する。それならば、即効性のある勉強をする方が良い。

別に歴史や地理を学ぶことは良くないと言っているのではない。自分の好奇心に基づいて、歴史や地理を学ぶことは人生を豊かにするだろう。「仕事のため」という目的を掲げて学ぶことが適切ではないのだ。

将来、経営に関わる立場や、海外を飛び回る仕事に就いたときに、仕事ができるようになるために、今のうちから教養を身につけておくべきだ、という考え方は一理ある。ただし、それはあくまで自分の仕事に関する専門知識を深く理解していることが大前提だ。そして、その域に達するまで出世するビジネスパーソンがどれくれいいるのだろうか?自分は出世するんだと意気込む人は、ぜひ教養を身につけるべく勉強すればよろしい。ただし、それには相当の犠牲を払う必要がある。趣味を諦めないといけないし、友達とも疎遠になるかもしれない。家族と過ごす時間が減るかもしれない。それでも、あなたは仕事のために教養を身につける努力をするか?

私自身はキャリアや出世に興味をなくしており、少ないストレスで生活に困らない程度のお金が貰えれば、それで良いと考えている。私は仕事のためではなく、自分の知的欲求を満たすために、歴史や地理を学ぼうと思う。

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