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 無人島のふたり〜120日以上生きなくちゃ日記〜 著:山本文緒

 2021年4月、山本文緒さんは突然膵臓がんと診断され、そのとき既にステージは4bだった。治療法はなく、抗がん剤で進行を遅らせることしか手立てはなかった。
 昔と違って副作用は軽くなっていると聞いて臨んだ抗がん剤治療は地獄だった。がんで死ぬより抗がん剤で死んでしまうと思ったほどだ。医師やカウンセラー、そして夫と話し合い、文緒さんは緩和ケアへ進むことを決めた。
 そんな2021年5月からの日記です。

 168ページ10月4日までの日記になっている。薬や食欲の減退や、体のむくみ、腹水などに耐えながら軽井沢の自宅で夫に支えられながら、終活に挑む文緒さんの事が書かれている。最後は朦朧とした所を日記に書いて終わりだった。

 抗がん剤治療を辞めて正解だったと思う。WHOはコロナの事もあり信用の失墜した機関だが、WHOが抗がん剤治療に否定的である。抗がん剤治療など日本でしか行われていない。そして120日は生きたし、『ばにらさま』が発売するのも自分で迎えられた事が何よりだった。苦しんでより長く生きるかよりも緩和ケアに進んで看護師や医師に往診してもらいながら自宅で永眠されたようだ。

 文緒さん、最後まで山本文緒さんだったなぁ。本名はあけみさんって言うんだっけか。もう一冊買った『残されたつぶやき』も早く読みたい。作家魂の最後の日記、拝読させて頂きました。カフェが好きで漫画や小説が大好きだった文緒さん。東京オリンピックの開会と閉会を横目にしながらだんだん身体の自由が効かなくなって行くのに、この日記だけは書き続けてたなんて涙物ですたい。

 安らかにお眠り下さい。R.I.P山本文緒さん


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