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 残されたつぶやき 著:山本文緒

 エッセイの部分はほんの50ページぐらいだった。そこから、電子媒体で書かれた文緒さんの日記がずーっと収録されてる。mixiに書いてた日記とか、年が最近になって来るとnoteで書かれた日記とかになっている。

 文緒さん、日記魔だから自分の生活切り売りしてどこまでも見せてくれていた。でも、掃除したとかお弁当作ったとか、原稿の仕事したとか本当に毎日は地味な生活だったようだ。それをもうお亡くなりになってるとわかってるのに、日々の残像を読み進めるのは悲しい、侘しい、切ない、虚しい。

 作家がカッコいいと思ったのも漫画を読んでだったようだ。受賞の言葉にもあるが、小説を楽しく書いている事は余り無いと言う。それほど、産みの苦しみがあってもがいてもがいて書いて書いて直して直して、出版に行き着くようだ。

 文緒さんの本でまだ読んでないのは『ひとり上手の結婚』と言う共著とコバルト文庫時代の本だ。日の目を見たコンクールに応募した『プレミアム・プールの日々』と言う作品を読んでみたいのと、コバルト文庫時代の連作まで追って読もうかと思案している。

 最後に年表がまとめてあった。それを読んで旧姓や通った小学校、中学校、高校までわかった。神奈川大学の経済学部出身だった事も。OL時代とされてるが立派な証券会社に就職してたみたいだ。それを振り払って作家の道を極めるまで、そして襲いかかった病魔に伏せるまで、本当、一人の女性を通して多くを学んだ気がする。

 山本文緒さんだけでなく、死後、このような本をまとめてくれた出版の方にもお礼を言いたい。

 ありがとうございました。そして安らかに。

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