失格社員
江上剛のフィクションなんだけど、実際に銀行業界界隈でありそうな短編集。”汝XXするなかれ”とサラリーマンとしてのタブー集みたいな。笑える話、ちょっとイイハナシダナーと思える話、自分も気をつけなければと思える話等々、気楽に読める。著者自身が元銀行マンなので、銀行の描写はリアルなんだろうなぁ。人事部の権限が強かったり、上に行くほど権力が強くなり、自分の出世を気にして上司に媚びへつらったり。今どきのIT系とは全然違う気がするけど、どうなんだろうか。
最後のあとがきにかえての文章が秀逸。お客様のために動けと。会社の為に働くなと。会社なんて実体がある様で無い様なものなので、その通り。社名のブランドを作り出すのも社員だし、そのブランドを汚すのも社員だし、結局個人に何かをしてくれる物でもないし。ブランドを使って同じ場で働く人達と、ブランドを信頼して発注してくれるお客様の為に努力をしないとね。上に向かって働いていても仕方ないからね。
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