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踊りを放棄した単語たち
したたるように枡の底
白濁した人形と共に近所の火事に
きっぱりとしたドレスコード
通路の左右には点々と生け花が怯えて
何か撫でたいと思った錯覚
死んだ触覚を手繰り「こおり」と言う
温い湯、あえて混ぜて渦の中心に指
コーヒーだった名残り

川沿いを上流へ
脱いだ下着を探すように
ストッキングの記憶は曖昧
踏切で4分待つ
自分のありかが一瞬よぎった
下ろしたての服で古いラーメン屋
賽の出た目で食べるものを決められた
今年に入ってから堕胎してない
どうせ中和して終わる円陣

ヒールをスニーカーに変えて
田舎道を鼻で笑って探索
性交はどこでしたか、覚えてないのはいつも
ヴィトンのバッグで蠢くハンカチ
引越の挨拶で貰った
罪の意識はあるけど忘れる
不条理と言う長い演劇
カルーアミルクとオーダーして笑われ
まだぬいぐるみが手放せない

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