名詞

捻ったうなじを肩甲骨と共に超越する
可動域はカタルシスと分かたれているか
文脈は主語のない大道芸
凪ている海を窓外に見て自分を認識する
先天的に穿たれた素粒子を大事にして
バランスを取れ、小さなボールの上で
あなたの眼は魚眼なのか
一度に挨拶できる相手は何人かを答えよ

束ねた水を次々に投げる遊びに飽きて
日が沈むかも知れない方角に丸を描く
盗聴はされても気に病まない小鳥
原子 素粒子 量子 見えない子らを抱く
血が赤いのは用途に応じてではなく不可欠だから
君に見えるものが本当だなんて
言った覚えはまったくない
川と呼ばなければ川はないのに

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