「正しい努力」が大切。サッカー選手を目指した学生時代、リクルート、スタートアップ、ドバイでの起業を経て得た気づき
株式会社Wunderbar(ヴンダーバー)の戦略設計を推進してきた伊藤は、これまでにサッカー日本代表を目指したりドバイ法人を設立したりしてきた異色のキャリアの持ち主。
さらに新卒で入った株式会社リクルートでは、日本で一番リクナビを販売し、ギネスを更新するなど確かな実力を持ち合わせています。
彼はどんな人生を歩んできて、どのようにWunderbarに出会ったのでしょうか。今回は伊藤に、これまでのキャリアとWunderbarにジョインした経緯について語ってもらいました。
プロサッカー選手への道を諦め、挫折を経験
ー 学生時代はどのように過ごされていましたか?
小学生から大学卒業まではずっとサッカー一筋で、プロを目指していました。子どもの頃に朝から晩まで働くサラリーマンの父の姿を見て、「サラリーマンにはなりたくないな」と思っていたんです。だからサッカーがめちゃくちゃ好きだったというよりは、サラリーマンにならないための手段として、プロのサッカー選手を目指していました。
プロになるために友達との遊びや学業よりもサッカーを優先しましたし、最大限の努力をしたという自負はあったんですけど、結果は伴わなくて。かと言って、自分より活躍している選手や実際にプロになった選手が自分より努力をしているかというと、そうではなかったんですよ。
ー そこで挫折を味わったんですね。
そのときに世の中には「正しい努力」と「間違った努力」があって、正しい努力をしないと世界で活躍するプレイヤーにはなれないのだと知り、盛大に挫折を味わいました。
また、サッカーだと「もっと努力したい」と思っても、どうしてもフィジカル的な制限があるんですよね。実際に、僕は練習しすぎて両足の疲労骨折や、体幹を鍛えすぎて腹筋を肉離れしたこともあって。
そんな経験から、フィジカル的な制限がなく、正しい努力を考え続ければビジネスの世界の方が勝率が高いなと思いビジネスの世界に行くことを決めました。
プロのサッカー選手を諦めても「サラリーマンになりたくない」という考えは変わっていなかったので、起業するしかないと考え、大学の教授に「将来起業するためにはどの企業に入るのが近道ですか」と聞き、教えてもらった株式会社リクルートに入社しました。
「正しい努力」で歴代ギネス記録を更新するビジネスマンに
ー 新卒で入社したリクルートでは「リクナビ」の販売数1位を達成し、歴代ギネス記録を更新したそうですね。サッカーと同様、相当の努力をされたのでしょうか。
学生時代にサッカーを頑張っていたときは、「戦略なくコンセプトを決めて努力しまくる」だけでした。テクニックが重要と考えたら、とにかくボールタッチを磨く。スピードが重要だと考えたらとにかくスピードが速くなるためのトレーニングをしまくる。といった具合にがむしゃらでした。
でもそれが間違った努力だと気づき、社会人になってからは「そもそも何をやるべきか」というイシューの設定に時間を割くようにしました。それからは、誰よりも高い成果が出ましたし、働く時間も周りに比べ短く、1番生産性が高かったんです。
営業で言えば、まず商材の競合優位性は何か。強みの的を絞り、「その強みと課題を紐づけるための仕組みは何か?」をイシューに設定。
提供価値と感じる顧客セグメントの整理、課題を顕在化させるためのありたい姿を定義できるディスカッションペーパーの作成と、イシューから逆算しタスクを実行するイメージです。
ー まさに「正しい努力」を実践されたんですね。その後Recustomer株式会社(旧ANVIE)に転職された経緯を聞かせてください。
リクルートで販売数1位を獲得した後、燃え尽き症候群になってしまい、かつ、そもそも起業するためにリクルートに入ったのにこのまま営業してて起業の勝率は上がるんだっけ?と思っていました。
そんなときに友人を通じて、柴田(Recustomer 代表)と知り合ったんです。彼の会社の話を聞いたとき、世界線が違いすぎて、「起業するなら0に近いフェーズで働いた方がいい」とパラダイムシフトが起きました。
それからブロックチェーンの事業で一緒に一兆円のビジネスを作ろうという話になり、「それが実現できるなら一人でやらなくてもいいや」とも思ったんですよね。
柴田とはそれぞれの哲学を共有したときに似ている部分もあったので、自分と同じような意思決定をしてくれるのではないかと思い、入社することにしました。そして入社後に、当時Recustomerのメンバーだった長尾(Wunderbar CEO)に出会ったんです。
ー Recustomerではどんな経験を得ましたか?
入社前に考えていたブロックチェーンのプロダクトの構想は、早すぎたこともありVCから資金もうまく集められず、入って、すぐになくなってしまったんです。メンバーもすでに多くいたこともあって資金繰りとの戦いが始まりました。
とりあえず会社の売り上げを立てるために、売れそうなWeb系のものをとにかく売るという感じでした。入社時は、Webリテラシーがほぼなかったので、とにかく長尾について行きながら、いろいろ学ばさせてもらってました。
Webリテラシーがほぼ0のスタートだったんですが、1ヶ月後には数百万の受注ができるようになって、「やってみるのが、一番早い」という、なんとかなる精神を学びました。
ドバイ法人設立の経験を経てWunderbarへ
ー RecustomerのCOOを退任後、ドバイ法人を創業されたんですね。
やっぱり自分の中に「起業したい」「1兆円規模を前提にしたビジネスに挑戦してみたい」という思いがあって、起業することにしました。
また、これまでの経験からマーケットの平衡感覚が一定ついてきて、1兆円企業を目指すなら、ビッグウェーブに乗ることが必須。そのビッグウェーブを誰よりもうまく乗りこなすというのが鍵だと思ったんです。ちょうどその時Web3の波が来ていました。
いろいろと奔走し、10名ほどのメンバーを組成し、ドバイに移住手続きを済ませ、様々な人に恵まれ、ビックウェーブに乗れた気がしていました。
しかし、グローバルでWeb3で戦うためには、高度なエンジニアリングや、金融リテラシー、数学の知見、英語が必要な世界で。僕はどの知識もなく、Web3は少数精鋭のプロジェクトで何千億を動かすビジネスだったので、全く戦力になりませんでした……。最終的にCOOとCEOを交代し、私は帰国することになりました。
これまで、なんとかなる精神でやってきて、ビックウェーブに乗ることしか考えていなかったんですが、この業界では勝負できない。なんとかならないものもあるということを学び、
また盛大に挫折しました(笑)。
ー 帰国してからWunderbarに入るまでの経緯を聞かせてください。
ドバイから帰国後、疲労困憊な状態でもあったので、親や知り合いに借金をしながら、1ヶ月ほどニートをしていたのですが、長尾から声をかけられてWunderbarにジョインすることになりました。ドバイに行く前や滞在中にも声をかけられていたんですけど、ずっと断っていて。
でも長尾には旧ANVIE時代にすごくお世話になっていたのと、これからサービスが立ち上がるフェーズ。これまでの経験を生かして恩返しの気持ちでジョインを決めました。
今回はこれまでサービスの立ち上げ・戦略を担ってきた伊藤に、これまでのバックグラウンドを赤裸々に語ってもらいました。
挫折を経験しながらも着実にビジネススキルや貴重な経験を身につけ、さらなる挑戦を目指す伊藤。
次回は伊藤に、IPビジネスの動向や今後の展望について伺います。
また、Wunderbarでは「自らを超越し、世界を沸かせ(Going beyond yourself)」というミッションを軸に、IPの力で多くの人に笑ってもらえる、驚いてもらえる世界を一緒に作りたい人を募集しています!
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