こんにちは、わたねこです。
今回は『かけ算の順序問題』についてです。
1.かけ算の順序問題とは
この『かけ算の順序問題』についてはTwitterでも常に論争が起きていて、終息する日は一生来ないと思っている。
「自分の意見が一番正しい」という主張を通すこと(≒証明すること)が目的になっている人が一部存在することと、揚げてもない足を取ろうと躍起になってすぐに💩リプ投げる人も一部存在することと、相手の立場を勝手に決めつける人も一部存在することと、相手の話を全て否定したがる人(≒それに快感を覚える人)が一部存在するからだ。
それに加えて、それぞれの主張の根拠や背景がみんなバラバラであるにも関わらず、相手の意見の根拠や背景に対して全くと言っていいほどに興味がない人がほとんど(という印象)なのだ。
彼らの言う「子どもがかわいそう」「子どものために」という目標設定が本当なら、様々な立場の様々な意見を取り入れて子どもにとっての最適解を見つけるのが良いと思うのだけれど、なぜそうならないのか……。
というような内容を、だいぶマイルドにしてツイートしてみたつもりなんだけどなぁ。
2.私の考え(ざっくり)
子どもたちや教育関係の話になると熱くなってしまう私の悪い癖が出て、全然トゲを隠せていない……ということが冷静な今なら分かるのだけど……お察しの通り、まーーーーーた💩が飛んできた。そして、中には「一理あるな」って思うリプもあったけど、ほぼすべてのリプや引用RTが「憎き、順序固定派めぇえええええええ」という内容だった。
つまり「順序固定派」の方々からも、そちら側だと思われていたってことだよね。だから、そちら側からは💩が飛んでこない。
……そうそう!!!!
そうなんですよ。
どの派閥(?)にも💩投げ選手が存在する。
会話をするための言語力(コミュ力とも言える)がなくて見るに堪えないものも本当に存在するので、興味があるかたはTwitterで「かけ算順序」と検索をかけてみると良い。
……ところでさ??????
いつ、私が「順序を固定しろ」と言った??????
目の前の子どもが混乱しないことだけが正義だと思っている。
ただし、小学校学習指導要領がある限りは、教育現場にはある程度の制約があることや、かけ算を習う2年生の脳の発達のことを考えると、順序があった方が対応しやすい場面の方が多いのが現実ではないのかな、とは思っている。それが良いとか悪いとかを言いたいのではなく、そういう現実があるのは事実だってことを言いたい!かな。
だからと言って、順序に従わなかったらすべてバツ!とは思っていないし、計算することにおいてはどっちでも良いし、とにかく目の前の子どもが一番納得できる形がベスト。
ちなみに、ひっくり返せる式が存在することも知っている。
一見、矛盾して見えるかもしれないのだけど、そう感じる人にこそ、このnoteは読んでいただけたら嬉しい。
学校のテストで式をかかせる意味だとか、中学校に入ったとたんに算数だけが5教科の中で唯一「数学」と教科名が変わる意味とか……。そういう諸々の前提条件を含めてTwitterで140字でやり取りをする(定期的に💩が飛んでくる)のはエネルギー消費が激しいので、今回のnoteにすべてまとめることにした。
3.このnoteについて
まず最初に、サクッといくつか参考文献を示そうと思う。公的な文章はお堅いので、ちょっと補足や私見も挟みつつ。そして、改めてこの問題についての自分の思考を整理する良い機会にしようと思う。
そして、私のツイートに対して飛んできたリプや引用RTにすべて答えていこうと思っている。(2023.06.25 現在までのリプ&引用RT・気まぐれに随時更新)あれこれ言われっぱなしも癪だし、反対意見などをきっかけにして自身の考えをさらに掘り下げられる可能性もあるので、文字にしておきたいという自己満足。故に、表立って公開したりはしない。
何度も申し上げてきた通り、中には💩も含まれるので、善良な市民が誤って💩を踏んでしまわぬように……という思いもある。という訳で、お返事部分のみ有料にすることにした。
……とは言っても、そもそも私と本気で議論をすることで何らかの答えに辿りつこうとしている人はほぼいない印象なので、とくに問題もないと思っている。
ちなみに!
Twitterに飛んで探せば該当ツイート(リプや引用RT)にもたどり着けるとは思うが、「誰が発言しているか」は今回はとくに重要でないことや、ツイート削除されても文章が残せるメリットなどから、該当ツイートはnote上ではすべて匿名で載せていく。
【追記 2023.06.26】
小学2年生関連以外のリプも飛んでまいりまして(まだ有料部分に載せていない)、それは別枠にしようかな……。ちょっと長くなりそう。
さてさて、では本題。
4.参考資料や文献
①「学習指導要領」
「学習指導要領には法的基準性がある旨の判断が示され」ているのです。つまり、この学習指導要領に基づいて授業を組み立てるのが基本ってことです。お国がそう決めているの。
というわけで、学習指導要領を読んでいない時点で『かけ算の順序問題』に口出しする権利はないと思っているのが私の意見。
そして、読んだ上で変更すべき点を指摘したいなら、まずは博士号をとって論文を書くことが有効だと思われる。それで結果どうなるかはわからないけれど、Twitter上でつぶやいているよりはずっと懸命なはずだ。
という訳で、学習指導要領を改めて読み込んでいくとする。まずは、算数が中学に上がったとたんに数学と教科名が変わる理由を見ていこう。
②算数の目的
『日常の事象』とある。つまり、『具体的な事象』『言葉で表現できるもの』を数理的に捉えて見通しをもって筋道立てて考察する」ということだ。
では、数学はどうだろう。
③数学の目的
『日常』という文字が消えた。つまり、具体的な事象でなくなったのだ。この違いは大きい。
算数では、問題を読んだときに脳内で事象をイメージできることが前提となる。また、以下を見てほしい。
小学校と中学校の「国語」と「算数/数学」の授業時数を見比べてみてほしい。
小学校の国語の合計時間は、1,461時間。
小学校の算数の合計時間は、1,011時間。
その差は、450時間。
中学校の国語と数学の合計時間は、共に385時間。
また、べつの見方もできるので、それも示しておく。
言語能力が急激に発達するのは、10歳をむかえる小学4年生と言われている。その後の小学5年生からは、中学校の3年間と合わせた5年間で国語と算数(数学)の合計時間が同じになっている。ちなみに、735時間。
では、小学4年生までの4年間の合計を見てみよう。
国語が、1,111時間。
算数が、661時間。
4年間で1,111時間ある国語は、その後の5年間では735時間なので(その差は376時間)いかに国語教育が重視されているか見て取れる。
また、さらに分けて小学1・2年生の2年間と3・4年生の2年間でも考察してみると、低学年においては国語教育が中心であることがより一層色濃く反映されている。
小学1・2年生の国語は621時間、算数は311時間。
小学3・4年生の国語は490時間、算数は350時間。
ちなみに、国語の教科目標は以下の通り。
日本語の使い方を練習中の低学年、先生側の伝え方はかなり繊細な課題であることは間違いない。
ここで、脳の発達についても触れておこうと思う。
④具体的思考と抽象的思考
小学2年生は、具体にイメージできたことをもとに理解していく年齢だということです。そして、それを言語化したり図に表したりながら伝えあって、イメージを共有しあうという発達段階にあたるということです。
さて、いよいよ『かけ算』について。
⑤指導要領のかけ算についての記述
「かけ算の意味を理解し、用いられる場合について知ること。そして、用いられる場面を式に表したり、式を読み取ったりすること。」これが習得できるような指導が望ましいのだ、と書かれていますね。
そして、ご存じの方もいらっしゃるかもしれないのですが、学習指導要領には『解説』というものも存在していて、もっとかみ砕いて掘り下げて説明されています。そちらも確認しておきましょう。
⚠️学習指導要領の解説について⚠️
⑥指導要領の解説
⑦指導要領の解説(ア 知識及び技能)
つまり……
立式する際には
(一つ分の大きさ)×(幾つ分)=(幾つ 分かに当たる大きさ)
という言葉で表せる式にしましょうね!ということ。
かけ算は、一つ分の大きさの幾つ分かに当たる大きさを求めるときに使いますよ!ということ。
その上で、計算上は交換法則に基づいてひっくり返してOKだよね!ということ。
ちなみに、『上記の学習指導要領(平成29年告示)解説』にあえて補足するなら、こうだ。
補足的に書こうと思っていたのに、完全に口語になっちまった。まぁ、いいか。ここまできて正直ちょっと疲れてきた。
学校のテストで式を書かせるのは、このかけ算の意味(または使う場面)をきちんと理解し、脳内で整理して(一つ分の大きさ)×(幾つ分)=(幾つ 分かに当たる大きさ)に当てはまる形で立式できるか?を問うためなのです。
つまり、かけ算の文章問題は「これは、何のいくつ分ですか?」と問うものであり、式でもって「〇の、△つ分です」と答える問題ということ。
授業で説明されたことがテストの採点基準になるべきなので、学校のテストにおいて順序固定は最もだという認識。ただし、固定することの意味や重要性の理解と意識ができている先生がどの程度いるのかは、正直ちょっと疑問かな……。
私はかけ算の授業の際に必ず、保護者様宛にお知らせしています。「かけ算を使う場面を通して、かけ算の意味を理解させるねらいがあります。」と。そして、「日本語の能力も鍛えている最中であり、具体的なイメージでもって様々な日常的な事象を理解していく年齢のため、まずは問題文を読んで『〇〇のいくつ分』という言葉の式を立てられるようにしましょう。」と。
さらに塾では、「学校でも、そのように指導されているはずです。学校のテストで式を書かせるのは、それを理解しているかを見るためです。だから、式を書くときは順序に気を付けるようお子さんにお伝えください。もちろん、計算上はどちらでも良いです。苦手な7の段はひっくり返してもOKですからね!そのことについても本日の授業で理解しているはずですが、知識として定着するまでには少し時間のかかるお子さまもいるので、しばらく見守って差し上げてくださいね」と。
ちなみに、英語圏では立式が逆だ。(ヘッダー参照)
やっぱり、立式って言語の影響が大きいのだね。
つまりは「まずは言葉の式をつくろうぜ」って流れが、低学年の教育のベースにはあるってことなのだと私は認識している。
さて、さらに詳しい解説も見てみましょう。
順序固定の最大のメリットはここにあると思う。
同じイメージ(〇〇のいくつ分)を共有して、友だちと問題を出し合ったりもできるから。友だちと一緒に遊ぶようにかけ算に触れることは、思考力を育てるし、学びにもなるからぜひぜひやらせたいとも思う。実際、そういう授業をしている先生も多いのではなかろうか。
また、日本語で書かれた文章から内容を読み取るのが国語で、数字と記号で書かれた式を読み取るのが算数だとも言えるのではないかと私は思っている。
ちなみに、小学4年生の面積については「縦×横」でも「横×縦」でも良いとされています。これについては、図形をどこからみるかで縦と横が入れ替わるから。
これをあえてかけ算の式に当てはめるなら「4平方センチメートルの5つ分」でも「5平方センチメートルの4つ分」でも同じだよね、ってこと。
だから、結果的にひっくり返せる式もある。それは事実。
だからこそ、小学2年生の式をかかせるタイプの文章題は、脳内イメージが人によって変わってしまうような問題はないはずなんです。
さて、これ以降は一応参考までに載せ解こうかな……という感じ。
⑧指導要領の解説(イ 思考力,判断力,表現力等)
ここまで引用文が多いとはいえ12,442字。
ここまで脱落せずに読み進めてくれた猛者は存在するのだろうか……。
これ以降は、有料の閲覧注意区域となる。
これは完全なる自己満足であり、私だって人間なんだぞ!ちょっとは傷つくんだぞ!という想いを消化するための儀式みたいなものである。(だから、読まないで欲しい!振りではない。)
とは言っても、ここまで書いてきて結構なエネルギーを使ってしまったので、正直な話をすると少々面倒な気分にもなってきた……。笑。
けど、まぁ、行ってみよう。
一気に全部は無理かもだから、ちょこちょこ休みながら行きます。(どうでもいいな。というか、ここまで残っている猛者がそもそもいない説w)
5.お返事&💩掃除
問題のツイートはこちらだ。
今回のnoteをもって、私の中ではかけ算順序問題についての発信はおしまいにする所存だ。やり切った感がすごい。
とは言え、また新しい流れがあったら熱を帯びた感じで発信してしまうかも……?気をつけなきゃ。
さて、まずはリプから行ってみるとする。
ちなみに、当たり前ですけど有料部分の無断転載禁止ですからね。
というかそもそもここまでたどり着いている猛者が(3回目
本来であれば、リプは丁寧に返したいところなのだけど、およそキャッチさせる気のないボールを投げてくる人もいるので、もう普通に口語でいくやで。
➡リプ