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ファニーゲーム

なんちゅう不愉快な映画(褒めてる)。序盤からす〜ごい嫌な気持ちにさせられた(褒めてる)。
写真のコイツ、顔見るだけで嫌悪感が蘇ってくる。もう1人更にとんでもないヤツが出てくる。今までどんなに胸糞悪いと言われる映画でも楽しめていたけど、これはちょっと違うようだ。作品を観てこんな嫌な気持ちになったのは初めてかもしれない。

とは言ったものの、映画そのものはよく出来ていて素晴らしかったと思う。時折カメラ目線でこちらに話しかけてきたり、巻き戻されるシーンがあったり、当てつけのようにわざとステレオタイプな予想を裏切ってきたり、居心地の悪い音楽の使い方だったり。初めはあの不愉快な2人にイライラしてたのが、段々と作り手側の意図が分かってきて眉をひそめた。でも、そこが本当に巧みで他とは一味も二味も違った作品になっている所が魅力的。監督のミヒャエル・ハネケは『憤慨させるために作った』と語っているそう。はい、まんまとドツボにハマりました。

それからキャストの演技力が半端なかった。まずあの不愉快な2人。もう顔を見るのも正直嫌んなるけど、それだけ役にハマっていたということだもんね。本編の最後は、ヤツの内の1人のカメラ目線ドアップで終わる。暫くその静止画が続く。本当にけしからん。最後まで向こうの思惑通りに憤慨する私(笑)あとはお母さん役の方。辛い思いが全身から溢れ出していて、こちらまで疲弊してしまった。もう見ていられないくらいに。素晴らしい演技だった。

ミヒャエル・ハネケ作品はピアニストも観てみたいと思っている。主演がELLEのイザベル・ユペールなのも楽しみ。

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