
今さら聞けない”コラーゲン”の話
多くの化粧品に配合されている美容成分「コラーゲン」ですが、みなさんはその効能を正しく理解できていますか?「なんとなくわかったつもりでいたけど、実は詳しく知らない…」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、化粧品マーケティングに携わる上で必ず知っておきたい「コラーゲン」について、基礎から説明していきます!
1. コラーゲンとは?
1-1. コラーゲンの働き
コラーゲンは、骨や皮膚、内臓や血管など私たち人間や動物のカラダを形成するのに、欠かすことのできないタンパク質の一種です。私たちのカラダは約20%がタンパク質で出来ており、そのタンパク質の1/3をコラーゲンが占めています。コラーゲンは細胞と細胞を結び付けたり、酸素や栄養を供給したり、私たちのカラダを形成していくうえでとても大切な働きをしています。
1-2. コラーゲンの種類
現在、コラーゲンは分かっているもので約30 種類確認されており、発見した順番に「I 型」「II 型」「III 型」……と、名前が付いています。人間のカラダには「I 型」が一番多く存在し、皮膚や骨、腱などにもっとも多く含まれます。また、「II 型」は軟骨に多く含まれ、コラーゲンはそれぞれの用途に合った働きをしています。

2. 動物性コラーゲンと海洋性コラーゲン
様々な種類のあるコラーゲンですが、由来となる生物によって2つに分類することが出来ます。1つは牛すじや豚足、手羽先などに含まれる動物性コラーゲン。もう1つは魚などに含まれる海洋性コラーゲンです。化粧品に携わる上では、体内での吸収率や熱への耐性など、両者の特徴の違いを知っておく必要があります。
2-1. 動物性コラーゲンの特徴
動物性コラーゲンは昔からあるコラーゲンの1つで、熱に強く加工が簡単なため、ゼラチンや化粧品など多くの商品に活用されています。使いやすい反面、独特なニオイや脂肪が含まれるため純度が低く、高カロリーといった難点があります。
また、牛や豚の体温は37~ 38 度であるため、体温が平均36 度前後である人間の体内では、動物性コラーゲンは消化が遅く、吸収にも少し時間がかかります。
国内で、化粧品の原材料に利用されている動物性由来コラーゲンは以下の通りです。
牛の皮・骨
豚の皮
鶏の軟骨・足
コラーゲンの種類との対応としては、原材料の動物の部分により作ることのできるコラーゲンの種類は変化します(例:II型コラーゲンは軟骨から作ることができる)。
2-2. 海洋性コラーゲンの特徴
海洋性コラーゲンは、動物性コラーゲンと比べて体内での吸収率が高く、またニオイも少ないのが特徴です。しかし、熱には弱く、熱を加えるとコラーゲンの分子構造が乱れやすいという難点もあります。
なお、魚の体温は8~9度であるため、体温が36度前後である人間の体内では、海洋性コラーゲンは消化されやすく、吸収率は動物性コラーゲンの約7倍とも言われています。
海洋性コラーゲンの原材料には、魚の骨や皮が使われています。海洋性コラーゲンから作り出すことのできるコラーゲンはI型コラーゲンとV型コラーゲンです。
3. コラーゲンの役割
カラダのタンパク質のうち1/3 をコラーゲンが占めている分、コラーゲンは多くの組織と関わりをもっています。肌はもちろん、骨や関節、腱や血管、歯や内臓などいたるところに存在し、肌では弾力やハリ、骨では強度や密度、血管ではしなやかさを保つなど、カラダを形成していくうえで、重要な役割を担っており、コラーゲンがいかにカラダを支えることに必要なものかが分かります。

4. コラーゲンの効果
4-1. 化粧品に含まれるコラーゲン
よくある勘違いとして、化粧品に配合されたコラーゲンがそのまま皮膚のコラーゲンになると考える方もいますが、そのようなことはありません。
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