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子どもにも大人にもおすすめの絵本・児童書 10選

ページをめくるたびにいろいろな場所に連れてってくれるし、さりげなく笑顔にしてくれる。そんな絵本や児童書が今でも大好き。
今日は、私が大人になった今でも大好きな作品を、厳選して10冊、紹介していきたいと思います。

お子様と読むのも、大人一人で読むのもオススメです。

絵本や児童書は、子どもたちのためだけのものじゃないのです。子どもたちのために、そして大きくなったその子たちのために、私たちのためにみんなのために、そこに変わらずいてくれる。ぜひ、手に取ってみてください。

1.『魔術師キャッツ』 T.S.エリオット 文、エロール・ル・カイン 絵、たむらりゅういち 訳

ミュージカル「キャッツ」の原作詩集が絵本になりました。魔法猫ミスター・ミストフェリーズのお話と、悪ガキ猫のマンゴとランプルのお話。

詩集やミュージカルとはまた違った空気が漂っていて、読んでいてワクワクします。庭によく遊びに来る猫たちの中に似ている猫を見つけると、あら、今日はミストフェリーズが来たわ、なんて言ってみたり。昼に読んでも夜に読んでも、何気ない1日を素敵に飾り立ててくれる1冊。

ネコのダンスに見とれていたら、詩人になれるかしら。いま、ネコのおかげで、今世紀最大の詩人は、ウエストミンスター寺院でやすらかに眠っている。(「訳者あとがき」より)

2.『くまとやまねこ』 湯本香樹実 文、酒井駒子 絵

酒井駒子さんの白黒の絵とともに、物語は、悲しい場面から始まります。くまは、やまねこと出会ったことで、少しずつ前を向きはじめて…。

読み進めていくと、あることに気づきます。ただかわいくて楽しいだけじゃない絵本。いつ読んでも、はっとさせられます。死への向き合い方や生き方を、押し付けずに、考えるきっかけをくれる1冊。白黒なのに温度を感じる絵と、優しく何かを教えてくれる物語。

「くまくん、きみのもってるきれいな箱のなかをみせてくれたら、ぼくもみせてあげるよ」 くまはちょっとまよいましたが、箱をあけました。


3.『わたし おてつだいねこ』 竹下文子 文、鈴木まもる 絵

子どもたちを学校へ、だんなさんを会社へ送り出したあと、家のことにおおいそがしのおばさんのもとに、突然、しましまねこが訪ねてきます。おてつだいさんとして働かせてほしいというのです。おばさんはねこさんにお願いすることにしたのですが…。

母から譲り受けた絵本です。祖父の平屋の家が大好きで、その家は区画整理でもうなくなってしまったのですが、この絵本はその家からもらってきたもの。あの家の空気をたっぷり吸いこんでるこの本は私にとって宝物です。ねこさんがかわいくて、読みながらずっとにこにこしてしまいます。一生懸命なねこさんが巻き起こすドタバタがなぜだか愛しく思えてくる。だれかと一緒って、いいものですね。

「あのう、はじめは、もうちょっとは大きかったんです。中までよくやけたかどうか、あじみをしてたら、だんだん小さくなったんです。しゃけって、やくと小さくなるんですね。」

4.『まめまめくん』 デヴィッド・カリ 文、セバスチャン・ムーラン 絵、ふしみみさを 訳

まめつぶみたいにちいさなおとこのこ、まめまめくん。まめまめくんはなんでもできるおとこのこ。けれど、小学校に行くようになってから…。

大人になってから、ある本屋さんで出会った絵本。かわいらしいイラストに惹かれて手に取ってみると、とてもあたたかくて勇気をもらえるお話だった。迷わず家に連れ帰って何度も読んだ。落ち込んだとき、私なんか…って思う前にこの絵本を開く。魔法のお薬みたいな存在です。

えっ、まめまめくんの しごとは なあに、だって? ふふふ、 あてたら えらい。 それはね……


5.『赤毛のアン』 モンゴメリ 作、村岡花子 訳

赤毛のアンシリーズの1作目。孤児だったアンは、手違いでグリン・ゲイブルズの老兄弟に引き取られることに。始めは戸惑っていた老兄弟も、元気でちょっぴりおしゃべりが過ぎるけれど優しいアンを次第に受け入れ、3人で暮らしていくことになります。美しい自然の中で繰り広げられるアンの成長物語。

劇団四季ミュージカルや映画にもなっている作品。映画やミュージカル、小説、どれを通してみても、やっぱりアンはチャーミングでキュートで。アンの発する言葉ひとつひとつが素敵で。いつからか、アンという少女の魅力にとりつかれていました。読んでいると、自然豊かな風景やアンの笑顔が自然と浮かんでくる、愛にあふれた小説。

「ああ、マリラ、すぐに行っていい?―お皿を洗わないでかまわない?帰ってきたら洗うから。こんなわくわくするときに、とてもお皿洗いなんて現実的なことに、しばりつけられてはいられないんですもの」 「いいから、いいから、走っておいで」

6.『緑色のうさぎの話』 道尾秀介 文、半崎真朗 絵

ミステリー小説の印象が強い道尾秀介さんの絵本。17歳の頃に書いていた物語だそう。みんなと違う色をした緑色のうさぎのお話。今日もひとりぼっちのうさぎだったけれど…。

初めて読んだとき、衝撃的でした。よくあるお話のようで、その先を見せる絵本。ひとりだけ違う緑色のうさぎと白いうさぎたちのお話。今読み返しても、深く考えさせられて胸が痛くなります。このお話は全ての人に読んでほしい。

うさぎは よるが すきでした。 じぶんの いろを みんな わからないからでした。

7.『Mouse Count』 Ellen Stoll Walsh 作

英語の絵本です。ネズミたちは蛇に見つからないように気を付けていたけれど、みんなで眠くなって寝てしまって…

小学生の頃に、仲の良かった年上のお姉さんからもらいました。簡単な英語で書かれていて、数を数えていく場面もあるので知育絵本としても一役かってくれそうです。ネズミたちが知恵を絞る姿にも注目。ただの数え絵本ではなく、ストーリーや教えがあるのもこの絵本の魅力です。

"Eight…nine...ten . " "Ten mice are enough . Now I am going to eat you up , little , warm , and tasty ," said the snake .       "Wait," 

8.『ドリトル先生アフリカゆき』 ヒュー・ロフティング 作、井伏鱒二 訳

ドリトル先生シリーズの1作目。動物と話のできる名医ドリトル先生のお話。1作目では、サルたちを疫病から救うために仲間たちとアフリカに向かって航海に出ます。

子どもの頃に、面白いから読んでみなさいと母が買ってくれた文庫本を今でも持っています。子どもの頃は気に留めてなかったけれど、井伏鱒二さんが翻訳していたのか…。そして、石井桃子さんの「ドリトル先生物語について」が収録されている。もう一度じっくり読み返してみよう。石井桃子さんも井伏鱒二さんも知らなかった子どもの頃とはまた違った見え方があるかもしれない。最近、イラストレーターのももろさんが挿絵を描いた新訳が角川文庫から出たみたいで、そちらも気になります。

本文中の不適当と思われる表現を最小限改めつつ原作をそのままの形で刊行してきました。その理由は、第三者が故人の作品の根幹に手を加えることは、著作人格権の問題をこえて、現在の人権や差別問題を考えていく上で決して適切な態度とは思えないこと、古典的な文化遺産をまもっていく責務を負う出版社として、賢明ではないと考えるからです。(「読者のみなさまへ」より)

9.『長くつ下のピッピ』 アストリッド・リンドグレーン 作、イングリッド・ヴァン・ニイマン 絵、菱木晃子 訳

サルの二ルソンさんと馬と一緒にごたごた荘で暮らす世界一強い女の子、ピッピ。はちゃめちゃだけど、まっすぐ元気いっぱいなピッピが大活躍。お隣のトミーとアニカとピクニックをしたり、サーカスで大暴れしちゃったり。いつでも全力で楽しむことを知ってるピッピに元気をもらえる1冊。

小学生の頃、図書館のおすすめコーナーにあって夢中になって読んだ。図書館に通うたびに読んでた。借りたら1週間で返さなくてはいけないから…と、なぜか借りずに図書館内で読んでた記憶がある。ない時はがっかりしたっけ。借りればいいのに…と今は思う。2018年に「長くつ下のピッピ展」を観に行き、そこで新しいハードカバー本を購入した。今は、自分の好きな時にいつでも読み返せる。ピッピがすぐそばにいる。暇さえあればピッピに会いに行ってます。ピッピのおかげで、スウェーデンに行く目標もできた。展覧会に行ったら、リンドグレーンの力強い言葉をいくつも知ることができた。いつでも私の道しるべになってくれる、強い味方。

「ママは天使で、パパは南の島の王さま。こんなすてきな親をもっている子どもは、そうめったにいないのよ」


10.『イッツ・ア・スモールワールド みんなとなりどうし』 アーサー・ビナード 日本語詞、ジョーイ・チョウ 絵

ディズニーランドの「イッツ・ア・スモールワールド」のテーマソングが絵本に。せかいじゅうどこだって笑いあり涙あり、という聞きなれた日本語詞ではない、あたらしい日本語詞をポップなイラストと一緒に楽しめる絵本。

ディズニーランドのお土産屋さんで購入しました。小さい頃はイッツ・ア・スモールワールドが怖くて苦手だったけど、今は大好き。イラストの色使いがとてもかわいくて、素敵なことばがたくさん詰まった絵本。

みんなの おひさまも ひとつ ぽっきり にこにこ にっこりは ともだちってこと


※グレーアウトの部分は、私の印象に残っている部分を引用しています。

いかがでしたか?気になる作品があったらぜひ読んでみてください。

私は絵本や児童書を選ぶときは、直感を大切にしています。表紙を見て好き!と思ったり、2~3ページめくってみて次のページをめくりたくなったり、そういうときは迷わずに自宅の本棚に追加します。こういう気分だな、こういうお話が読みたいな、というのが具体的にあるときには、書店員さんに聞いてみます。ちょっと前に書店に行ったときは、カレーのお話の絵本ありますか?なんて聞いてみたことも。

一日でも早く、本屋さんに行きたいな。そんなことを思いながら、家でのんびり好きな本たちを読み返そうと思います。

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