【生成AIで激変?】あなたは高卒の方が給料が高くても大学進学を勧めますか?
こんにちは、ひらっちです。最近はすっかり梅雨モードですね。僕が住んでいるところも、昨日の夜からずっと雨模様。今日は小雨の間に少しだけ農作業をして、あとはライター関係の事務をしています。
週末の間にもう少し外作業ができると良かったんですが…。まあ、天気ばかりは仕方がないですね。「世の中には、自分ではどうしようもないことがたくさんある」。農業から学んだ大切な教訓の一つです。
<いつものように簡単な自己紹介です>
僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。
このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。
現在、『マイナビ農業』で不定期連載中。ご興味のある方はぜひご覧ください(^^♪
■高卒人材、どうやら引く手あまたの状況のようです
あらためまして、ひらっちです。今日は「お金」「生涯賃金」「教育」あたりをテーマに書いてみたいと思います。
普段から新聞を読むというビジネスパーソンの方はご覧になられたかもしれませんが、6月28日の日経新聞の朝刊1面にこんな記事が載っておりました。
記事によると、いろんな業界で「高卒人材」の需要が高まってきているとのこと。2025年度の採用計画数は、2024年度実績に比べて高卒が19.9%増、大卒が15.6%増。高卒・大卒の伸び率が逆転したのは1998年度以来で、実に27年ぶりのことだそうです。
大卒者だってもちろん欲しいけれど、高卒者の方こそ喉から手が出るほど採用したい。そんな企業の本音が現れた数字と言えそうですね。
このnoteでは以前からお伝えしていますが、僕はライターとしていろんな企業の採用担当者と頻繁にお話ししています。そのなかでここ数年、耳にすることが非常に多くなっているのが「高卒の新入社員が全然採用できない」という深刻な悩みです。
特に工業高校で学んできた学生には、ものすごい勢いで求人が集まっているらしく、1人に対して10社以上の求人があることもザラとのこと。誰もが知るような大手企業が根こそぎ刈り取っていくので、それなりの規模の中堅企業クラスでも採用に苦慮しているんだそうな。
そんな「超売り手市場」ということもあってか、先ほどご紹介した記事の中では、2021年からの給与の伸び率を見てみると、高卒(4.9%増)が大卒(4.5%増)を上回っているそうです。
こうなってくると、今後はますます「生涯賃金が高いから大学に行った方がいいよ」という論法が、高校生たちの人生の選択をミスリードする害悪になっていく感じがします。
■高卒者の方が大卒者よりも生涯賃金が高くなる?
このnoteでは、半年くらい前にこんな記事をアップしました。
詳しく知りたい方は、ぜひ過去記事をご覧いただければと思いますが、ざっくり内容をお伝えすると「大学に進学しなかった分の学費と4年分の給与を投資に回すと、大卒の生涯賃金よりもむしろ上回るんじゃね?」というお話でした。
つまり「大卒の方が生涯賃金が高いから大学に行く」という進学理由は、あんまり意味がないよね」ということ。ただ、生成AIが急速に発達する今、さらなるパラダイムシフトが生じそうな気がしています。
ここらへんでやっとタイトル回収になりますが、そもそも投資なんてしなくても、「高卒者の方が大卒者よりも生涯賃金が高い」という未来がやってくるかもしれないのです。
「いやいや、さすがにそれはないでしょ…」と感じた人もいるかもしれませんが、よーく考えてみてください。
生成AIは、ホワイトカラーの仕事の多くを代替する可能性が指摘されています。これまでは一般論として、下記のような図式が成り立っていました。
ところが、今後も生成AIが発達すると、こんな未来がやってくる可能性が高くなります。
すぐさまドラスティックな変化が生じるわけではないと思いますが、生成AIの発達によりブルーカラーの需要が相対的に増し、少しずつ逆転現象が起きてくるはず。
ホワイトカラーの仕事の大半が消失すれば、大卒者がブルーカラーに流れることになるわけですが、ブルーカラーは現場経験がモノを言うケースが多く、高卒で早期から熟練度を上げてきた人の方が生産性が高くなる可能性が高い。そうなれば「同じ年齢で比べると高卒者の方が給料が高い」という未来がやってきても全然おかしくはありません。
高卒者の方が、大卒者よりも生涯賃金が高い。現時点ではあくまで可能性の話ではありますが、そんな未来がやってきた時、日本の高等教育はどう変わっているのか? なかなか興味深いものがあります。
■まとめ
「大学っていらなくね?」というフレーズはすでに使い古されていると思いますが、生成AIの登場によって、その存在意義が根底から揺らいでいるのは事実。20年後くらいには、もはや大半の大学が「超高額なカルチャースクール」と化しているかもしれません。
もちろん「数百万の借金をして、純粋な学び(趣味)の時間を追求するんだ!」という方を止めるつもりはないし、そんな自由な学びを謳歌できる国であったらいいなと思います。ただ、果たして地盤沈下が続く衰退国・日本に、そんな余裕がある人がどれほどいるのか。
先日、30歳くらいの社会人と会話する機会があったのですが、「大学院まで進み、400万円以上の奨学金を返しながら、学生時代の研究とは全く違う分野で働いている」という話を聞きました。
毎月3万円を返済しても、完済までに11年以上かかる計算になります。24歳で就職し、支払いが終わるのは35歳。金利があるならもっと長くなる。本人は納得しているんだろうけど、「もう少しいい選択があったのでは?」と思うとなんだか悲しくなります。
高校生の段階でそこまで考えるのは難しいけどね。でもせめて、未来ある若者たちに「大学進学だけでなく、いろんな選択肢があるし、同じように幸せな人生は切り拓けるんだよ!」と提示してあげられる大人になりたいものです。
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