勇気はいかに回復されるのか
『勇気はいかに回復されるのか』アドラー著、岸見一郎訳
この本の題名に、こころを動かされ、本を手に取った。
時にひとは、一歩を踏み出す勇気がなくなる。失敗したらどうしよう、周りから、なにか言われたらいやだ。おとなしく身を隠した方が安全だ。
いつの間にか、流されるままに生きている内に、人は勇気を挫かれる。
勇気を挫かれたことにも、気が付かないままに。まずは、自分の課題に気づくことから、はじまる。課題に気づきはじめれば、道は開きはじめる。
課題がわかると、意識的にも、無意識的にも、解決に向かう。ラス(RAS)が働らき始めるからだ。ラスとは、脳のフィルターシステムのこと。ひとは見たいものしかみていない。見ようと思っていることは、無意識的に見えるようになってくるのだ。
そしていつしか、勇気を出したい瞬間が訪れる。何らかの、他の人からの一言だったり、後押しだったりするものだ。
私もカウンセリングの現場で、この勇気の回復の瞬間を目の当たりにすることがある。それはとっても楽しい瞬間で、この瞬間に出会えるからこそ、この仕事をやめられないのかもしれない。