テストで分からない「賢さ」
こんにちは。あすぺるがーるです。
突然ですが、「賢さ」って何だと思いますか?
どれだけの知識を持っているか。
どれぐらいの技能を持っているか。
持っている知識や技能を、どれだけ上手く利用できるか。
そんなようなことを連想された方が多いと思います。
確かにそれらも、「賢さ」の一部と言って差し支えないでしょう。
しかし、それだけが「賢さ」ではないのです。
今日は、そんな「賢さ」のうちの一つ、Intellectual humilityについて紹介しようと思います。
この言葉には、日本語訳がありません。
そして、この言葉について説明している日本語の文献も、私が探せる範囲では無いに等しいです。
そのため、今回の記事の参考文献は全編英語です。
How ‘Intellectual Humility’ Can Make You a Better Person
読解の質は──あまり期待しないでください(笑)
Intellectual humilityとは
Intellectual humilityをあえて訳すなら「知識に対する謙虚さ」といったところでしょうか。
自分の知らない、新しい事柄の存在を恐れないこと。
そして、知らない事柄を積極的に吸収しようとする態度。
それが、Intellectual humilityです。
Google社の元人事トップであるラスズロ・ボック氏は、入社希望者に最も求められる資質の一つに、このIntellectual humilityを挙げています。
彼が言うには、Intellectual humilityを持っていない人は「学ぶことができない」そうです。
Intellectual humilityと知能の関係
Intellectual humilityの高さは、知能の高さとはほとんど関係がありません。
IQが高くても、Intellectual humilityがない人もいます。
なぜなら、IQが高いと「自分は既に、この世の全てのものごとを知っている」と思い込んでしまいがちだからです。
このような人は、新しいことを学び、自分の知識の量や質を増やすことを疎かにしてしまいます。
そのため、Intellectual humilityがあるとはいえません。
逆にIQが低いと、「自分は頭が悪いから、新しいことを学べるわけがない」と思い込んでしまいがちです。
これらの fixed mind-set ──固定概念は、IQの高さに関係なく、Intellectual humilityを下げてしまう原因になります。
Intellectual humilityを高くするには
Intellectual humilityは、テストで測ることができるようなものではありません。
そのためか上げ方もどこか、根性論的な印象が私にはあります。
それでも、上げる方法が全く無いわけではありません。
ここに、Intellectual humilityを上げるための2つのアイデアを、参考文献と私見をもとに挙げておこうと思います。
自分の知識は世界の全てではない
あなたが今知っていることは、世界中の物事のほんの一部に過ぎません。
「群盲象を評す」という言葉があります。
ある都市の王が、宮殿に生まれつき盲目の人たちを集めて、象を触らせました 。
ひとりには象の鼻を、ひとりには象の足を、ひとりには象のしっぽをと、象の一部だけを触らせて、「では、象とはどんなものか言ってみよ」と命じたのです 。
するとひとりは、「犂の長柄のようなものです 」と答え、ひとりは「石柱のようなものです 」と答え、ひとりは「箒のようなものです 」と答えました 。
(画像: 群盲象を評す - Wikipedia)
ほかの部分を触った盲人たちも、めいめいに「象とはこんなものだ」と主張して、「お前は間違っている!」と、殴り合いのケンカを始めました 。
その光景を見て、王は大笑いしました 。
(反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」P.675)
王様には、象の全容が見えていました。
だからこそ笑うことができたのです。
象の全容なら、まだ見ることができます。
しかし、世界の全容は誰にも見えません。
世界を知るにおいては、程度の差こそあれど皆「盲人」なのです。
そのため、自分から見えないところは他の人の意見を通してしか分かりません。
そして、他の人の意見を通して分かったことも、その意見を発した人が体験したことの一部に過ぎません。
あなたと異なる意見を聞いて腹が立つたびに、このことを思い返してください。
このことを知らずに意見するより、知って意見をした方が、より前向きで価値のある意見が生まれます。
「学びたさ」に限界はない!
知識を蓄える器の大きさ、俗に言う「知能」には、確かに限界があります。
しかし、「新しいことから学びたい」という欲望に限界はありません。
知能の高さ低さに関係なく「学びたい」という意志を持ち続けることは可能です。
もし先ほどの一節を読み、自分の知識の限界を自覚できたなら、あなたのIntellectual humilityは既に高まっています。
これからも多くの事柄に触れて、Intellectual humilityを高めていってください。
おわりに
Intellectual humilityは「万能の知」のうちの一つだと私は思っています。
たとえ知能を持ち合わせてなくても、知に謙虚であり、かつ知識を吸収しようとする姿勢を持っていれば、一生「賢明」になり続けることができます。
その謙虚さは、あなたにも、その周りの人にも、より充実した人生をもたらしてくれるでしょう。
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