駅【詩作⑰】
今日もそろそろ時間だ
駅で電車が来るのを待つ
今日はちょっと遅い
予定の時間表はちゃんとあるのに
いつもこの電車だけ来る時間がバラバラ
でも朝からちゃんと待ち続けるよまだまだ
私はこれに乗る
だって一番この電車が乗り心地が良いから
あ 電車来た
踏切台からジャンプして飛び込むみたいに急いで いつも乗り込む
でも今日はどうやら怒りっぽい人が乗っててサイアク
「煙が足りない」
近くに中身のありそうな箱が落ちてたから渡した
ひとまず落ち着いたみたい
未だその目付きは鋭い
聞いてみた
「自由が足りない」
そっか
そのままその人はずっと怒ったまんまどこかの駅で降りた
そこはまだ私の降りる駅じゃないから私は降りない
元の乗り心地に戻った
静かな車内に戻った
そのはずなのに
ちょっと嫌な気分
またあの人が乗ってくるんじゃないのかなって
一度降りたんだから
大丈夫だと思うけど
今度は反対にニコニコしてる人が乗ってきた
「いつもありがとう」
私はその人に会ったことがないはずなのにそう言ってきた
「当たり前が当たり前に過ごせる毎日に感謝しているんだ」
聞いてもないのに言ってきた
でもちょっと嬉しいかも
こういうことがあるからこの電車は乗ってて楽しい
その人は私と一緒に終点まで乗っていた
あの怒った人は結局乗って来ることが時々あったけど
すぐ降りていって
最後までずっと笑って 他愛のないことを話して
そのまま終点まで乗っていた