言葉がわからない国の幼稚園で役立たずすぎて泣いてたら性格が変わった
「フィンランドに行ってから性格や考え方など
かわったな〜と思うことはありますか?」
以前オンラインのおしゃべり会でこんな質問をいただいた
答え:かわりました!
ただそれはフィンランドだから
かわったというわけではない
昔、何かの本で読んだことある
何か今の状況から変わりたいのなら
この3つのうちどれかを変えるといい
・付き合う人(周りにいる人)
・住む場所
・働く場所
私は3つ全てが変わった上に
言葉も文化も変わったので
結構大きな変化があったのだと思う
10年のキャリア
フィンランドに行く前は
日本の保育園で
10年以上働いていた
保育の世界では
3年で中堅
10年も働けばベテランになる
毎日のように子どものケンカを仲裁したり
ヤダヤダと泣いている子に対応する
読み聞かせや、行事の準備、保護者対応…
次は自分が何をしたらいいのか
見通しがつく
後輩にも指示を出す
困っているところはサポートする
そんな毎日だった
それがフィンランドに行ってみたら
何をしたらいいかわからない
何もできないのだ!
絵本ひとつ読めない
ケンカしていても止められない
泣いている子に言葉もかけられない
フィンランドの保育園に行ったら
あまりにも無力だった
そんなある日
雪の降る園庭で
私にとって決定的な出来事があった
キャリアが崩れた日
3歳の男の子2人が氷で遊んでいた
そこにもう1人男の子がやってきて
何やら喋っているが
なんだか雲行きが怪しい…
入れてほしいのに
入れてあげないと言っているような雰囲気だ
フィンランド語だからわからないけど
様子を見ていると
その男の子と目が合った
私の方に走ってきて
一生懸命説明するが
私は理解ができない
それでも一生懸命聞いたが
彼も伝わらないと諦めて
遠くにいた別の先生の方へ消えていった
近くにいて
そばで状況を見ていた私より
遠くにいる先生に助けを求めに行った
その事実は
私が今まで積み上げてきたモノが
ガラガラと音を立てて崩れていくような
感覚がした
私がここにいる意味はあるのだろうか?
その日ホストファミリーの家に帰って
フィンランド語の本を開いて
勉強した
何か役に立たなければ私のいる意味はない
でも、役に立つには言葉がわからないとダメだ!
そう思ったのだ
するといつもと様子が違うことに気づいたのか
ホストマザーが何かあったのか聞いてきたのだ
「今日、目の前で子どもが困っていたのに私は何もできなかった
役立たずで本当に子どもにも先生たちにも申し訳ない
だからもっとフィンランド語を勉強しないといけない」
すると彼女はこういった
「あなたがフィンランド語が
できないことはみんなわかってる。
先生も子どもたちも
あなたにフィンランド語ができるようになって
役に立ってほしいわけじゃない。
あなたはそこにいるだけでいいの
何かあった時
今日みたいに誰か大人いるだけで
子どもたちも先生も助かるし
もしそれができなくても
あなたがその保育園にいるだけで
子どもたちにとって
学ぶものはたくさんあるから
役立たずなんかじゃないよ」
泣いた。
いい大人が
ホストマザーに
抱きついて泣いた
あなたはそこにいるだけでいい
誰かにとって役に立つ人間でないと
居場所はないと思っていた
役に立てなくても迷惑を
かけないようにしなければ
いけないと思っていた
だから
あなたはそこにいるだけでいい
そんなことを言われたら
それは人生変わってしまうのだ
それから私は自分が無力であることを受け入れた
ケンカの仲裁はできなくても
何か穏やかでない雰囲気の時は
他の先生に声をかけておくようにした
言葉で通じ合えなくても
絵を一緒に描いたり
折紙を教えたり
一緒にパズルをしたりした
絵本読んでと
膝に乗ってきたら
日本語で堂々と読んだ
すると子ども絵を指差して
フィンランド語を教えてくれた
無力であることを受け入れ
人に助けを求められるようになった
できないことを数えたら
たくさんありすぎて困ってしまうから
できることをやることにした
それが私の
「フィンランドに行ってから性格や考え方など
かわったな〜と思うこと」
の答えだ
yakko
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