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【糸井重里のバス釣りNO.1】心地よきバズベイトの奏で
糸井重里さんってご存知?
ただの釣りが好きな釣具屋の店長だと思っていたんですけど、コピーライターとかMOTHERとかいろいろやっているんですってね。
え、知ってた?常識?
・・・なに笑ってるのよ。
つ、釣りをしたかったんでしょ。
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バス釣りNo.1というタイトル通り、赤星湖を舞台にバスフィッシングを楽しむのがこのゲーム。まずはその流れを追ってみましょう。
最初はグリーンカードからのスタート。名前を登録し各説明を受けます。
初期タックルを貰ったら、まずはゴミ拾い。釣りがしたい?ぬかしおる。
ゴミ拾いキャンペーンに参加してスタート。ゴミを発見したら連打連打。ゴミを掘り起こしてでもゴミを拾い、ゴミくじを引く権利を獲得します。
これを繰り返してゴミくじにひたすら挑戦し、100万円くらいするようなMTBをゲットします。
でないと、移動が大変ですからね。必需品です。
そしてさらにゴミ拾い。釣りがしたい?ぬかしおる。
指の付け根をこれでもかと酷使して根気強くゴミを拾い、ゴミくじで1000万円くらいしそうなカヌーをゲットです。
これがあれば、気兼ねなく湖面からポイントを攻めることができます。必要不可欠ではありませんが、あると便利です。
そしてようやく釣り……に出る前に、まずは糸井さんの店でバズベイトを購入。これがなくちゃはじまらない。
これで準備は万端。ショアトーナメントに参加してスタンプを集めましょう。
こだわりがないなら、近くにあるサーフェースが最適。初期タックルでも40cmを釣り上げる自信があるならサーフェースルール(トップウォーターオンリー)でビッグフィッシュ!が一番早いですよね。
某Mr.のパワーで時間をすすめたら、ついに釣り開始!バズベイトで水面バチャバチャガボガボボッコーンが定番ですが、たまにポッパーでぽこぽこ攻めてみたり。
ショアトーナメントでスタンプと賞金を稼ぎ、リール優先でタックルを充実させてシルバーカードにランクアップ!
ここからはローカルトーナメントで釣り勝負。そしてゴールドカードにランクアップでプロトーナメント、プラチナカードにランクアップで最後の大舞台赤星クラシックドリームトーナメント。
エンディングを迎えると、鉄馬湖という選ばれし者だけが訪れることができるバス釣りスポットに挑戦できます。
……と、プレイ済みの方が振り返るとこんなゲームになるはずです。
ゲームの目的だけを見ればトーナメントで勝利しランクアップを目指しエンディングを迎えるという単純でいて難しいものになりますが、“糸井重里の”と題しているだけあってこのゲームの魅力はそれだけにとどまりません。なんとサテラビューで日本全国の人と戦えるんです!
随所に見られるメタな言い回しは何度遊び直しても飽きませんし、アドバイスこぞうの説明(ルアーのアドバイスや釣りのチュートリアル)はそれだけでなかなか面白いです。ケイタイで聞けるアドバイスは必聴ならぬ必見!
ポイントを探しストラクチャーを攻めてランカーバスを狙う硬派な釣りを楽しめるのはもちろん、難しいことは分からないけど釣ってみたいという人でもご安心を。BAC本部最寄りのBACワンドなど簡単にバスが釣れるポイントもあり、幼稚園児でも楽しんで「いとまきまき」できます。
季節にもよりますが、なかには一度ルアーを投げればもれなくニジマスが釣れるなんていう爆釣ポイントも。所詮外道たががニジマスといえど初期タックルなら引きも十分。ゲーム開始から限界ギリギリのフィッシングを楽しむことができます。大物とのファイトの練習にも最適ですね。
そんなポイントも、また季節が変われば化け物バスの巣窟に……うーん奥が深い。
ボーズ池なんて、よく言ったものです。
見るだけでは釣りをするだけという単調な作業に思えるかもしれませんが、飽きるほどやってもまた遊びたくなる魅力がそこにはあります。
それは釣りにハマってしまう心境に似ているかもしれません。
いや、釣りゲーですからそれは間違ってないですけどね。
一度釣ってみたい。沢山釣りたい。今度は大物を釣ろう。タックルを揃えよう。このルアーを試してみよう。あのポイントはどうだろう。今度は初期タックルでも大物に挑戦だ。全国の人と戦ってみよう。
……釣りという楽しさに終わりなんてないのです。
始めてみたいけどタックルを揃えたり攻略したりなんて面倒だ!やってみたけど難しくて攻略できない!という方でもご安心を。FREE FISHINGモードで遊べばなんと全タックル使い放題・状況も調節し放題!バス釣りがしたいだけというあなたでも好きなだけ自由に釣りを楽しめる親切設計です。
なかなか思うように釣れない…という時も練習やシミュレーションとして利用できます。
色々と書いてきましたが、しょせんスーパーファミコンのゲーム。しかも釣りのゲーム。過去の作品であって今更やるものじゃない……なんて思ってはいませんか?
いやいや!スーパーファミコンと侮るなかれ。ゲームという部分を自虐する一方で、釣りのリアルさは伊達じゃない。どうすれば釣れるか、食いついたらどうアワセるか、抵抗するバスをどう攻略するか……バスとの駆け引きの面白さは決して後発の本格派釣りゲームにも劣りません。
狙い通りに魚がかかるとうれしいものですし、いざ大物がかかるとその緊張感たるや思わず手に汗握ってしまいます。
逃がしてはならない、ラインを切られてはならない、じっくりと敵を弱らせる……ただ巻きでは敵わない大物は、時間をかけて攻略しなければなりません。
ファイトの末弱まった様を確認すればしめしめと巻く力も増します。しかしこちらのものだと余裕を見せたが最後、一瞬の隙を突かれ一気に持って行かれることも。逃がした魚は大きかった……という喪失感たるや、まさにリアルそのもの。大物がかかった手ごたえ、逃がした喪失感を噛みしめながら、またキャストするのです。
そう。バスフィッシングってのはコンジョーのゲーム。釣れなくたってへっちゃらなのです!
バス釣り経験者はもちろん、バス釣り未経験者の幼稚園児でも思わずハマってしまいますよ。
……久しぶりに行ってみようかな、赤星湖に。
2013-09-01公開
#12【糸井重里のバス釣りNO.1】心地よきバズベイトの奏で
あとがき
スーパーファミコンという記事投稿当時ですらレトロゲーの扱いであった時代の釣りゲーでありながら、現在に至るまで他の釣りゲーと一線を画す完成度を誇る究極の一作が糸井重里のバス釣りNO.1です。
どんな釣りゲーを遊んでも、最終的にはこの作品に戻ってしまう。釣りというルーチンの繰り返しと同じように、繰り返し遊んでしまう魅力がこの作品にはあるのですが、これはおそらく体験しないと分からないことでしょう。
いまだに適切に言語化するのが難しいこの魅力は、言ってしまえばまさしく釣りそのものといって差し支えないものなのですが、そんな体験しないと分からない魅力を、なんとか感じてもらえないだろうか、思い出してもらえないだろうか、という願いを込めて執筆した記憶があります。そしてこの記事に意味を持たせるために、もう一つ書いた記事が次の記事です。そちらもあわせてお楽しみください。