![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/132727025/rectangle_large_type_2_a924cd3f463ad970ece2cac41d7e1e19.png?width=1200)
自分の健康は自分で守る(プレゼンティーイズムとアブセンティーイズム)
はじめに(いつも書いてること)
このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。
※「ラクする」というのは、「心身に苦痛などがなく快く安らかに過ごす」という意味で使っている言葉であり、シンプルに「サボる」という意味ではありません。
今回の内容
日本経済新聞にこんな記事がありました。
「プレゼンティーイズム」とは従業員が会社に出勤して仕事をするものの、心身の不調で生産性が低下している状態のことである。欠勤には至っておらず、勤怠管理上は表に出てこない。しかし、心身の不調が労働損失、つまり企業の損失につながることを認識する必要がある。
↓
◆従業員1人あたりの1年間のプレゼンティーイズムによる労働生産性の損失は15%程度。
◆プレゼンティーイズムによる損失は医療費や病欠よりも大きい。
◆企業の健康関連コストのうち、実に6~7割をプレゼンティーイズムが占めるという研究結果もある。
◆プレゼンティーイズムによる労働生産性の低下を測る方法が複数開発されているが、いずれも質問形式で回答者の主観に依存するため客観的な評価が難しい。
→今後より科学的に対応していくためにも、まずはプレゼンティーイズムの存在を認識することが必要だ。
◆会社側の予防策:休みやすい社風や制度を整えることである。
→「安心して休めるように同僚が業務を代替できるようにする」「体調不良をいち早く把握できるように社内コミュニケーションを活発にする」「産業医と連携して原因となる疾患や症状の改善を指導する」など。
◆従業員側の予防策:「規則正しい生活」「睡眠時間の確保」「早めの医療機関での受診」などの。
↓
プレゼンティーイズム対策により、従業員が心身ともに健康な状態で働き、労働生産性を低下させないことは、人口減少に伴う労働力不足が進行する日本において今後ますます重要になる。
仕事に対して熱意があるかどうか。これに深く関連する話だと思います。
そのギャラップ社が全世界1300万人のビジネスパーソンを調査し、導き出したエンゲージメントを測定するたった12の質問が「Q12(キュー・トゥエルブ)」です。この調査によると、日本企業はエンゲージメントの高い「熱意あふれる社員」の割合が6%で、米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位レベルでした。さらに言うと、「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」はなんと70%に達しています。
「会社には行くけど、なんか嫌だなぁ」と思っていれば、その状態は自身の健康を害していきますし、その状態で仕事をしていても、生産性が上がるはずありません。
目的意識を持って主体的に働いている人に対して、プレゼンティーイズムの状態(会社に出勤して仕事をするものの心身の不調で生産性が低下している状態)の人は「働かされている」という気持ちになっている可能性もあります。
しかし、人が皆、精神的にも身体的にも強いわけじゃありません。
目的意識を持っている人でも、仕事を通してプレゼンティーイズム状態になってしまって、熱意が下がってしまうということもあるでしょう。
新たな気持ちで会社に入る人は少なからず熱意を持っているはずなのに、働く中で熱意がなくなっていってしまうわけです。
そこには何かしらのキッカケがあるはずなので、そのキッカケを意識することが大切なのかなと思います。
以下の記事に離職要因に関して言及していますが、離職する理由にはいくつかの種類があります。
言い方を変えると、働き続ける理由にもいくつかの種類があります。
それらの傾向を抑えることが大切です。
あとは、離職理由が生まれるキッカケになった出来事があるはずなので、そこを押さえることこそ大切なのかなと思います。←これが難しいんですけど。
その人が働く中で日々どのような情報に触れて、どのような気持ちになるかなど、それだけでも全てを把握することなんてできないんだから、何がキッカケで「辞めようかな」と思い始めたかなんてことは、掴みきれない情報だったりします(辞める本人すらもわからない可能性すらある)。
だからこそ、プレゼンティーイズムを気にしながら、管理する側やマネジメントする側だけじゃなくて、「自分の健康は自分で守る」という意識を持ちながら働く人を増やしていきたいなと思います。
健康管理も主体性が大切ですから(会社としての整備ももちろん大切)。
プレゼンティーイズムに似てる言葉として、アブセンティーイズムという言葉があります。
◆プレゼンティーズム(presenteeism)は「疾病出勤」という意味。プレゼンティーズムとは「出社しているものの、何らかの健康問題によって業務効率が落ちている状況」であります。心身に不調をきたしている状態であるため、業務パフォーマンスが十分に発揮できず、生産性が低下してしまいます。
◆アブセンティーズム(absenteeism)とは「仕事を休業/欠勤している状態」という意味の英語。心身の不調により、遅刻や早退、就労が困難な欠勤や休職など、業務自体が行えない状態を指します。プレゼンティーズムとは異なり「休業している」という状態が可視化されている損失であります。
プレゼンティーイズムの先にアブセンティーイズムがあり、アブセンティーイズムの状態になってしまうと働けない状態になってしまいます。
以下に記載するように、アブセンティーイズムよりもプレゼンティーイズムの方が企業においてかかるコストが高いし、生産性においても影響が大きいというデータが出ているので、プレゼンティーイズムの状態に注目が集まるのもわかります。
![](https://assets.st-note.com/img/1709413597137-JI6wc5mbSa.jpg?width=1200)
企業における損失と改善法を紹介←上記記事
上の図からはこんなことが読み取れます。
通常の医療費やアブセンティーズムに比べて、プレゼンティーズムによるコストの割合が各段に大きい。
下の図からはこんなことが読み取れます。
健康関連の総コストのうちプレゼンティーズムによるものが77.9%と8割近くを占めており、アブセンティーズムは4.4%、医療費は15.7%でしかない。
プレゼンティーイズムとアブセンティーイズムの大きな違いは、「まだ働けている状態(プレゼンティーイズム)」か「働けていない状態(アブセンティーイズム)」かということ。
この違いは、1人の人の人生を考えると非常に大きな違いです。
「まだ働けている状態(プレゼンティーイズム)」を脱する為に必要な施策と、「働けていない状態(アブセンティーイズム)」を脱するのに必要な施策は、全然違いますからね。
個人の状態を考えても、精神状態の違いがあることは容易に想像ができます。
働けていない状態に一度なってしまったら、そこから抜け出すのはそう簡単じゃありません(過去に何人も見てきました)。
これは、企業で健康経営の指針を出すとか取り組みを進めるとかも大切ですけど、個人で知識を持って冷静に判断することも大切です。
「まだ働けている状態(プレゼンティーイズム)」と「働けていない状態(アブセンティーイズム)」との違いを知り、自分にとって何が必要なのかを冷静に判断できるようになることが、とても大切なんだと思います。
引き続き、キャリアに関連する研修を実施する中で、その大切さを伝えていきます。
感謝
今回も、読んでいただきありがとうございました。