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自律を育てることの重要性

心をラクにするワークライフハック

このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。

「心をラクに」というのは、「快く安らかに過ごしている状態」という意味で使っている言葉であり、「サボる」という意味ではありません(快く安らかに過ごすために、時にはサボる時も大切ですけどね)。

今回の内容

数年前に参加したウェビナーのログです。

改革をする時には、トップが覚悟と意志を持って推し進める必要があります。

周囲からの反対意見は必ずあるけど、「反対意見があるからやらない」ではなくて、「反対意見があってもやらないといけないのはなぜなのか?」を考えて前進する・・・そうしないと、何も変わらない。

古い文化を壊して新しい文化にするというのは、とてつもないエネルギーが必要だけど、それをやるかやらないか・・・使命感によってこの分岐点での答えは変わるでしょう。

このウェビナーでは、工藤さんが学校教育の現場で推し進めてきたことが理解できたのと同時に、「学校教育を変革せねば」という使命を感じました。

ウェビナーのテーマでもある「自律する」というのは、子供だけでなく大人にとっても重要な要素なので、企業での社員教育においても参考になる内容でした。

テクノロジーとコミュニティの力で教育現場と社会を繋ぐ株式会社LX DESIGN (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金谷智、以下LX DESIGN) は、2月9日(水)、横浜創英中学・高等学校で校長をされている工藤勇一先生をお招きし、直接工藤先生にご質問できるインタラクティブなオンラインイベント、「日本の未来を変える教育者工藤勇一先生に聞く!『自律を育てる教育づくり』」を開催いたします。

※情報はウェビナー当時のもの

◆今回のテーマとなる「自律する力」とは「『自律する』生徒を育てたい」そういう想いを持った先生方が多いかもしれません。しかし、実際取り組もうとすると、「生徒指導上の問題は起きないか?」「先生方の負担を増やすことに繋がらないか?」「保護者にどう説明を行うか?」など実施にあたってお悩みが多々あるということに、LX DESIGNが『複業先生』(https://fukugyo-sensei.net/)を通して学校の先生方とヒアリングを通して知る機会がありました。こうした悩みは、地域や学校ごとで異なることもあるという声も。

工藤さんは、これまで多くの著書を出しています。

※学校改革の現場をリアルに書いてます。

※学校において、多数決で物事を決めない方法をわかりやすく書いてます。

◆登壇者プロフィール
┗登壇者:工藤勇一さん 横浜創英中学・高等学校 校長1960年山形県鶴岡市生まれ。大学卒業後、山形県で公立中学校の教員に。東京都の公立中学校の教員も務めた後、東京都や目黒区、新宿区の教育委員会を経て、2014年4月から2020年3月まで千代田区立麹町中学校で校長を務める。麹町中では服装頭髪指導をしない、定期テストは廃止、固定担任制もなくすなど、「学校の当たり前」を見直した教育改革で注目を集めた。2020年4月より現職。
┗モデレーター:金谷智さん 株式会社LX DESIGN 代表取締役社長 1990年、富山県生まれ、高岡高校、東京学芸大学 教育学部を卒業後、アメリカ・サンフランシスコのスタートアップ企業、公立小学校学級担任、教育系スタートアップを経て(株)LX DESIGNを設立。教育特化型複業プラットフォーム"複業先生"など、テクノロジー×教育領域のサービスを全国展開。教育系大学生のためのLXゼミは年間参加者300名を超えるコミュニティに。都内私立大学での客員教員、地元富山大学での授業など、国、行政、企業、多様なプレイヤーを巻き込んだ、学校の新たな関係人口創出エコシステムに注力。

※情報はウェビナー当時のもの

工藤さんのお話を聴きながら、自分なりに残したメモを時系列で記します。

1. キーワード『自律』について

◆自律:自分で考えて判断して決定して行動する。この一連の流れ。人間は本来、自律を体現することはできない。脳が突かれるから、脳科学的に見ると、意識してできる人は人のせいにしない。

◆決定を誰かにゆだねている人は、誰かのせいにする。幸福度が変わってくる。自律をした子供たちを育成するというのが、子どもを育成する最重要なこと。日本の教育は与え続ける教育をしている。ますます自己決定する力が必要。対立・ジレンマを解決するために、対話する力が求められている。なのに・・・、団結が大好きで、同質性を求められている。「仲が良い」と「チームワークが良い」を一緒に考えている人が多い。そうすると、自律する集団ができてこない。幼児教育から小学校から中学校から高校まで、同質性を大切にする教育に染まっている。

2. 麴町中学校の話

◆工藤先生が着任した当時は、細かいことで先生が生徒を怒鳴る状況。学級崩壊もそこらであった。最初の1年は、経営理念は出していない。全ての人間の独り立ちをポリシーにしているから、みんなが何を目指すのかを考えて、そこに合わせて理念を考えていくスタンス。変化をさせる時に、対立構造をつくらないことが大切。理想の姿を決めて、そこに近づけていく為の戦略を立てる。ステップをデザインして、様子を見ながら対応させていった。

◆平教員の時には、ものすごく荒れた学校にいた。そんな中でも、みんなを当事者にして、目標を決めて進む。みんなで大切にするものを決めた。規律を重視して、徹底して校則を守らせようとするのは、日本全国の一般的なやり方だけど、本当に厳しい犯罪とかで叱って、それ以外は叱らないと決めた。勉強なんてできなくて良いから、徹底的に掃除をしようと伝えた。みんなで汗水流して掃除したり、綺麗にしたりすることで、誰も壊さなくなる。関わった当事者になると、自分達が変えたという認識になっていく。与えられると文句ばかり出てくる。それと同じ方法を麴町中学校でやった。

◆「一番大切なものってなんでしたっけ?」ということを具体化して、何度も伝えていく。そうすると、子どもが変わっていく。そうすると、保護者の方が大応援団になっていく。教員を変えることはできない。変わるキッカケを与えることはできる。命に係わることは叱らないといけない。そうすると、「叱るとはどんなことなのか?」ということを考え出す。先生が意識する事を子供が意識し出す。その延長線上に、学校改革がある。

3. 気づきが多い問いを立てる

ただ一つ。「目的は何?」という問い。本当の目的を考えさせることが重要。

4. 質疑応答

◆優先順位の付け方について
→みんなでディスカッションするしかない。優先順位が決まって、腹落ちするには時間が掛かる。それぞれにポリシーがあって、それを否定するのは苦しい。矛盾を感じた経験が少ない人が価値観を変えることは非常に難しいこと。どうすれば子どもたちに信頼されるかを共創する先生が生まれて、負ける先生は苦しい想いをする。「良い先生、悪い先生」という話が生まれてくる。全員担任制というものをやったら、保護者は絶賛してくれた。今は全員担任制が全国で広がってきている。

◆麴町中学校で変わった生徒のその後はどうなっているのか?
→自律と尊重(多様性を受け入れるということ)。体験を通して学んでいく子どもは、人のせいにしなくなる。高校進学も自分で選ぶようになる。自分で選んだ高校だから、校則が厳しくても、自分を律してその場所に行く。N高に行く子もいる。自分で自分をコントロールできるようになっていく。麴町中学校では自分の取扱説明書をつくる。

◆どういうふうに学校に関わっていけば良いのか?
→保護者が学校を変えるというのは難しいこと。クレーマーだと思われたりするから。保護者は要求をするばかりになってしまった。それは、学校が与え続ける教育をしてきたから。他と比べることができるようになってきたから、特にそれが起こるようになった。自分のクラスでいじめが起こると、「自分のクラスでいじめが起こったから、保護者にどう説明するのか?」ということを考え出す。これって、本当に良くないこと。全員担任制だからこそ、建設的に考えることができるし、目的をブラさずに議論することができる。「トラブルは大事な学び。起こったら子供の学びにすること、解決した時に信頼が増すこと、それが大切。支援をしていくということで、保護者が信頼してくれるようになる。」と伝えていた。加害者側の親を呼ぶ時に、呼び方がある。「学校で起きたことなのに、学校に来てもらって申し訳ない。」と言うようにしている。親は謝るけど、学校も謝る。「どんなふうにしたら自律の学びになるか?」という戦略を立てて、加害者の親に謝る機会を与えたりする。学校と親の対立関係をなくしていく。この対立構造を親側で解きほぐすのは難しい。

◆立場の違いでできることが違う。一般教諭の視点で何ができるか?
→立場があると見える世界が変わる。教務主任だったら、校長の姿が見える。上の人を動かす為には、その人を説得させることが大切。考え方が違うと感情の対立になってしまうが、それは良くない。感情の対立になるという文化になっているから、訓練しないといけない。自分のできる範囲で話しをして、上位の目的を見失ってはいけない。日本人に一番有効なのはブレスト。いろんな人が同時に声を挙げられるから。

5.聴きながら思ったこと

  1. 自律は幸福度に繋がる。これは本当にそう思う。

  2. 環境に依存しない人を育て、自分の軸を大切にすることが重要。

  3. 学校にも、外的報酬と内的報酬があるんだと感じた。「これをやらないと◯◯だよ」という感じの教育になってしまっている。

  4. 叱る基準はアンガーマネジメントに通ずる。叱る優先順とかは、怒りの温度計の話と一緒だもんな。アンガーマネジメントの重要性をもっと伝えていかないといけない。

  5. 先生が意識する事を子供が意識し出す。これはまさにそうで、会社にも私生活にも同じ構図がある。

  6. 目的を考えさせることが全て・・・、やっぱりこれが大事。

  7. 特にアンラーニングが大切だと感じた。学習(ラーニング)、学習棄却(アンラーニング)、再学習(リラーニング)の3つの大切さ。

  8. トップダウンでやるべきことと、ディスカッションしてやるべきことの違い。ここを明確にしていく必要がある。

  9. 自律した子は人のせいにしない、というのはその通り。

  10. 与えて与えられるというのは、会社も一緒だな。いじめのくだりも会社と一緒。学校と会社の共通点を感じた。ここを追求すると、組織のあるべき姿が見えてくるかも。

  11. 共感することで信頼が増す。何よりも信頼が大切。

  12. 感情の対立は大人の組織の中でもあること。

  13. 対話力というのは、相手と関係性を構築する力。

  14. 学校の構図(校長と先生と生徒)と人材派遣ビジネスの構図(管理職と部下と現場社員)が似てると思った。

工藤さんの考え方は、学校じゃなく、大人の組織でも大切なことばかりです。

組織づくりおいて活かせる話もたくさんあるので、工藤さんからの学びを深めていこうと思います。

それと、個人としては、これを機に「自分はどんな学校教育を受けてきたかな?」「自分は学校教育で何を学んできたのかな?」「学校教育で通して今でも大切にしていることは何かな?」という問いを立ててみてほしいです。

学校によって教育レベルに差があったり、先生によって教育レベルに差があるような議論を目にすることがあります。

それは確かにそうかもしれません。

ただ、国から提示されている指針は同じで、それに則って教育が設計されているから、受けてきた教育の内容として、根底に立ち返ると、そんなに大きく変わらないのかなっていうのが僕の印象です。

大切なのは、「教育を受ける側の生徒がどんな目的で、どんな姿勢で教育を受けるのか?」ということだと思うんです。

自立的に自律的に学ぶことができれば、どんな学校でも、どんな先生が担任でも、周りにどんな人がいたとしても、意義ある学びを受けることができるはず。

工藤さんの話を聞いて、本を読んで僕自身が感じたのは、「最終的には個人の姿勢が大事だし、どんな姿勢を身につけさせるかってのが大人の責任である」ということです。←企業における上司部下にも同じことが言えますね。

環境や周りにいる人や上司などの外的要因に言い訳せずに、その場にいる目的を見出して日々を過ごせる人を多くする・・・この意義はとても大きいです。

心をラクにするキッカケ

今回も、読んでいただきありがとうございました。

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