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ストーリーを紡ぐ「センス」

企業研究、働き方研究の第一人者である楠木建さんと山口周さんが、「仕事ができるとは?」という問いについて、対談した本。

本の冒頭で、楠さんは、仕事ができる人の定義をこう語る。

「この人じゃないとダメだ」と思わせる、それが「仕事ができる人」です  楠 木 建

確かに、「この人じゃないとダメだ」と思わせることができたら、唯一無二、代わりのいない存在として、世の中には評価されるだろう。

そんな中で、「仕事ができる人」の具体像が以下の文章から考えられた。

 先日、やはりノーベル医学生理学賞を受賞した医学者の本庶佑先生とファーストリテイリング会長の柳井正さんとじっくりと鼎談する機会に恵まれたのですが、本庶先生も同じことをおっしゃっていました。「何を知りたいか」──これがいちばん大切な問いだとおっしゃるんです。まずは何を知りたいかを知らなければならない。ここに科学者の生命線があるのだけれど、それは体系的に教科書で勉強しても出てこない。

ユニクロの社長の柳井さん、ノーベル賞を受賞した本庶佑先生も「何を知りたいか」がなければ、いけない。この問いが最も大切だと語る。

「何を知りたいか」を理解し、「その答え合わせ」を自分で行える人。

これが、「仕事ができる」人のような気がするのだ。

とどのつまり、「何が知りたいのか」という問いは、「じぶんはどう生きたいのか」という問いに直結する。

「かっこいい大人(≒仕事ができる人)」ていうのは、「その時々に自らの生き方を体現するひと」のように思うのだ。

それは、「資格を持っています」、「大企業で働いています」という比較可能な「スキル」のようなものではなくて、「こういう風に生きたいんです」という「他者と比較が難しい」、ストーリーを自分で紡ぐ「センス」という問題につながる。



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