北里柴三郎と目に見えないもの。
https://www.amazon.co.jp/小説-北里柴三郎-ドンネルの男-山崎-光夫/dp/4492062149
山崎光夫さんの『小説 北里柴三郎: ドンネルの男』を読んだ。
日本の細菌学の父とも呼ばれる、北里柴三郎。
彼の人生を描いた作品だ。
本を読んで驚いたことは、「彼が誰に会ってきたか」ということだ。
森鴎外、ジョン万次郎の息子、後藤新平など、歴史上の人物が、同じ時代を生きている。
コ口ナの予防対策で有名なロバートゴッホに見出され、国費留学から返される可能性があったときには、留まるようサポートを受けた、北里柴三郎。
そんな彼は、毎日顕微鏡で、人が見えない世界を探究した。
細菌学は数年で成し遂げられるものではなく、時間を要することを彼は何度も説いた。
人が見えない世界を、人が理解できる世界に持ってくること。
北里柴三郎が膨大な時間をかけてみてきた「顕微鏡の中の世界」。
現在は、なんでも全て簡単に手に入る時代だ。
悪いと言ってるわけではない。
便利さは人々が追求してきたものだし、その欲望がイノベーションを生み出してきた。
ただし、そのイノベーションは突然時間をかけず生まれたものではなく、人類の歴史の積み重ねがあって、生まれたものである。
時間を使って努力することを忘れやすい時代、のような気がしている。
北里柴三郎の人生はそんなことを思い出させる。最後に北里柴三郎の言葉を引用したい。
基礎とは生涯を通じての勉強
偉業を成そうと思うなら、その基礎をしっかり固めなさい
熱と誠があれば、何事でも達成する
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