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割り込みを減らすために意識したい「ABCDE段階」

声掛け、電話、メンションなど直接割り込みたいときがありますが、使いすぎるとノイジーです。使う機会を減らしていきたいところです。

メンションについては、すでに解説しました。

今回は「割り込み全般」を減らすための考え方を紹介します。


伝達のABCDE段階

何かを伝える際、直接割り込んで伝えたくなりますが、伝え方は他にもあります。

これを整理したのが伝達のABCDE段階です。情報をどこに置くか、という観点をわかりやすく整理したものです。

  • A Archive 倉庫

    • 倉庫に置いておく

    • 見ようと思えば見れる

    • 普段は目に入らない

  • B Booksheld 本棚

    • 本棚に入れておく

    • 見ようと思えば見れる

    • 部屋にあるので、A(倉庫)よりも目に入りやすい

  • C Calendar カレンダー

    • 壁に掛けたカレンダーに、予定に書いておく

    • 見ようと思えば見れる

    • 毎日目にいれるので、B(本棚)よりも目に入りやすい

  • D Desk 机

    • 机に手紙を置いておく

    • あれば気づくので、C(カレンダー)よりも目に入れやすい

  • E Ear 耳

    • 直接捕まえて言う

    • 直接言うのに確実に伝えられる、D(机)よりも強い


割り込みはEのみである

割り込みは、ABCDE段階で言えばEの段階です。最も強度の高い段階となります。

逆を言えば、E以前のA~Dの段階で済むものについては、割り込まずに済ませられるということです。つまり、

  • 後で読んでもらえればいいものは、D Desk 机に手紙を置いておけばよい

  • 予定として押さえてもらえばいいものは、C Calendar カレンダーに書き込んでおけばよい

  • そのうち目に入れてもらいたいものは、B Bookshelf 本棚に入れておけばよい

  • 見ても見なくてもいいものは、A Archive 倉庫に入れておけばよい

ということです。


各段階ごとの対処を可能にする

ABCDE段階の意義は、各段階ごとの対処――具体的にはツールとその運用をつくればいいと示していることにあります。

「割り込みが少ない方が良い」のは一般的には当たり前ですが、だからといって、じゃあどうすればいいかはわかりません。ABCDE段階は、ここに明確な指針を与えます。

A、B、C、D の各段階に対してツールを整備し、運用を考えればいいのです。


一例を挙げます。

※理解しやすいのでEから書きます。

  • 「E Ear 耳」は、DMまたはグループチャットまたは電話を使う

    • DM、グループチャット、電話が来たら、それはすぐに反応してほしいということです

  • 「D Desk 机」は、Ear以外のメンションを使う

    • たとえばチャンネル上でのメンションはこれになります

    • メンションではありますが、Deskの扱いであり、すぐに反応する必要はありません

  • 「C Calendar カレンダー」は、以下運用にする

    • 1: グループスケジューラーの予定表を使い、誰でも好きに予定を入れて良い

    • 2: 予定の許可や拒否、またその調整は当人間で行う

    • なので、予定としてやればいいことは、その人のスケジュールの空きに勝手に入れておけば済みます

  • 「B Bookshelf 本棚」は、Googleドキュメント上の所定フォルダとする

    • ※同時編集可能なノートを扱える共有フォルダなら何でも良い

    • ここに書いたものは時間があるときに見ておいてね、最悪見なくてもいいけどなるべく目を通す事をすすめるよといったニュアンスです

    • また、読むことを強要される場所ではありません

  • ……

このような運用を始めたとすると、割り込みは E だけで済みます。DM、グループチャット、通話以外はすぐに反応しなくてもよくなりますし、すぐ反応が欲しくないなら D 以前の段階を使えば良いのです。

もちろん、これは一例であって、各段階のツールと運用をどう設計するかは皆さん次第です。


組織としても個人としても使える

このABCDE段階は、組織としても個人としても使えます。


組織、たとえばチームや部門などで使う場合は、全員一律にABCDEの運用を適用します。そうすることで無闇に割り込まれるのを減らせるでしょう。

※人数が多いと厳しいです。十数人、多くとも数十人程度の規模向けです

もちろん、啓蒙は必要ですし、各人が心がけるという思いやりも要ります。また、前提として各段階を実現するツールの導入が必須です。大げさに言えば、DX です。人力でカバーできるものではないからです。

そして、ここにトップの投資が必要となることは、過去の記事で述べたとおりです。

ちなみに、アナログにオフィスで働くのが動線となっている組織の場合、アナログに整備することもできます。机(のうち手紙を置く場所)、壁掛けカレンダー(個人ごと)、本棚などを物理的につくればいいだけです。


また個人でも使えます。

たとえば相談や依頼を多数受ける立場の人が、このABCDEの運用を皆に周知することができます。

組織内に限らず、たとえばフリーランスの方でもお使いいただけるでしょう。

特に、ABCDEの各段階をイラスト化して、かんたんにアクセスできるように整えると映えると思います。倉庫と部屋を表示して、部屋の中には本棚と壁掛けカレンダーと机を表示して、のような感じですね。


以下余談:

ひょっとすると、グループウェアなどコミュニケーション用のツールとして実装するのが良いかもしれませんね。

あるいはアナログなら Desk、Calendar、Bookshelf あたりを実現するグッズをつくったら流行るかもしれません。アナログというと、本サイトの読者はイメージが湧きづらいかもしれませんが、キングジムなどオフィス用品を扱う会社はあり、需要もあります。


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