SNS疲れ → 多様性疲れ → 文化疲れ
SNS疲れがあります。SNSは欠かせない存在だけど、ぶっちゃけ疲れる……。
多様性疲れがあります。多様性は大事って建前だけど、ぶっちゃけだるい……。
同じことが組織や社会の文化にも言えます。これを文化疲れといいます。
例
会議
みんな薄々要らないことはわかってるし、もっと上手くやれることも知ってるけど、変えられない。
「こういうことにするけど、これでいいよね?」を確認する儀式が必要だから
グルーミングが混ざっているから
一緒に過ごして信頼関係をつくっていく営みが混ざっているから
飲み会
ぶっちゃけだるいし、仲良い奴とだけつるみたいけど、変えられない。
飲みニケーションの文化があるから
建前と本音があるから
表では建前しか言えないが、それでは仕事や組織は回らない → どこで本音を交わすか → 飲み会、という構図になっています。
※近年ではマグネットスペース(喫煙室や給湯室のようなもの)も重要視され始めていますが、「専用イベント」が飲み会からすり替わっているだけで本質的には飲み会と同じです。
朝型の勤務時間
もっと融通利かせたいけど、便宜のために全員同じ時間帯だし、生活リズム変えるのも大変だし、代わりの時間帯決め直すのも大変だから、変えられない。
就業規則が朝型のままだから
営業時間が朝型のままだから
なんだかんだ上手くやれてるから(変える理由がない)
文化疲れとして●●疲れが出てくる
つまり文化疲れとして、●●疲れが生じます。
ここまでの例で言えば会議疲れ、飲み会疲れ、朝型疲れですね。
文化疲れを解消するには?
1: 言語化と議論により、現状を正しく認識する
とにかくまずは現状認識です。知らないと何もできません。
特に「なぜ今のこのようなあり方になっているのか」の背景――別の言い方をすれば文化の出どころや成り立ちを知りたいところです。
理由は二つあって、一つは、このような背景は言わば特殊解であり、ここがはっきりしておかないとスッキリせずに先に進めないあからです。「本音や真実が知りたい」「知らないと先に進めない」のと同じですね。
もう一つは、特殊解という形で対象が見えることで「私のせいじゃないよね」「文化のせいでしかないよね」と胸を張れるからです。自分に原因があるんじゃないかという自責を捨てることができます。あなたが悪い、私が悪いではなく、今の文化に則っているがゆえの制約・限界なのだと問題の構図を変えることができます。
2: 現状以外のやり方ができないかを考える
現状認識ができたら、次は「別のやり方はできないか?」を考えていきます。
捨てられないか?
代替はあるか?
「今後も続ける人」と「今後やらなくていい人」とで分けることはできないか?
また、両者を共存させるためには何が必要か?
組織全体で統一するには無理にしても、小さく始めることはできないか?
そもそも組織全体で統一する必要があるのか? etc
たとえば「今は毎日出社しているけど、本当に必要なのか?」とか。出社せずに済ませられることとして何があるかとか、出社せずに済ませている事例はないのかとか、出社する人としない人を両方共存させることはできないかとか――。
パンデミックによりリモートワークは急速に普及しましたが、最近は出社回帰の流れもあります。これも「出社」「対面」といった文化にとらわれているからにすぎません。本当にそうしないと仕事はできないのでしょうか?できないとして、なぜできないのでしょうか?できない原因を軽減することはできないでしょうか?
と、このように自問自答をはさみながら、現状以外のやり方を考えてみるのです。
3: 仕事術2.0を学ぶ
ここで重要となってくるのが、仕事術(仕事のやり方や考え方)自体を知ることです。
道具や知識がないと何もできませんし、自分たちだけで一から思いつくには限度があります。たとえば「文化疲れ」という概念自体も、この記事を見たからこそ認識できたはずです。あるいは、薄々認識していたことを改めて認識できたはずです。
これが仕事術の力です。
仕事術それぞれが常に万人に当てはまる正しさを持っているとは限りませんが、仕事術はそれ自体が知識であり道具です。自分なりに
解釈したり試したりできます。
仕事術は色々ありますが、当サイトでは仕事術2.0と題して、現代だからこそ必要となる仕事術を色々と取り揃えておりますので、ぜひ読み漁ってみてください。
最後に、いくつか例を挙げておきます。
会議疲れについては、以下の考え方が役に立ちます。
会議そのものにグルーミング(交流)の要素も混ざっていますが、グルーミング自体は人間的にも文化的にも欠かせないことですから削れません。
ならば、会議とグルーミングを切り離して、グルーミングはグルーミング用のイベントを別途やればいいのです。たとえば1日1時間、「仕事せず一緒に過ごすだけの時間」をつくったりすればいいのです。グルーミングはそこで終わらせて、それ以外の会議では、グルーミングを廃して会議そのもの集中します。これなら会議効率化はできます。
飲み会疲れについては、アウトプットベースの価値観に切り替えることで解消できます。
要するに議題やコメントを、会話ではなくアウトプットの形で行えるようにすれば、それだけで議論ができてしまいます。
言語化の手間と、皆に見えているというプレッシャーには耐えねばなりませんが、だからこそ建設的な議論が可能となります。いちいち表では建前を言って、でも飲み会で本音を交換して、みたいなムーブから解放されます。
ちなみに、よく飲み会以外の対話の場が設定されがちですが、飲み会から別のイベントに変わったというだけで本質ではありません。対話疲れに変わるだけです(たとえば、すでに1on1疲れはあるのではないですか?)。
朝型疲れについては、より融通の利く働き方が必要です。
リモートとフレックスがあればだいぶ融通が利くようになります。朝5時から働く人と、昼13:00から働く人の共存も容易いです。
しかし、リモートとフレックスがあっても、結局皆で時間を合わせてオンライン会議ばかりしているというシチュはよくありますので、非同期的に働けるようにする(その極地がフルアシンク)も重要です。
もう一つ、フルマスクについてはここでは取り上げませんが、このように働き方の融通を利かせることは可能なのです。